2023.8.22 何しにカンボジア? その1

比較的短期間で行ける東南アジア。

世界遺産・アンコールワット遺跡群を見尽くす!+α(個人的興味&好奇心)の旅。

 

アンコールワットは遺跡群の中でも、抜群に知名度が高くその美しさも有名です。

しかし、それ以外にもアンコールトムやまだ修復中の遺跡(寺院)がたくさんあります。

 

ガイドは現地のTさん。

日本語がペラペラです。

聞けば、20年前に仕事先の日本人から日本語を習い、その後私塾で勉強を続けているそう。

日本渡航歴はなし、憧れの日本にいつか…と貯金に励んでいるとのこと。

 

アンコール遺跡の歴史。

仏教寺院、ヒンドゥー寺院、両方が融合した寺院。

建物・壁画・像の説明。

メモ魔の院長に、復習の意味でTさんが質問(説明の確認)。

書くけどすぐ忘れている院長(記憶力低下甚だしい)。

しかし、3日間いくつもの遺跡群を訪ねて話を聞くと、古代9-12世紀のクメール王朝時代の偉大さが偲ばれてきます。

寺院の壁画は、天国から地獄の様子まで、中には恐竜の絵(この時代に何故?は謎)もあり、書物のない時代、壁画が図書館の書物の役割を果たしたのだとか。

カンボジアが、宗教戦争、民族戦争、内戦など戦争ばかりの歴史の国であることも、石像や宝物の損傷・紛失が物語っています(Tさん説明あってこそ)。

1日当たり約2万歩、アップダウンも激しく、院長より年上と思われる人は見かけません。

遺跡群を堪能するなら、体力は絶対!

普段の筋トレの成果が発揮できました。

アンコールワットの朝日鑑賞(5時から開園)や、空港では、老若男女・世界中の人がいたので、見るだけの人が圧倒的に多いのかもしれません。

 

Tさんは

『農村部と農村地の違いは何ですか?』

『崩壊と破壊の違いは何ですか?』

『連日を言い換えるとどういう言い方がありますか?』

などなど、ガイドの時に疑問に思った日本語のことを尋ねられるので、私もネイティブとして回答します。

『とても勉強になります、知識増えました』

車で移動中も『何でも聞いてください。答えられることなら何でも答えます』とTさん。

日本語で質問を受けるのも好きそうなので、院長も質問攻めです。

遺跡については勉強不足で、深い質問は出来ません。

しかし医療や文化には興味があるので、あくまでも一日本人の観光客Ms.HASEGAWAとして色々尋ねてみました。

 

Tさんは、医療については専門外なので、あまり詳しくありません。

また前提として、滅多に病院にかからないから。

と言うより、かかれないから。

この国は、公的医療保険制度はないとのこと。

公務員は何か優遇があるらしいし、民間の医療保険に入る裕福な人もいるそうです。

ガイド(国の認定要)は自営業。

Tさんも保険未加入、受診すれは100%自費です。

そのためか、町のあちらこちらに薬局を見かけます。

何か症状が出たら、薬局で薬を購入。

数日~数週間様子を見ても改善しなければ、病院へ行く構図。

医師の数も少なく、医療レベルもあまり高くないので、富裕層は私立病院や外国に行ってしまうそうです。

日本の皆健康保険制度、フリーアクセスで負担も0~3割。

僻地医療の課題はあるものの、概ね医師全体数は多く、医療レベルも世界水準の日本。

Tさん『日本の国、大変羨ましいです』

 

次回に続きます…

こちらもご覧ください

何しに台湾?  その1

何しに台湾?  その2

カテゴリー:健康 公センセの日常の出来事

2023.8.8 冷凍庫を変えただけで

猛暑の中、産業医の出勤日です。

さすがの暑さに、本日はシャツとパンツ・スニーカー。

 

スーパーの店内に入ると、すっーと汗が引きます。

そのまま店内を進み、スライドドアの前で店内に向かってお辞儀、バックヤードに入ります。

スーパーやデパートの店員さんが、バックヤードの入退の際にお辞儀をしているのを見たことはあるけれど、当然したことはなかった院長。

産業医になって、スーパーに出入りするようになり、入退時のお辞儀にも慣れてきました。

 

事務所に入ると、院長より若いと思われるスタッフAさんが『センセイ、細い~』

Aさんよりは細いのは事実ですが、か細くはありません。

華奢だったのは遠い昔で、今は筋肉質になっています。

『センセイに言われて、お昼菓子パン買うのやめたけど、なかなか体重減らないわ~』

 

年に一回、スタッフの健康診断結果を見て、就労可能かどうかを判定します。

産業医着任初年度は、張り切って、肥満が要因でいくらか健診結果に異常が出ている人たちにお話をしました。

『体重あと○○キロ落としたら、血糖値下がるはず』

『毎日30分歩いたら、体重も血圧も下がりますよ』

『お昼ご飯を総菜コーナーで買う時は、炭水化物中心ではなく、たんぱく質意識して』などなど。

Aさんも指導対象だったのです。

お昼ごはんに菓子パンをやめただけエライ!

