2024.5.28   3 分だけど…

眼科医にとって近視はとても身近です。

近視と一口に言っても、乳幼児から高齢者まで。

緑内障や白内障、網膜の病気や斜視など。

年齢も病気も多岐にわたり近視と深く関係しています。

近視を軸として、眼科の病気を考えるのが近視学会。

 

土曜日の午後の講演に間に合いたい。

診療延長とその後の事務掃除などの時間を予想。

東京駅から会場までの距離と時間。

それらを勘案して指定券を購入。

 

当日、スタッフ全員巻いて巻いて何とか予定の新幹線に乗れました。

新専門医制度になってから、単位の取得は、毎回講演10分後に締め切られます。

当初の計算で行くと、ぎりぎり開始10分後に単位申請出来る見立てでした。

 

さて、今回は小さな会場。

学会参加の受付をして同じフロアの講演会場に行く予定。

受付でQRコード提示するも『パスワードは?』

『え~!?覚えてない。うちのPCにあるはずだけど…』

焦るも進みません。

会場スタッフが『名前からお調べします』と言ってくれ難を乗り切った院長。

大急ぎで会場に行くも、単位申請読み取り機がありません。

『3分前に締め切っちゃたんですよ』

ガーン…仕事巻き巻きで来たのに…

単位は取らなくても聴くことは出来ます。

恐らく今回取らなくても、更新に支障ない単位数を取得できているはず。

それにしても…3分の見込み違いにショック!を隠し切れない院長でした。

 

さて、今回の学会も、本当に勉強になりました。

 

最近当院でも力を入れているオルソケラトロジーについて…

軽度近視群では、オルソケラトロジーと低濃度アトロピンの併用は、単独群より大きく近視抑制効果があることが実証されました。

ただ中等度以降は併用効果がないので、きちんと見極めることは必要です。

また、アトロピンの濃度は0.01%が主流でしたが、0.025%で更に近視抑制効果があることが実証されています。

研究では、0.05%が最も抑制効果がありましたが、止めてからのリバウンドも大きい(進行が速くなる)と報告されています。

現在日本で使用できる点眼濃度は0.01%と0.025%。

当院でも、早速0.025%アトロピンを導入する予定です。

 

強度近視は、一般的にはオルソケラトロジーの対象ではありませんが、強度近視にオルソケラトロジーをして弱めの近視にし眼鏡を装用しても、眼軸長(目の奥行)の伸びが抑制されたという報告も。

これは、乱視の場合の報告もあったので、今後オルソケラトロジーの適応が広がるかもしれません。

また、片方だけ近視が強い場合も、近視の強い方にオルソケラトロジーをすることで眼軸長の伸びが抑制されたという報告も。

 

年齢が若いほど、近視進行は早いです。

6~8歳が急激に進行(眼軸長が伸びる)するので、この時期にオルソケラトロジーを始めるのがベストです。

もちろん、どの年齢で始めても眼軸長の伸びの抑制効果はありますが(中学生くらいまで)。

 

双子研究も興味深かったです。

ひとりに眼鏡、もうひとりにオルソケラトロジーをすると、両者の眼軸長の伸びに2倍の差(眼>>オルソ)が生じたとのこと。

 

その他にも、サギングアイ症候群・後天性内斜視・緑内障・白内障との関連講演をたくさん聞いてきました。

これも折を見て発信していきたいと思います。

 

今回はタイトなスケジュールのため、徒歩圏内の日本橋デパート(初)のみ。

ざーっと歴史的な建物を楽しんだだけですが。

デパ地下のお惣菜を新幹線のテーブルに並べて日本橋?を味わいました。

ひとり、乾杯!

 

 

 

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