2018.7.31 球を見失う

猛暑に負けず、『家族交流戦』と称し、(ゴルフ)ラウンドを決行しています。

全員ゴルフ部(子供たち)に加え、キャディのアルバイトをしている長男がいるので、セルフでも楽々。

とはいうものの、度々、ルール・マナー・クラブの選定や振り方について、注意(指導)を受ける母(院長)です。

『使う番手を数本持っていく』

『グリーンフォークでボールマークをならす』

などなど。

 

長男は仕事柄、打球の先を見るのが得意。

誰が打っても、どこへ飛んでいったか、OB(区域外)なのかをよく見ています。

私は、それほど飛ばないため、大抵はフェアウエイ(花道)。

時々、打った本人(私)だけが、球を見つけられないことが。

『あそこ、あそこ!』

『どこ?』

『自分の球くらい、見といてくれ~』

『だって、打つ時は頭上げないようにって』

『打ってからでも、母さんの球速だったら十分追えるだろっ!』

 

長男自身が打つ時には、『どこへ行くか、しっかり見ててよ』と念押し。

長男のドライバーショットは、スピードも速く、飛距離も長いのですが、曲がったり、木々に入り込んだりしてしまうことがあります。

他の息子たちがいるときは、大体の場所を想定できます。

しかし、3人(長男、家人、私)でラウンドしている時は、

『どこへ行った?』と長男が聞いてきても

『ん~見失った』と家人。

『弾道が速すぎて、見えなかった』と私。

『動体視力、全然ダメやな~』と捨て台詞を残し、繁みに走っていき、ボールを探す長男です。

 

『動体視力』

スポーツでよく耳にする言葉です。

 

眼科などで測定する一般的な視力は、(静止)視力です。

視力は、屈折力や目の状態(病気の有無など)によって決まります。

眼科において、矯正視力(メガネで見える最大視力)は、とても重要で、診断治療の指標になります。

 

一方『動体視力』とは、目というより、脳や神経の働きが大きく影響しています。

視覚の情報処理能力の程度ということになります。

例えば、150キロスピードのボールを打てるバッター。

一般人には、球も見えないくらいです(見えているが脳が認識できない)。

スポーツ選手は、自分の専攻する種目において、日々の練習と経験により、『動体視力』が発達すると言われています。

元々、そのスポーツに適した素質はあったのでしょうが、後天的に獲得するものです。

特に『見ること』が重要視される球技スポーツには、動体視力は優れている方が有利でしょう。

もちろんキャディさんも。

 

鍛えられる『動体視力』

しかし、年齢とともに低下する『動体視力』

 

自身は、球を見失おうと、このままで良しとします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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2018.7.3 サングラスどう?

某新聞に、保健体育の教員から『授業や運動会に教員のサングラスの着用は、なぜ禁止?』という投稿がありました。

『教師も生徒も、健康面から使用してもいいのでは?』

『教師としてふさわしくない。生徒の細やかな状況が見えない恐れがあるのでは?』

『改善策を話し合って、柔軟な対応が必要ではないか?』

など、最初の投稿に対して新たな投稿が掲載されました。

白内障・紫外線への目の影響の研究第1人者の金沢医科大学教授の見解は『かけた方が良い』。

紫外線の強い沖縄県西表島では、子供でも紫外線による病気(瞼裂斑)を高率に発症しており、現在は2~3割の生徒が、透明なサングラスを着用しているそうです。

 

通常の生活で、多少の紫外線を浴びるくらいなら、眼には問題はありません。

しかし、長時間の紫外線を浴びると、肌と同様、眼も影響を受けます。

茶目(角膜)の横の白目(結膜)が盛り上がる瞼裂斑や、白内障、黄斑変性症などを引き起こす可能性があります。

それらを予防するためには、サングラスはお勧めです。

 

実際、学校や職場で、『サングラス着用を認める』という診断書を書くこともあります。

 

『サングラスの色は濃い方が良いですか?』

よく、患者さんから聞かれます。

色と紫外線カットは、関係ありません。

『紫外線カット率』が問題で、数値が高いほど性能が優れています。

色が濃いからと、紫外線カット機能のない(低い)レンズを使用すると、瞳孔(黒目)が開き、より多くの光(紫外線)を取り込むことになってしまいます。

現在、レンズの色はグレー系・ブラウン系・グリーン系・ブルー系・イエロー系・クリア系(透明)と豊富です。

自分の好みや、肌なじみなどで決めたらよいと思います。

サイズは、出来るだけ大きい方が、紫外線をよりカットします。

 