 

『運動もしたほうがいいですよ~』

『はい、週に何回かは歩くようにしてます』

『その調子!あとは筋トレとか…家の中でもスクワットとか…』

早速ブルガリアンスクワットを事務所の椅子に片足載せて披露します(本日パンツなので)。

『え~そんなの無理!足が開かない!』

『その場合は、足を前後に開け(自分の出来る範囲で)体を上下させることから始めてみて~』

オバサン院長ですが、いつもは左右12キロずつのダンベル持ってのスクワットです。

『センセイ、若~い!』(お世辞でも嬉しい~)

 

 

さて、いつものように安全衛生委員会。

他店の労災。

50代女性:お客さんに呼ばれてレジに戻る際に、床につまづき転倒、膝の骨折。

作業場・店内・構内では走らない、慌てないと再通達。

お客さんに何か言われたら焦って…と行動した結果の骨折ではやりきれません。

他に推測の域を出ないのですが…とコメント。

もしかしたら、つま先を挙げる筋肉・前脛骨筋(ぜんけいこうつきん)や足裏の筋肉・足底筋群(そくていきんぐん)の筋力低下もあるかも。

つまずかない・つまずきそうになっても耐えられる足の筋力は重要です。

足の筋トレもしましょう。

 

いつものように巡視を。

霜取りとかアブソーブドソックスとか、冷凍ケースからの漏水が度々問題になっていたのですが、遂に冷凍ケースが刷新されました。

縦型でそれぞれスライドドアがついています。

旧冷凍庫よりも商品の種類も多く陳列可とのこと。

野菜・パスタ・冷凍麵・夕食・簡単調理・アジアン・スナックなど、扉の前に表示されており、探しやすく新商品を見つけるのも楽しそう。

売り上げは、同年比較で最大1.7倍、ほぼ1.2倍とアップしたそうです。

冷凍庫が縦長タイプになっただけで!?

見やすさ、新しさ、実際の商品の多さで、院長も全部チェックしてみたい…と思うほどです。

水漏れによる転倒のリスクもなくなり、これに関しては労災発生ゼロになるはず。

 

巡視終了、本日の業務も終了。

お楽しみの?新冷凍庫の新商品を探して帰ります。

 

*8月15日の公センセの部屋はお休みです。

 

 

 

 

 

カテゴリー:健康 産業医

2023.6.13  近視進まないで~

オルソケラトロジーの近視抑制効果が証明されてきた近年。

医学は進歩し、医師の頭も上書き保存の連続。

親が近視なら、子も近視になるのは仕方がない。

親と同程度の近視になるのは仕方がない。

眼科医(院長)でもそう思っていました。

成人になった息子たちには申し訳ないが、当時はわかってなかったんだもん!

 

当院もオルソケラトロジーを導入しました。

今回は、よく尋ねられるQ&Aを。

 

Q1:近視抑制治療は何歳から始めて何歳までくらい続けますか?

A1:近視になった時が一番のタイミングと考えられます(学校検診で初めて用紙をもらった時など)。

ただし、自覚がないことが多いので、ためらうことも多いと思います。

次は、視力が低下(近視進行)して、眼鏡を処方しようかどうかの段階。

眼鏡をかけて経過を見たいか、オルソケラトロジーを始めるかを考えましょう。

治療を早く始めるほど、最終的な近視度数を抑えられると考えられています。

眼軸長(眼の奥行)の伸びと身長の伸びはある程度相関すると言われています。

一般には、眼軸長の伸びが落ち着く15歳(中学卒業)くらいが目安です。

もちろん、高校生以降も続けることに問題はありません。

 

Q2:30センチ以上離して、正しい姿勢で読んだり見たりすると目に良いのは本当ですか?

A2: 文部科学省の『児童生徒の環境に留意してICTを活用するためのガイドブック』から。

視距離は30センチ以上

背中を伸ばす

目線は画面に直行する角度に近づける  など。

シドニーの研究では、30センチより短い距離で読書すると、近視化を促進すると報告されています。

また、スマホなどの20センチの近業は、両眼で融像(左右の目でひとつに見る)できるギリギリの距離なので、視覚負荷が大きいことが分かっています。

ですので、近用時最低30センチは必要な距離です。

 

Q3:明るい部屋で読書をすると目に良いのは本当ですか?

