2017.12.26 今年最後の一冊
以前に比べ、軽い本が多くなりましたが、それでも500~600頁の大作も数冊。
簡単な記録を振り返ると62冊。
目標以下の月もありますが、一年通しては、まずまずといったところです。
たぶん、今年最後となる、現在読書中のタイトルは『闘う頭脳』
将棋の羽生善治さんの著書です。
棋士の思考のプロセスは、大雑把に言って『ひらめき』と『読み』と『大局観』の3つであるそうです。
10代の時は、『読み』を中心に考えていたとのこと(他の2つはなかった)。
30代、40代になると、もう少し総合的な判断をするようになり『読み』だけでなく、『ひらめき』を使ったり『大局観』を使ったりして、総合力で差し手を選択していくようになるそうです。
そして、50代、60代、70代になると『大局観』の割合が非常に高くなってくるとのこと。
ここで、『ひらめき』とは、なぜそれを選んだのか選ばなかったのか、論理立てて説明できることで、『直感』とは違うそうです。
当院もおかげさまで、今年20周年を迎えることが出来ました。
眼科医になって四捨五入すると30年になります。
自分の眼科医としての取り組み方を振り返ってみると、まさに、棋士にも通じるところがあります。
医師になりたては、正書の知識はあるものの、あれこれと、原因や治療をたくさんの可能性から模索していました。
患者さんに眼を借りて(胸ではなく)、顕微鏡や眼底鏡で、いつまでも診察(観察)させていただきました(大学病院の患者さんの協力あってです)。
眼科医も長くなると、今までの経験が財産になり、最短距離で診断・治療に結び付ける術が身に着くようになりました(もちろん例外も多々ありますが)
羽生さんの言われる『ひらめき』や『大局観』がついてきたのだと思います。
『精神的強さは、年齢と経験に比例する』
これも、著書に書かれていましたが、これからも仕事を続けるにあたって、大きなエールです。
大切な患者さんとスタッフのお陰で、無事一年を終えることが出来そうです。
良いお年をお迎えください。