また、紫外線の量によって、レンズ濃度が変化する『調光レンズ』や、水面・路面・氷雪面からの乱反射(ギラギラ)をカットする『偏光レンズ』もあります。

院長は、ゴルフやランニング時は、スポーツメーカーの偏光レンズを着用しています。

運転時には、少し洒落たサングラスを。

どちらも、眼鏡店で選びました。

紫外線防止対策なら、雑貨店より眼鏡店で、質の良いレンズを購入されることをお勧めします。

度入りレンズの場合は、眼科で処方します。

 

紫外線と目の関係も周知され、屋外活動時のサングラス(紫外線カットメガネ)着用が当たり前になるといいですね。

 

 

 

 

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2018.6.26 目の霊山

鎌倉一人旅で『本覚寺』。

スタッフみんなで滋賀の『木之元地蔵院』へ。

いずれも、眼にご利益のある寺社です。

 

小欄を愛読?してくださる患者さんから『袋井(静岡県)の油山寺(ゆざんじ)』をご紹介いただきました。

遠州三山の一つで、701年に開山した真言宗のお寺だそうです。

 

ということで、先日スタッフと参拝旅行へ。

 

梅雨空。

幸い、前日の雨はやんで、参拝日和?に。

油山寺は、山全体が霊場の寺院ということで、歩く気満々の私たち。

本堂へ至る直線ルートではなく、あちこちの建造物を見ながら、登ったり下りたりするルートを選びます。

雨上がりの、苔でヌルヌルの道は要注意。

気を抜くと、つるっと滑ってしまいます。

 

『瑠璃の瀧』

約1200年前、献上された瀧の水で、眼を洗った眼病の天皇が『効験忽ちにして御全快遊ばされたのであります』

『その頃、瀧の水は油であったと申します』(信ぴょう性?)

『』は、立札の説明書き。

その後、眼病に悩む多くの人が、瀧に打たれて、全快したとのことです。

 

眼科医としての一私見ですが…

当時、眼の病気は、前眼部(結膜炎とか、ものもらいとか)が主であった。

寿命が短い時代に、白内障や緑内障などは稀で、発症したとしても、わからなかったのではないか。

点眼薬もない時代では、眼を洗うこと(ここの瀧の水が、より澄んでいたかもしれない)位が、治療だったかもしれない。

現在のような清潔概念がなく、細菌やウイルスの存在も不明であったが、人々の免疫力も現代より高かったため、自然治癒力も発揮されたのではないか。

 

 

現在では、水道水で、予防的に目を洗うことは推奨されていません。

角膜表面の涙の層のバランスを壊してしまうからです。

目を洗いたい場合は、人工涙液を使いましょう。

もちろん、洗眼で治ることはあり得ません。

 

さて、本堂へ。

全ての患者さんの、目のご利益を祈願してきました。

『め御守』は、中待合室に掲げておきます。

 

ちらりと眼に入った絵馬には…

『緑内障の手術をしなくても済みますように』

『白内障が治りますように』

『ドライアイが治りますように』などなど。

 

遠州三山(医王山油寺・法多山尊永寺・萬松山可睡斎)全て行けたら良かったのですが、午前中に油山寺、昼ご飯のんびり…の時間構成では、あとは、厄除けで有名な法多山のみに。

239段(少し前を登っていたオジサンが、下方のオバサン達に向かって叫んでいた)を登って、厄除け開運をお祈り。

たくさん歩いた後に、名物『厄除け団子』が美味!

 

『本覚寺』の御守り、『木下地蔵院』のお札、『油山寺』のめ御守。

御守りに囲まれて、今日も診療に励みます。

 

 

 

 

 

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2018.6.12  6月7日は緑内障?