A3:紙媒体の本を読むときは、室内光が明るい方が、読書速度の低下や眼精疲労の惹起を軽減します。

また、スマホやパソコンの場合、外の輝度と画面の輝度に違いがありすぎると、視線を移動したときに、順応の切り替えが必要になり、眼精疲労を起こしやすくなります。

ですので、室内照度は画面の輝度と同程度にすると疲れにくいと考えられます。

 

Q4:30分ごとに休憩すると目に良いのは本当ですか?

A4:労働衛生学的には、デジタルデバイスを用いた近業時に、眼精疲労を軽減するために、20-20-20ルール(20分近業作業→20秒作業中断→20フィート(6M)より遠方視)が推奨されています。

さらに、子供は1日2時間の屋外活動も推奨されています。

オーストラリアの研究では、30分程度の近業後休息を入れることで、近視抑制効果があることが示唆されています。

 

Q5:スマホ、テレビ、ゲームは目に悪いのは本当ですか?

A5:最近では、単なる近業時間の長さではなく、一定以下の視距離で行われる近業時間の長さが、近視発症の原因として重要視されています。

スマホや携帯型ゲーム機では十分な視距離を取ることが難しいのです。

中国のスタディでは、両親の近視の有無に関連なく、すべての生後1歳以内の乳児はスクリーンタイムを避ける必要があると結論づけられています(遺伝だけでなく環境も重要)。

生後8か月までは眼軸長は劇的に伸長するため、3歳まで屈折値の変動が非常に大きいので、視機能に大きな影響を与えます。

 

これから成長する小さな患者さんのために近視進行抑制のお手伝いします。

学校健診の紙をもらったら早めの受診を。

 

過去の記事もぜひご覧ください

寝押しのイメージ

2023日本眼科学会総会

 

カテゴリー:健康 公センセの家族・恩師・友人など 眼に関すること

2023.5.16  チームドクターは広報でもある

チームドクターを務めるフロアーバレーチームは、先日の大会で善戦。

関東から九州まで参加チームは多岐にわたり参加。

年齢も10代から50代まで様々。

中には、ほぼ晴眼者で構成されている盲学校教員チームも。

 

フロアーバレーは、前衛3人はアイシェードで真っ暗になるので、視覚障がい者も晴眼者も同等の条件になります。

後衛の3人は、視覚障がい者でも晴眼者でもOKです。

転がってきたボール(フロアーバレーでは、ボールを下投げで転がすように打ちます)をレシーブ・トス・アタックします。

また、ボールの方向を見て、前衛に指示を出します。

『○○さん、正面』

『○○さん、左1歩』

『○○さん、2時方向にアタック』などなど。

そのため、後衛は、晴眼者のほうが有利です。

 

GWの合間に、当院スタッフとフロアーバレーの練習に参加しました。

キャプテンAさんとマネージャーBさんが出迎えてくれます。

AさんとBさん、ともに20代。

中学の途中までは、普通学校に通学していましたが、それぞれ別の病気で視力が低下・視野が狭窄し、盲学校に転校しました。

ふだんは、白杖使用の視覚障害者です。

しかし、体育館の中では、白杖なしです。

 

本日参加のスタッフは、20~40代、3人。

少し緊張気味です。

コートを一緒に組み立て、境界線にテープを貼ります。

新しいテープを貼ることで、凹凸ができ、触って目印となります。

 

ボールの受け渡しから。

相手に向けて投げます(下手投げ)。

逸れた場合は、相手に方向を言うこと(見えないから)。

声をかけながらボールをまわすことで、相手の名前も覚えます。

 

晴眼者のCさんも来たので、前衛と後衛をそれぞれやってみます。

まずはアイシェードをつけて前衛の練習。

そろって、驚きの声。

『え~!?真っ暗~』

『見えない~』

恐る恐るのぎこちない動きになります。

Bさん含む前衛3人で手をつないだり、コートのネットに触ったり。

『○○さん、ボール!』と言われても、わずか30センチ脇のボールには気づかず触れられずでボールをキャッチ出来ません。

院長もそうでしたが、初めてアイシェード体験(ゴールボールやフロアーバレー)や暗闇体験をすると、強い不安感と恐怖感を感じます。

見えない時間が限られている(わかっている)ゆえ、我慢できますが。

スタッフたちにとっては、初体験なので、当然の感想だと思います。

 

アイシェードの必要がない後衛は、前衛より動く範囲が広いのと、前衛への指示で、体と頭を使います。

こちらは、しばらくすると『足痛いです~』『走るのに疲れました~』(みんな、ふだん運動不足とのこと)

 

帰りにお疲れ様のお茶会。

『初体験でいろいろ勉強になりました!』

『みんな明るいですね』←障害=暗いのイメージがあったようです

『見えない人に言葉で説明することの大切さがわかりました』←当事者に、ここ・そこ・あそこではわからないと言われ。

 

障害の有無、人種や民族・性別に関わらず多様性の時代。

少しでも多くの人に、フロアーバレーボールを広める役目(広報)も、眼科医であるチームドクターの務めかなと思います。

 

生涯スポーツとして、誰でも参加できます。

特に晴眼者の参加は歓迎です(後衛を強化できる)。

運動不足解消したい!

