2020.3.24  MCIって?

先日、『名古屋市もの忘れ検診』について告知したところ、検診を受けられる方が増えています。

当院まで、ほぼ自力で通院。

受付後、視力検査をし、時には視野検査や画像検査もしてから診察。

この間、必要事項だけでなく、何気ない会話が成立している眼科の患者さんは、しっかりされている方が多いように思われます。

 

『もの忘れ検診』のパンフレットを見せると…

『うん、うん。気になってたのよね~最近、良く忘れるし』

『大丈夫だと思うけど、受けて、確認してみようかな~』

『私より、お父さん(夫)の方が心配なのよね~』などなど、様々な反応がありますが、概して検診意欲あり。

もちろん、なかには『結構です!大丈夫です!』ときっぱりと拒否、もしくは『そのうちに…』との先延ばしの返事もありです。

 

難しいことは何もなく、簡単な質問に答えていくだけです。

同居家族の方が、医療者より検診を受けられる方のことを良く知っていることが多いので、夫婦・家族などで質問に答えることも有意義です。

 

『今いるところはどこですか?』

『はせこうさん』(はせ川こうクリニックは結構短縮で呼ばれています。院長を示す場合もあり)

『緑区兵庫』(近所だと地名までわかります)

名古屋市。日本。地球。など、どれも正解です。

 

『一人で買い物出来ますか?』

『いつも嫁さんが買い物してくるから、一人で買い物なんかしたことないな』こういう答えもあります。

 

『入浴は一人で出来ますか?』

『当たり前じゃない。誰かと一緒なんて、お父さん(夫)とでも嫌だわ~』

 

想像を超えた返答が他にも多々…

 

生活に関する質問は、検者や配偶者・家族との関係も垣間見えて、更に世間話的に広がりが出ます(検診後)。

そういった一連の検査結果を集計し、判定します。

 

『認知症の低下は認めない』

『認知機能低下の可能性あり』

『認知機能低下がある』

 

いずれかの結果を伝えます。

『検診受ける前は、ドキドキだったわ~』

少しでも認知機能低下がみられれば、精密検査を推奨します。

 

積極的に検診を受けられる方、80歳近くになっても仕事を持っておられる方は『認めない』傾向にあります(当院調)。

 

『もし認知症だったら怖いから、受けない』と乗り気でない方があります。

実は、いきなり『認知症』になるのではなく、その手前には『MCI:Mild Cognitive Impariment 軽度認知障害』が存在します。

正常な状態と認知症の中間です。

 

アルツハイマー型認知症の原因物質アミロイドベータは、アルツハイマー型認知症を発症する20年位前から蓄積されていると言われています。

MCI(軽度認知障害)の段階でも、脳内にはかなりのアミロイドベータが蓄積しています。

しかし、MCI(軽度認知障害)の時点で早期発見することで、適切な対策や治療で発症を遅らせられる可能性があります。

そのためMCI(軽度認知障害)の早期発見が重要なのです。

 

これは、緑内障でも言えます。(←話は飛びますが、眼科専門医からのメッセージ)

患者さんが、見え方の異常を自覚して来院された時には、中期から末期になっていることがほとんどです。

他の理由で来院されても、リスクや怪しいサインがあれば、緑内障の精密検査を勧めます。

緑内障の前段階の『前視野緑内障』の病態も、注目されています。

40歳過ぎたら、緑内障(前視野緑内障)に注意!

 

早期発見すれば早期治療が可能です。

気軽に検診受けてみませんか。

 

こちらもご覧ください

名古屋市もの忘れ検診

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