「この味がいいね」と君が言ったから七月六日はサラダ記念日

大好きな俵万智さんの短歌です(今から30年前の作品)。

 

さて、6月7日は緑内障を考える日だそうです。

6(ろく)7(な)から、緑内障って無理がありますが…

そういう理由か、先週は、緑内障の勉強会がいくつか。

 

現在、失明原因の第1位は、緑内障で、全体の約30%を占めます。

高齢化に従い、2000年での緑内障の有病率は5%(20人に1人)だったのが、2017年には6.1%と増加。

2050年(32年後)には、7.2%(約14人に1人)と、どんどん患者さんは増加する予想です。

 

他の病気で眼科を受診したときに、緑内障が見つかる患者さんは、かなりの割合です。

最近は、健康診断で指摘されることも多くなりました。

自分で、見え方がおかしいと自覚して、眼科を受診する頃には、かなり進行していることが多いのです。

 

加齢変化で、視神経の数は減少しますが、それよりも早い速度で減少するのが、緑内障です。

ある一定以上、減少すれば、視野欠損が起こります。

この視野欠損も、中期以降でないと、自覚がないことがほとんどです。

初期・中期・後期の病期別のほかに、新たに前視野緑内障(視野に出ていないが、緑内障の兆候あり)の概念も出てきています。

 

『一生涯、患者さんが、社会生活に影響を及ぼさないようには、どうしたらよいか』

『いかに患者さんが、病気を自覚して治療を継続できるか』

そのために、勉強して、還元できるよう、常々眼科医は励んでいます。

 

週末は、泊まりで勉強会。

知人の都合がつかず、夕食は一人で食べることに。

一人で外食でも構わないのですが、今回は、一度やってみたかった『部屋めし・部屋飲み』

コンビニをはしごして、サラダ・メイン・デザート・おつまみ・適量の酒類とフルコース?でゲット。

雑音なく(ホテルでテレビは付けないのが常)、本をぺらぺらめくりながら、好きなものを食べて飲んで…

気が楽~

良い気分に浸りました。

 

翌朝は、ランニング(ウエア、シューズ持参)。

降りそうで降らない曇り空の、お台場を1時間。

海が近いせいか、風が強い。

高層ビル群と、海の匂いにギャップを感じます。

海浜公園からは、レインボーブリッジの向こうに東京タワーを見つけ、感激。

 

6月7日、新聞には、緑内障啓発の広告が出ていました。

少しでも浸透し、緑内障に興味を持ってもらえますように。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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2018.5.29 はやり目

国立感染研究所は、今月22日、5月7~13日の間で、流行性角結膜炎(はやり目)の患者数が1医療機関1.17人になったと発表しました。

過去10年間では最多となっています。

宮崎県3.83人、新潟県3.5人、神奈川県3.15人の順で多くなっています。

これは、定点当たりの患者報告数からの結果です。

つまり、いくつかの予め指定された医療機関からの報告ということです。

 

流行性角結膜炎は、アデノウイルスによる感染症です。

8~14日の潜伏期間(症状がでない)の後、急に結膜(白目)の充血や目やに、眼瞼(まぶた)の腫れ、流涙が起こります。

両眼同時に発症することが多いですが、数日して、片眼から両眼へ発症することもあります。

片眼発症の場合は、先に発症した目の方が、重症化することが多いです。

また、風邪様症状や、耳前のリンパ節の腫れを伴うこともあります。

 

眼科では、一番注意が必要な感染症です。

まず、眼科医が診察をして、はやり目が疑われるようなら、迅速キットを使います。

はやり目では、瞼結膜(瞼の裏)をこすります。

これは、痛いのですが、きちんと検査するための大事なポイントです。

10分してアデノウイルスが分離されると陽性です。

 

はやり目の場合、注意することは…

手は流水やせっけんでよく洗う。

目を触らない。

タオルは家族と共有しない。

コンタクトレンズは装用しない。

学校や保育園は、医師の許可が出るまで休む(可能ならば仕事も)。

 

ウイルスに特異的な点眼薬はありませんが、炎症を抑えるための点眼薬は処方します。

ウイルス以外の細菌感染の混合感染も抑えるように、抗菌剤も用います。

一般的には1週間後には、かなりよくなりますが、症状や程度により2週間近くかかる患者さんもあります。

ほとんどの患者さんは、眼の症状、所見(医師から見た状態)が良くなれば、治療終了となります。

しかし、稀に、角膜(黒目)に濁りを残すことがあります。

多数の濁りがある場合は、視力低下を起こします。

炎症を抑える点眼薬で、速やかに、減ったり消えていく場合がほとんどですが、中には、再発を繰り返す場合もあります。

10年以上前のはやり目の後遺症で、現在も治療中の患者さんも。

 