パラスポーツ気になる!

新しい人との出会いが楽しみ!

などなど、きっかけは何でも。

只今、新メンバー募集中です。

少しでも興味がある人は、ぜひ院長にご連絡ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

カテゴリー:クリニックに関すること 健康 公センセの日常の出来事

2023.4.25  八重山にとって…

先月陸上自衛隊が石垣島に駐屯地を開設、その後安全保障についての報道が目に留まるこの頃。

 

石垣島は、昨年島医療・へき地医療への好奇心で訪れた島のひとつ(もう一つは与那国島)です。

石垣島にある八重山病院は、八重山諸島の中核を担う病院。

 

これから就職活動をする医師(老若男女問わず)ではないので、何で?と思われるも、院長(私)熱意により見学許可。

事務方のYさん(THE沖縄姓)に丁寧に案内していただけました。

 

宿泊したホテルの創業記念誌があり、それを暇に任せて読んだのですが、八重山の医療・八重山病院についても書かれており、病院見学前に予備知識が付きました。

 

抜粋すると

2011年に内科医9名中8人退職を受けて地域で『八重山の医療を守る郡民の会』が発足。

八重山病院から移動退職医師たちに感謝状を贈り、新赴任医師たちに歓迎行事を行った。

県や議会に老朽化した八重山病院の新築やドクターヘリの導入などを要請。

島の3高校対象に、医療・介護人材啓発事業(医療職を自前(自島)で育成)。

 

八重山病院は2018年に新築移転。

旧石垣空港跡地に建設。

とてもきれいな病院です。

各専門科がありますが(眼科は休診中)、総合診療医(いわゆる島医者)の育成に力を入れています。

地域医療の研修病院として、全国から研修医が来ていました。

分娩は、島内でここだけなので、大忙し。

未熟児のためのNICUもあります。

小児科も大忙し。

外科・脳外科も大忙し。

特に一人科長では24時間オンコールです。

時間外窓口に救急?患者も多く待っていて驚きました。

 

移住者が多い島ゆえ、都会と同様のニーズが求められるようになっているとのこと。

限りある医療資源(島という特性)を患者側からも考えないと、医療が疲弊してしまいます。

 

海が好きな医師が多いそうですが、島で働くモチベーションとしてはありだと思います。

ON/OFFは大事。

 

潜水病のための高気圧酸素治療室は、島ならでは。

精神科は、こころ科と称され、病棟の入院患者さんも少ないそう。

地域で見守ることが根ざしているのか…?

 

最後にヘリポートへ案内されます。

石垣島も離島ですが、周囲のもっと小さな島々からの急患を受けたり、薬品など物資の空輸にもヘリコプターは必須です。

海上保安庁と自衛隊のお陰で島の医療が成り立っている。

島人にとって、(医療においては)身近な自衛隊のようです。

与那国島も石垣島も周囲の離島も行き来は、空路か海路しかないのですから。

 

色々な人がいて色々な仕事があって…まだまだ知らないことばかり。

かりゆし姿でビールを飲みながら、もの思う院長でした。

生ビールの泡にラテアートみたいに『ハイビスカス』の絵が。

他の2種も描いてもらいたくて追加2杯。

『沖縄来たらORIONでしょ』(の文字)

『シーサー』(の絵)

明らかに飲みすぎた夜でした。

 

『自衛隊』は与那国や石垣の医療をめぐる小さな旅を思い出させます。

与那国島ではレンガ色の駐屯地を横目に海沿いを自転車で走りました。

 

LOVE&PIECEを願います。

 

*5月2日公センセの部屋はお休みです。

 

 

カテゴリー:健康 公センセの日常の出来事

2023.4.18 毎晩飲んでるの

午後のホテルのラウンジにて。

頼んだケーキが来てほっと一息。

『最近目が…』

このワードが聞こえて院長の耳はダンボに。

その元は、と見ると…距離が離れた隣席から。

 

