2018.5.29 はやり目
国立感染研究所は、今月22日、5月7~13日の間で、流行性角結膜炎(はやり目)の患者数が1医療機関1.17人になったと発表しました。
過去10年間では最多となっています。
宮崎県3.83人、新潟県3.5人、神奈川県3.15人の順で多くなっています。
これは、定点当たりの患者報告数からの結果です。
つまり、いくつかの予め指定された医療機関からの報告ということです。
流行性角結膜炎は、アデノウイルスによる感染症です。
8~14日の潜伏期間(症状がでない)の後、急に結膜(白目)の充血や目やに、眼瞼(まぶた)の腫れ、流涙が起こります。
両眼同時に発症することが多いですが、数日して、片眼から両眼へ発症することもあります。
片眼発症の場合は、先に発症した目の方が、重症化することが多いです。
また、風邪様症状や、耳前のリンパ節の腫れを伴うこともあります。
眼科では、一番注意が必要な感染症です。
まず、眼科医が診察をして、はやり目が疑われるようなら、迅速キットを使います。
はやり目では、瞼結膜(瞼の裏)をこすります。
これは、痛いのですが、きちんと検査するための大事なポイントです。
10分してアデノウイルスが分離されると陽性です。
はやり目の場合、注意することは…
手は流水やせっけんでよく洗う。
目を触らない。
タオルは家族と共有しない。
コンタクトレンズは装用しない。
学校や保育園は、医師の許可が出るまで休む(可能ならば仕事も)。
ウイルスに特異的な点眼薬はありませんが、炎症を抑えるための点眼薬は処方します。
ウイルス以外の細菌感染の混合感染も抑えるように、抗菌剤も用います。
一般的には1週間後には、かなりよくなりますが、症状や程度により2週間近くかかる患者さんもあります。
ほとんどの患者さんは、眼の症状、所見(医師から見た状態)が良くなれば、治療終了となります。
しかし、稀に、角膜(黒目)に濁りを残すことがあります。
多数の濁りがある場合は、視力低下を起こします。
炎症を抑える点眼薬で、速やかに、減ったり消えていく場合がほとんどですが、中には、再発を繰り返す場合もあります。
10年以上前のはやり目の後遺症で、現在も治療中の患者さんも。
流行っているからと言って、全員がかかるわけではありませんが、おかしいと思ったら、迷わず眼科を受診してください。
一家総感染!なんてことに、ならないように。