子供の誕生日は出産回想記 その3   2007.8.26

朝晩は秋の気配を感じるようになり、あんなに暑かった夏も、もう過去のものになりつつあります。長男出産後病院の玄関を出た日、わずか数日の間におきた自分の体の変化と季節の変化の両方をしみじみ感じたものでした。長男は夏の終わりに生まれました。

産休と同時に夫と同居生活を始めたることができました。当時私は郡上八幡の病院に勤めており、夫は名古屋と、新婚早々別居生活でした(当時の医局人事は個人の生活はあまり重要視されていませんでした)。つわりの時期も一人で耐え抜き、安定期に入ると’タオルで作るベビー服’などというものをちまちまと作っていた毎日でした(新品のタオルを買ってかなりいろいろなものを作りました。その頃は手作りこそ母の愛情の証と信じて疑わず、裁縫苦手の私でもその気にさせられたのでした。)そして待ちに待った産休。もちろん仕事も病院も患者さんも大好きではありましたが、研修医以来初めてお役目御免(産休後も別居を打診されたのですが、ここだけは同居の意向を貫き、岐阜に戻してもらうようお願いしました。だから抱えていた患者さんは次の担当の先生に引き継がれるのです)の開放感あふれる休暇でした。しかし、その長期休暇も一週間もすれば行動に制限があるため(妊婦なので旅行とかは無理ですね)暇を持て余してしまった私。といって、身体をいたわる(ごろごろしていればよかったのかも?)なんてことは医者には縁ががないので慣れていません。そして、ある日代診を頼まれ、名古屋まで出かけました。久しぶりの街。仕事。駅の階段を上り下りし、電車で乗り合わせたおばあさんに臨月にしては小さいお腹で(臨月で3.5㎏増)びっくりされた翌日。朝風船が破れたような感じでパシャッとお尻が濡れてしまいました。破水でした。やはり前日張り切りすぎてしまったのでしょうか。病院にて陣痛促進剤を打ってもらい、この腰痛が何時になったら治まるのかとうなっていた1日でした。しかし初産婦にしては早くその夜長男が誕生しました。予定日より一週間早い誕生でした。夫は出産には間に合わなかったものの我が子に対面し、感激。
入院中、看護学生が長男の大事なへその緒(今、へその緒が大事かと聞かれたら??ですが、当時は号泣でした)を沐浴時、排水溝に流してしまうびっくりするような事件もありました。3時間おきの授乳に自信がなく目覚ましをかけたりもしました(そんなことは体が赤ん坊に反応するので全くの杞憂でしたが)。身一つから身二つへ、守らねばならない小さな新しい命を抱いて、新米ママは激動の30代(一応この時はまだ20台)を迎えたのでした。

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