『最近目が見にくくなったわ、よく見えてたのに』

『私も。

それで白内障手術したんよ。

よく見えとったけど、何やら痛うなってこの前眼科に行ったら花粉症と言われたわ。

何や目薬ぎょうさんもらってさしとるわ』

『そんなになるなら、手術せんでもいいね~』

はんなり京都弁のご婦人2人。

ここは京都。

 

Aさん(仮)は白内障で視力低下。

恐らく、近視はなかったよう(もしくは遠視)。

Bさん(仮)は白内障手術をした。

よう見えていたけど…に続くのは視力に関することだと思うけれど、痛みを感じた。

痛みはかゆみと同義語(特に子供)なので、痛いのはアレルギー症状の痒いに類似した表現だったかも。

ぎょうさんもらった、ということはアレルギー点眼意外にステロイド?ドライアイ?眼精疲労?の点眼か?

手術せんでもいいね~は短絡過ぎです。

全員がBさんになるわけでなく、個人差あり。

と、脳内で眼科医解説。

念力がないので、AさんBさんには届きません。

 

A『うちな、毎晩飲んでんねん。もう10年も20年も生きへんから我慢することないわ~って』

えっ!?ビール?ワイン?さすが、ホテルでお茶するご婦人たち!

ということは80歳超?

B『そや、私なんて4種類も飲んでるで。飲まんと寝られんの』

多くない?ビールから始まって4種類?日本酒4銘柄?ワイン4銘柄?

A『あんた、そんなに飲んでるの?私は2錠と言われてるけど1錠毎日やわ』

B『私は、精神科でも内科でももらってるの』

何?睡眠薬の事!?

A『まあ、寝られへんの我慢するより、飲んだ方がいいもんな~』

そっちの話でした。

 

それから夫の介護の話に移ります。

Aさん夫は介護施設に入院。

毎週手料理を持っていくそうです。

良い牛肉を炒めたり煮て、付け合わせにマッシュポテトや青野菜。

A『夫は耳が遠くて聞こえへんけど、いやや~と思わず、会えると思っていくんよ』

B『えらいわ~』

A『いい人やったから。まだ死んどらへんけどな。できるだけやれることはね~』

 

Bさん夫も入院中。

医師だったようです(患者さんのためによう尽くされはったね~のAさんの言葉より)。

A『私も最初は一人で寂しかったけど最近は慣れたわ。時々淋しくなるけどな』

B『私も慣れんとな。今夜は、息子が来てくれる』

Bさん夫入院は最近のよう。

 

A『人によって幸せは違う。

ひとのこと羨ましがってもきりがないなぁ。

いろんな人に左右されんよう生きたいと思ってんねん。

もう遅いけど』

B『そんなことないわ~』

 

帰り際

B『あんた明るいわ~』

A『アホやで~。あんたも明るいわ』

B『うちに帰ったら暗いわ』

B『楽しかったわ~もっと早くに会えばよかった』

A『また会お。夏過ぎたら』

B『それまで頑張るわ。ほんま、ありがと』

A『こちらこそ、ありがと』

 

とっさに取り出したメモに書きなぐった文字。

巷の人生訓。

所用と同じくらいの収穫でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

カテゴリー:健康 公センセの日常の出来事 眼に関すること

2023.3.7 残りを活かす

ロービジョンケアの講演会を聴講しました。

フロアーバレーボールチームの見学をし、(一応)チームドクターになって以来、ロービジョンへの興味は、より実体験を伴うものになりつつあります。

視覚障がいで多いのは、全く見えない(全盲)よりも、ロービジョン(弱視)の人たちです。

生まれつき全盲でも、途中で失明もしくは弱視になっても、生活するための手段や技術を取得しないと生活できません。

特に中途失明・弱視者のために、視覚リハビリテーションがあります。

名古屋市では、地下鉄駅名でもある『総合リハビリセンター』が、主に担っています。

 

生活するのに重要な事項は

1.移動

2.読み書き

3.家事・日常動作

4.社会行動

 

1.移動にしても、初めての所に行きたい・階段を利用したい・交通機関を利用したい・夜間の移動したいなど人によって様々

2.読み書きも、新聞・雑誌?WEB?通帳?テレビ?などなど。

3.家事・日常動作も、料理・掃除?化粧?薬の管理?などなど。

4.社会行動では、お金の管理?時間の把握?買い物?趣味?スポーツ?就労?などなど。

 

近年は、緑内障の失明率が高くなってきました(だから、早期発見・早期治療が大切!)。

また、糖尿病網膜症による失明率も高いです(だから、まず内科治療を!)。

必然的に、中高年になってからの中途失明・弱視が多くなっています。

良く見えていた頃の記憶があるので、上記4項目の色々が出来なくなってくると、非常に落ち込んでつらくなります。

 