流行っているからと言って、全員がかかるわけではありませんが、おかしいと思ったら、迷わず眼科を受診してください。

一家総感染!なんてことに、ならないように。

 

 

 

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2018.5.15 視野学会㏌金沢

週末、視野学会が金沢にて開催されました。

眼科分野も細分化されており、視野(見える範囲)に関するだけで学会が成立するほどです。

 

第1日目のプログラムも魅力的だったのですが、土曜日の診療を終えてからの金沢は遠く…

結局、土曜泊・日曜朝から聴講という形になりました。

 

細分化された学会に共通することは、かなり専門的で深いこと。

シンポジウムの内容も、意識を集中させないと付いていけないほどです。

 

緑内障の視野計の変遷の講演では、視野学会の大御所、我が先輩が登壇。

現在、世界的スタンダードの緑内障H視野計(当院でも設置)は、本邦では、岐阜大学が第1号だったこと(この世代の先輩が日本語バージョンに改変!)。

同じ医局にいたのに初めて知った事実でした(入局時には、既に設置されていたので)。

最近、また新しい検査バージョンが開発されていること。

その狙いは、検査時間短縮によって、患者さんが検査治療を継続し、その結果、詳細な進行速度を把握することです。

視野検査は、患者さんにとって、決して積極的に行いたいものではありませんが、定期的に継続することで、より正確な進行グラフを作ることが出来ます。

患者さんの進行具合、将来の予測なども、データが集積されることで、信頼性が高まります。

 

ささやかなお楽しみは、お昼のセミナーのお弁当。

『かがやき御膳』

一段目には、のどぐろの棒寿ずし(1個)や笹ずしが。

二段目には、金沢郷土料理の治部煮や魚醤焼きチキン、加賀蓮根など。

金沢感いっぱい。

兼六園を始め、観光には全く行けず、お弁当だけで金沢を堪能したのでした。

 

金沢からは、東京へ新幹線『かがやき』が出ています。

明日診療が無ければ、ふらっと『かがやき』に乗っちゃうかも。

 

でも、真っすぐ名古屋に帰らねばなりません。

名古屋・金沢間は、名古屋・米原を『ひかり』で米原金沢を『しらさぎ』で。

この方法が、最短です。

それでも2時間半。

 

今回の旅のお供は、東野圭吾『ラプラスの魔女』ともう一冊。

映画も公開されていますが、原作を読んで、自分の頭の中で、登場人物を想像するのが好きです。

往復路で一気に読んでしまいました。

読者をぐんぐん引っ張る手法に、今回もはまり込んでしまったのでした。

 

 

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2018.4.17 前視野緑内障

日本人の中途失明の原因第1位の緑内障。

眼圧によって神経が圧迫・障害され、視野が欠けていく病気です。

日本人では、眼圧が正常範囲内でも、視神経が障害を受け、発症する『正常眼圧緑内障』が主を占めています。

(一般には正常の圧でも、その人にとっては高いので障害を受ける)

疫学調査では、40歳以上で約20人に1人が緑内障であることが分かりました(2004年)。

 

緑内障分野の検査技術の進歩は著しく、最近は『前視野緑内障』という概念も出てきました。

 

『視野の前の緑内障?』

眼圧で視神経が圧迫され傷つくと、視神経につながる網膜(目の底)神経線維の厚みも薄くなります。

この時点で、視野検査で異常が出ていない状態が『前視野緑内障』です。

視野に出る前の(いわゆる)緑内障の前兆。

そのまま、神経の障害が進行すると、視野が欠け、緑内障となります。

 

人間ドッグで緑内障の疑いを指摘され来院される場合もあれば、普段の診療で(例えば、結膜炎とかコンタクトレンズ処方とか)検査して発見されることもあります。

網膜の神経の厚みを測る光干渉断層計(OCT)、視野計など検査機器の普及・精度アップにより、早い段階の状態をつかむことが出来るようになりました。

 

