2017.8.29 視野障害と生活
新聞を読もうと視線を下方に移すと、かすんで見えます。
『あれ?』と、眼鏡をはずし、確認すると、レンズの下の方が汚れていました。
汚れをふき取り、もう一度見るとクリアー。
『下方が見にくいって、こういうことなのね』
偶然にも、視野欠損の模擬体験をしてしまいました。
『緑内障』では、視野障害があっても、進行するまでは、自覚症状が乏しく、そのため、視野障害に気づいたときには、かなり進行していることもあります。
緑内障によって、感度が低下もしくは欠損した視野は、元には戻りません。
視野障害の具体例としては…(かなり進んだ場合)
;上方視野欠損:
運転していて信号が見えにくくなる
道路標識や看板に気づかないことがある
;下方視野欠損:
足元が見えにくい
階段を降りにくい
段差や障害物に気づきにくい
読書速度の低下
;左右の視野欠損:
周囲のものが見えない、
周囲のものに気づきくい(車を擦ってしまったり)
突然、人や物が現れたように感じてびっくりしてしまう
(飛び出しなどに気づきにくい)
;中心視野欠損:
見ようとしても、真ん中がかすんで見えにくい
『緑内障』は、視野が鼻側から欠けることが多いのですが、中心から感度が落ちていくパターンもあります。
視野欠損も、効き目か否かによって、自覚症状は大きく変わってきます。
また、最近では、両眼の視野の重ね合わせを作って、患者さんの生活への影響を予測することも可能です。
40歳以上では20人に1人と言われる『緑内障』。
最近は、人間ドッグで、『視神経乳頭陥凹』を指摘されて来院される方も多くなっています。
早期発見・早期治療。
そして一生にわたる治療の継続。
院長との長きにわたるお付き合いを、続けていただければと思います。
先日、緑内障の86歳の患者さん(女性)が、前々回のブログを読んで、
『へえ~もう、私20年も診てもらっとるの!?
まだ、私も60代だったんだね~
先生、あの頃20歳くらいだったかね~!?』
過大な年齢のご評価を!
でも、そんな若造だった院長に、開院以来ずっと、眼を委ねていただき感謝です。