しかし、残された機能でいかに生活できるようにするかが、その後の生活の質に関わってきます。

 

眼科医としての治療の限界はありますが、リハビリでは自分の限界を越えて生活の質を上げることを目的としています。

上記1~4が健常者と同様に…は不可としても、日常生活が普通にできるようにはなります。

 

歩行訓練士による歩行訓練があります。

 

また、PCやスマホ、拡大読書器による読み書き(入力)や、点字訓練(まず読めること、書くことは後とのこと)、日常動作の訓練もできます。

 

フロアーバレーボールのメンバーたちは、何処にでも自分で行くし、スマホも駆使しています。

白杖を持ちながらスマホを触って…『本当に見えないのか?』と思われる(言われる)ことも度々あると聞きます。

今や、スマホは、ロービジョンのツール(関連リンクは最下部からご覧ください)としてとても優れています。

遠くの写真を撮って画面で拡大したり、音声ツールを使用しているかもしれません。

 

人や障害物にぶつかる、階段で落ちそうになる、信号が見にくいなどを感じたら、白杖を考えてよい時期です。

そして、使用には、訓練が必要です(リハビリセンターなどを紹介します)。

もちろん、持っているだけでも、人に注意を喚起するのには有効です。

 

眼科医として、医療で終わらず福祉につなげること。

そのためには、福祉の知識ももっと必要と感じました。

 

『人間は不幸には敏感で、どんな些細なことでも見逃すことはない。

だが、不幸にばかりに目が行けば、生きることはいつしか苦しみに満ちていく。

日々の生活の中に、幸せはいくらでも見つかる。

それを忘れてはいけない』

 

某新聞で見つけた翻訳家の言葉。

心に残る言葉との出会いも小さな幸せです。

 

ロービジョンに関する過去の記事もぜひご覧ください

2021.12.14  転ばぬ先の…

2020.9.29 色・明るさと交通事故

2019.5.28 ひかり・光 スペシャルゲスト

2015.10.27 日本臨床眼科学会

2013.10.15 待合室の薔薇

2013.04.20 スタッフもまだまだ学ぶ

2013.3.27 ちょっと仙台まで

2012.10.17 目を動かそう

2012.10.09 より良き明日に向けて

2012.7.3 スタッフも学ぶ、学ぶ

2012.6.11 始めなければ始まらない

2012.1.10 小豆で沈静

カテゴリー:健康 眼に関すること

2023.2.21  今年もスギ花粉症

新聞やテレビ、ネットで花粉飛散情報が流れるようになってきたこの頃。

毎年の院長のアドバイスを守って初期療法(花粉飛散前から、症状が出る前から点眼や内服)を始めている模範患者さんも多数。

きっと一年の自分のスケジュールに、「花粉症治療を開始する・こうクリニック受診」などと覚え書きされているのだと思います。

点眼開始第1、第2クールが終わる頃ですが、未だ自覚症状はなし。

それでもきちんと点眼を続行。

素晴らしい!

 

院長が眼科医になった頃は、高齢者は花粉症になりにくい…と言われていました。

実際、60歳以上のスギ花粉症推定有病率は1987年では5%弱、1996年では10%です。

しかし、H28年度東京福祉保健局の調査では、都内のスギ花粉症指定有病率(全体)は増加傾向がみられ、60歳以上でも同様の傾向(35%弱)が見られたと報告されています。

院長研修医の頃から比較すると、子供だけでなく成人・高齢者とも花粉症患者さんが増加している印象を受けます。

院長も40代にスギ花粉症を発症しました

また、今では、どちらかというと高齢者(60歳以上)に近い年代になっています(とほほ)。

 

現在2月半ばを過ぎましたが、ちらほらアレルギー性結膜炎の患者さんが。

「かゆい」はもちろんですが、「ショボショボ」「涙っぽい」「白っぽい目やに」などの訴えもあります。

そのうち、花粉飛散量がmaxになると「白目(しろめ)がぶよぶよ」も。

 

少しでも早く来院されることをお勧めします。

そして、プロアクティブ点眼を勧めます。

プロアクティブ点眼とは…

発症期間中は症状の有無に関わらず、抗アレルギー点眼薬を用法通りに使用する点眼治療のことを言います。

プロアクティブ点眼により、結膜中の薬物濃度を維持し、目のかゆみの発生を持続的に抑制できます。

 

「かゆい時だけ点せばいいですか?』

「かゆくなったら、2~3滴さしていいですか?』

の質問をよく聞きます。

「いけません!処方通りの回数でさしましょう。片眼1滴で十分です」

 

