2015.7.28 馬の目その2

愛読の『優駿』今月号をぱらぱらめくっていると、『馬の視覚について②』の講座が。

先週色覚異常についてのコラムを書いたばかり。

 

タイムリーに馬についても色覚の話。

哺乳類で豊かな色覚を持っているのは霊長類だけで、多くの哺乳動物は色弱なのだそう。

網膜には『杆体』と『錐体』というセンサーがあります。

明るさに非常に鋭敏に反応するのが『杆体細胞』で、色覚には関与していません。

色覚や細かいものを見たりする時に反応するのが『錐体細胞』です。

恐竜の時代より、哺乳類は夜行性になったのですが、その進化の過程で色覚は必要性の低いものとして退化されていったそう。

つまり、錐体細胞は貧弱になってしまったということ。

襲い、襲われる動物たちにとって、物の形をしっかり認識するために明暗を感じる能力が必要になりますが、色を感じる必要はさほど重要ではないということです。

その後の進化で霊長類は、新たな『錐体細胞』を獲得して精密な色覚を獲得したそうですが。

 

さて、『馬』も夜目がよく利くそう。

薄明薄暮では行動が活発になり、夜も平気で放牧地を走り回るそうです。

馬は『杆体細胞』が発達していることに加えて、人間の目にはないタペタム(輝板)という器官が存在するため。

タペタムは、網膜を透過してしまった光を反射し、光の増幅する働きが。

夜中に競馬をすれば、タペタムが反射して光る馬の目を見ることもできるし、馬も元気に走るのに…って、野生動物を題材にしたドキュメンタリーなら良いのですが…

競馬では、騎手が先行き見えず、レースになりませんね。

もちろん、観衆も楽しめません…

やはり競馬観戦は昼間じゃなくっちゃね。

 

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2015.7.21 色覚検査見直し

院長は5小中学校の校医(神の倉小・熊の前小・徳重小・神の倉中・扇台中)です。

学校保健委員会には毎回出席して、保護者の疑問質問に答える他、眼科関連のお話をします。

 

今回は色覚検査の改正のお話。

 

色覚検査といえば「迷路みたいな色をなぞったり、数字を答えるやつね」と、すぐに思い出せるのは、ちょっと古い人(院長も含めて)。

 

「差別化につながる」「色覚異常(色に対する感覚が正常とは違う)を知らない権利もある」などと議論され、平成15年度からは、学校での色覚検査は任意となりました。

 

色覚検査が任意になって以降、「子供がタオルの色の微妙な色分けが出来ないみたい」「クレヨンの色を良く間違える」などと、当院に相談に来られる保護者。

眼科では、色覚検査をし、結果を報告します。

さらに精密検査の必要な子には紹介を。

その場で生活指導ができる子には、自身の注意すべき点や代替の方法、学校生活を始め日常での対応策を話します。

 

色覚検査が必須項目から外された約10年の間に、色覚検査を受けなかったがゆえ、色覚異常と知らないまま、進学や就職で色覚の壁にぶつかる児童(家族も)が多くいることが明らかになりました。

色覚による進学・就職制限はかなり緩和されたものの、まだ一部残っています。

 

自身の異常(それは個性でもありますが)を早く知ることで、現実に進路選択に迫られることもありますが、代償能力を発達させ、無用のトラブルを避けることもできます。

 

生物では、遺伝のところで色覚異常の家系が出てきます。

しかし、色覚異常だけが遺伝疾患ではなく、現代の医学では、多種多様な遺伝性の病気が発見されています。

そして、誰でも多少の遺伝子異常を持っています。

 

もし、自分は?家族は?と思い当たる場合は、眼科を受診ください。

 

知らないために偏見を持ってしまうということ、医師になって実感しています。

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2015.7.14   省エネ

暑い日が続きますね。

 

こうクリニックでは、この夏エアコンを総替えしました。

エアコン清掃を頼んだところ、部品もなくなり、新しいものを検討したらどうかとの提案。

D社の天井据え付きのエアコンは、結構のお値段。

しかも、クリニック全部となると…と即決を渋る院長(私)。

しかしこの夏場、現役とはいえ長寿のエアコンが故障したら大変。

ん~。

「電力消費量、半分近くになりますよ」と嬉しい見積もりが。

今までの電気代は、何だったの?