一般に、自覚症状があると点眼したくなり、症状がないと点眼忘れ…は、よくあるパターンです。

アレルギー性結膜炎の場合は、目の中のかゆみを抑える薬物濃度をいつも一定にしておくことで、急に花粉が大量に入っても、一気にかゆくなるのを抑えてくれます。

かゆい時に何回かさしても、目の中の薬物濃度がさした分だけ上がるわけではないので、あまり効果がありません。

 

これは、結膜炎やものもらい、白内障、緑内障などどんな病気にも当てはまることで、処方通りに点眼することで、目の中の薬物濃度が保たれ、治療効果を最大に発揮します。

 

コンタクトレンズ装用者は、花粉症の時期は、1day使い捨てSCL(ソフトコンタクトレンズ)や眼鏡をお勧めします。

SCLの材質分類で、グループⅣ(高含水率・イオン性)のものは、汚れや防腐剤を吸着しやすいので2weekタイプなどでは要注意です。

また、抗アレルギー剤を含んだ1day使い捨てSCLもお勧めです。

 

これからますます花粉飛散が多くなります。

新型コロナ禍でのマスク生活は、花粉症対策にも有効ですが、目のケアも!

 

「スギ花粉症のない北海道(シラカバ花粉症はあり)に、花粉症の時期だけ住みたいね~』と知人。

高齢者の仲間入りしたら、その時期だけ北海道に出稼ぎに行くのもいいかも!?

今度は、北の果ての医療が気になります…

 

こちらもご覧ください

めんぼ・ものもらい・何?

花粉症ゴホゴホ

そろそろ花粉症

花粉そろそろ

花粉そろそろ

スギ飛んでる、飛んでる

今年の花粉症(自身編)

ヨーグルトと花粉症

耳がダンボ

そろそろスギ花粉

今年も花粉症

スギ,日本の財産

マラソン再び  そして花粉症

そろそろ花粉症…

インペアード・パフォーマンス

そろそろ花粉症の予防を

そろそろ花粉症シーズン

花粉症 とあるスギ花粉患者さんとのエピソード

うれしかった患者さんの来院

食べながら偲ぶ

 

カテゴリー:クリニックに関すること 健康 眼に関すること

2023.2.14 とっさの一言

早速、フロアーバレーボールの練習見学日を決めた院長です。(前回より続く)

いつも訪問する際には、相手の情報を予備知識として入れておきます。

 

フロアーバレーボールとは…

・コートの中に立てるプレイヤーは前衛3名と後衛3名の6名。

・前衛プレイヤーはアイマスク(アイシェード)を着用して目隠し。

・スタートのポジションがあり、ポジション番号が振られる。ポジションはローテーションにより試合中変わる。

・ローテーションは前衛と後衛それぞれ、ネットに向かって左方向へずれる。

(一番左は一番右にずれる)

・3打以内に相手のコートにボールを返す。

 

HPやYouTubeで一通り知識が付きました。

見学チーム(ドリーム・ラブ・ワールド)のYouTubeも見つけたので、視聴しておきます。

 

さて当日、指定された体育館へ。

10名以上のメンバー。

先日のAさん、Bさんを含めて全員自己紹介。

自身の病気を言う人も、残存視力や視野を言う人も。

院長が眼科医だからこその紹介かもしれませんが。

晴眼者のCさん(メンバー及びコーチ)や、ボランティアサークルの大学生も参加します。

 

練習が始まります。

後衛は、晴眼者及び軽度弱視者が担当。

前衛は、アイマスクをしているので誰でもOKですが、メンバーの数によっては、全盲・弱視者が担当になる事が多いです。

後衛プレーヤーが、サーブを打ちます。

すくい投げのサーブですが、これが結構速くて強いのでびっくり。

 

2打目(トス)は、後衛が受けることも、前衛が受けることも。

前衛は、視覚障害のハンディキャップが大きいので、後衛がボールの位置を時計方向で知らせたり、拍手をして(音で)知らせます。

ゴールボールと違い、鈴が入っていない(中学校までは鈴入り)ので、目隠しだと探すのに大変です。

3打目のアタック(これも下投げ)も、選手によっては結構速くて強い!(キャプテンのボールの勢いはすごい!)

当然ですが、素手なので痛そう。

 

前衛の3人が中央で並んで待機しますが、後衛の『オープン!』の指示で、左右の端に広がります(カーテンみたい)。

後衛は、ボールの動きを見て、前衛に的確に指示。

前衛は、後衛の指示(聴覚のみ)で素早く反応します。

 

この日は、隣の半面で高齢者の卓球クラブの練習が。

見学の院長でさえ、ピンポンの音が気になっていたのですが、尋ねるとやはり。

晴眼者以外、日常生活では白杖使用なのに、コートの中では白杖なし、声・音だけでプレイします。

雑音(卓球クラブの音)が多く、その日の練習はやりにくかったそう。

 

ミーティングで、メンバーの一人DさんがAさんの斜め後ろに。

『Dさん、どこだー?俺、視覚障害者だから見えないんだよな~。まだ、健常者だと思っているから(中途視覚障害)~』

『僕も視覚障害者です!』とDさん。

メンバー大笑い。

院長笑っていいものなのか…

 

終わり際、『来月県大会があるんですけど、チームドクターになってもらえませんか?』

えっ!?