総替え、総替え。

やるなら暑くなる前に、早く、早くと業者さんをせっついて工事完了。

院内、気持ち良い冷気を感じていただけると思います。

 

 

電化製品の電力消費量の減少はめまぐるしいもの。

にもかかわらず、最初に大きな設備投資をしただけで、以後うっかりしていました。

省エネ、省エネ。

来月の電気代ダウンの期待値大です。

 

車も燃費の良さは時代とともに進化し、我がアクア(T社)も燃費良の優等生です。

先月、浜名湖にドライブに行ったにも関わらず、まだ給油は不要、ガソリンたっぷりです。

こちらも省エネ、省エネ。

 

さて、人は?自分は?

 

基礎代謝量は年齢に比して多い私。

燃費は、我がアクア(T社)の比ではありませんが、スポーツ車(PやF)程ではなさそう。

思考は…行動は…年齢と共に、経験値が生かされ、先の読みや相手の出方をある程度予測、予想できるようになってきました。

すべてがショートカットとは言いませんが、省エネ?になってきているのは事実。

精神的にも、喜怒哀楽など感情の波の振れ幅が小さくなり、閾値が高くなってきたように思います。

子供の恋バナ(恋の話)などをちらっと聞くと、あちこちに無駄に(当人にとっては100%全力)エネルギーを発散させている若いパワーを感じます。

もっとも若者が省エネ志向では困りますが。

 

 

わくわくする夏も遠くになりにけり…

ですが、省エネは、電化製品や車だけにしておいて、時には大人もエンジン全開があってもいいですね。

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2015.7.7 夕方老眼

『夕方老眼』(造語)急増中!だそうです。

夕方になると手元の視力が低下し、老眼のような症状(ピントが合わない、かすむ、疲れるなど)を言うそう。

「老眼のような」と言うだけあって、若い人の現象。

原因は目のピント調節の低下です。

通常、遠くを見ているときは、水晶体(前から見ると瞳)につながっている毛様体筋(もうようたいきん)が緩んで、水晶体は薄くなり、リラックスしています。

近くを見ているときは、毛様体筋は緊張して、水晶体は厚くなりピントを合わせます。

緊張状態が続くと、毛様体筋が疲れピント合わせに支障が出てきます。

 

パソコンや携帯電話の画面の見過ぎが、第1の要因。

近くを見る時間が長くなると、目の緊張状態が続き、眼精疲労の一症状として『夕方老眼』を引き起こします。

揺れる電車やバスの中、暗いところでは、より疲れが増加します。

近くの作業に加え、ドライアイやブルーライトの過剰な暴露も眼精疲労の一因。

 

コンタクトレンズでの作業は極力控え、強すぎない眼鏡にするのも対策の一つ。

時々、遠くを眺めて目の緊張を緩和することも一つ。

ドライアイの目薬や温パックで目の周りを温めるのも効果があります。

でも、ひとりで勝手に診断せずに、眼科医に相談すれば、よりよいアドバイスが得られます。

 

この言葉を聞いた時、当初は『黄昏老眼』では?と思いました。

『老眼=人生の黄昏時にそろそろ…』

『夕方老眼』の意味を知った時、おばさん院長(私)は「『夕方老眼』っていいな~(本人はつらいけど)」。

だって、一過性、可逆的なのですから。

こちらは本物の『終日老眼』(造語)

 

一般的に言われる『老眼』の原因は、水晶体の弾力がなくなり、水晶体を支える毛様体筋の力も衰えることによる調節力の低下です。

ストレートに言えば『老化』
「近くが見にくくなった、ピントが合わない、かすむ」などの訴えの患者さんに、明るく「私も同じ老眼ですよ~」と言えるようになった40代後半。

年齢に抗わず受け入れることが肝要。

 

診療後、すばやく遠近コンタクトレンズを外す院長。

ストッキングを脱いだ足のように目も解放。

無理をさせないことが大事。

というか、もうコンタクトレンズを長時間付けていられない現実。

 

夕方老眼かも?の方も、本当の老眼かも?の方もご相談を。まずは、他の病気がないかチェックですよ。

 

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