『は、はい。わかりました』

とっさの一言。

サークルといえども、チームドクター拝命。

返事をしてから重責に気づきます。

まぁ、これも何かの縁、頑張ります!

 

それにしても、30年近く前にも同じシチュエーションが。

知人の知り合いと3回目の食事時、『チームドクター』の代わりに『結婚…』の下りを言われました。

とっさの一言は同じ。

(帰宅してから、とっさの一言の重みに気づいた次第…)

何の縁なのか、お陰様で現在まで一緒にいます。

 

 

 

 

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2023.1.10 めでたいたい焼き

昨年師走の診察室。

Aさん(75歳過ぎ、男性)入って来るなり、『センセイ、こんなものもらっちまったわ~』

『血糖値上がりました?』(いつもの血液検査の結果?)

『そっちは調子いいけど…』と、差し出したのは、違反切符。

一方通行を侵入してしまい、ミニパトの御用になったそう。

あの道は、昔は一方通行でなかったような…

『そうなんだわ、最近一方通行になったらしいわ』

更にもう一枚の紙を。

『後期高齢者だからボケてないか、認知症の検査して来い!だってさ。

センセイ、認知症の検査やってよ~』

当院は名古屋市の認知症早期発見事業として、もの忘れ検診を実施しています。

結果は、問題なし。

まぁ想定内でしたが。

 

眼科と言えども、患者さんとの会話が比較的多い当院では、会話がかみ合わなくなってきたら『あれ?』

認知症疑いや認知症を発見することもあります。

『この紙を出して、罰金払ってきておしまいだけど、痛い出費やな~

有馬記念(競馬)で頑張らんと!

センセイは何に賭ける?』

院長は、息子の影響で競馬は少々かじりますが、ビギナーズラックの後の落差が大きすぎて、以後賭けない!と誓ったのでした。

『幸運を祈ります!』

 

先日、かかりつけ医の認知症対応向上研修を受けてきました。

認知症は75-79歳で約10%(後期高齢者の入り口)

80-84歳ではその倍の約20%

85-89歳では約40%と増えていきます。

もの忘れ検診は、認知症早期発見・早期対応を推進する名古屋市の事業の一環です。

認知症サポート医になるには養成研修を受け、さらにフォローアップ研修を受けます。

 

よく、やれない事とやらない事を混同される場合があります。

例えば『掃除はきちんとできているか?』の問いに

1.もともとやったことがない(機会がない、経験がない)。

2.以前は、やっていたが(誰かが代わりにやるようになり)やる機会がない。

3.意欲低下でやれない。

4.やろうとしてもうまく出来ない。

と色々返答はありますが、認知症では『以前はきちんとできていたのに、出来なくなった』

4番の答えが該当します。

 

名古屋市には、『名古屋市認知症の人と家族は安心して暮らせるまちづくり条例』があります(院長も初めて知りました)。

いきいき支援センター(地域包括支援センター)では、認知症の人を介護する家族への支援も行っています。

徘徊する認知症の人のために、

『はいかい高齢者お帰り支援事業』(捜索協力メールが配信される)

『なごや認知症の人おでかけあんしん保険事業』(徘徊した人が起こした事故の補償などを支払う。名古屋市が保険料負担。医師の診断書要)

 

65歳以上がもの忘れ検診の対象です。

子供じみた検査と思わないで、もし見つかったら怖いと思わないで。

どんな結果でも意義ある検診です。

 

さて、年内最終日。

受付スタッフから『Aさんから差し入れです』

まだほんのり温かいたい焼き。

『いただいたときは熱々だったんですよ』

Aさん、きっと有馬記念上手く当てたのね!?

1着のイクイノックス単勝ってわけでなく、いつものように3連単買いなのかな~

 

Aさんにとって、めでたいたい焼きだったと信じたい。

人間万事塞翁が馬というように。

院長もスタッフも、たい焼きでめでたい(ハッピー)気分。

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趣味の始まり

リアルに並べば

母の日に愛をもらう

 

小さなめでたい!を見つけて感謝していきたいと思います。

今年もよろしくお願いいたします。

 

 

 

 

 

 

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