『必ず緑内障になるの?』

と聞かれれば『NO』です。

眼圧、家族歴、年齢、視神経の状態などを考慮して、すぐに緑内障に準じた治療(点眼薬)をするか、経過観察にするかを決めます。

定期的な眼圧や視野のチェックをしながら、経過をみていきます。

変化があるかないかを、きちんと見ていくことが大事です。

患者さんにとっては、まったく自覚症状もないのですが、きちんと通院することで、緑内障に移行したとしても、治療効果は高いです。

 

緑内障は中途失明率の高い病気ではありますが、『緑内障=失明』ではありません。

 

二人三脚で患者さんの治療のお手伝いができる、息の長~い眼科医でありたいと思っています。

もう20年以上のお付き合いになる患者さんも。

院長とともに歳を重ねていきましょう。

 

 

 

 

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2018.4.3 くしゃみは怖い

20度を超す陽気。

桜も満開が過ぎ、はらはら散り始めています。

スギ花粉もピーク。

連日花粉予想は『非常に多い』

 

『少し落ち着いていたのに、また痒くなった』

『暖かくなって急に痒くなった』

という患者さんたちが増加。

眼科なので、『アレルギー性結膜炎』の病名がつきますが、ほぼスギ花粉症の一症状。

院内でも『くしゅん』『へ~っ、クション』が聞こえます。

かくいう院長も、スギアレルギーなので、時々患者さんの入室とともに鼻がムズムズすることも。

 

花粉症の症状として、くしゃみ・鼻水・鼻づまりに、目のかゆみ・目やに・涙目などがあります。

どれも、嫌な症状ではありますが、運転中、一番危険をはらんでいるのは、くしゃみでは?

 

くしゃみは、鼻に入ったほこりやウイルスなどの異物を排出しようとする正常な防衛反応です。

目に何か入ったときに、涙がたくさん出るのも同じ、防衛反応です。

どちらも共通するのは、一瞬、目をつむってしまうこと。

 

花粉の時期、運転中のくしゃみは、かなり多いはず。

くしゃみで目を閉じた瞬間も、車は動いています。

連続すれば数秒間前方を注視していない状態に。

片手ハンドルだと、更に、ハンドル操作を誤る恐れもあります。

大きなくしゃみも、連発くしゃみも予測できないことが多いので厄介です。

実際に、花粉症で運転していた女性が、突然のくしゃみで、ハンドル操作を誤り、死亡事故を起こした事例があります。

 

運転時、車内に花粉を持ち込まないよう、衣服を払って乗り込みましょう。

エアコンは内気循環モードにして、外気を車内に取り込まないこともポイントです。

くしゃみの予測はできませんが、車内の環境には注意を払いたいものです。

 

花粉ピークのある日、家人と車で外出。

くしゃみのたびに、ヒヤッとします。

『運転代わろうか?』

『助手席に座るより、自分で運転した方がまし』

妻が運転する横では、自律神経まで影響を及ぼすそう。

信号待ちの度に鼻をかむ家人。

柔らかティッシュを差し出し、かんだティッシュはレジ袋に入れて…と、けなげな妻役に徹した院長でした。

車内環境整備に努めました!

※後日、日経新聞で類似の内容が掲載されました。目に効くニュースにアップしましたのでご覧ください。

 

4月6日 甘く考えないで!花粉症と運転

4月6日 甘く考えないで!花粉症と運転

4月6日 甘く考えないで!花粉症と運転

4月6日 甘く考えないで!花粉症と運転

 

 

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2018.3.13  R-1グランプリ

一人芸(ピン芸人)で誰が一番面白いかを決める大会『R-1グランプリ』

タイトルのRは本来『落語』を意味しているそうですが、今は落語に限らず『とにかく面白い一人芸』ならOKのようです。

 

新喜劇は好きですが、漫談には疎い方。

しかし、『盲目のR-1王者』『ほぼ盲目のR-1勝者』『弱視の芸人R-1日本一』などというニュースの見出しに、職業柄、気になってしまった院長です。

 

王者の濱田祐太郎さんとは、誰?

 

吉本興業所属の28歳の芸人さんです。

視覚特別支援学校を卒業。

吉本総合芸能学院(NSC)35期。

同期は、ゆりやんレトリィバァ。

 

両眼では全く見えないわけではない(左全盲、右明暗のみ判別のよう)ので、眼科的には、盲目ではなく『弱視』になります。

しかし、生活するには、不十分な視力であり、本人も白杖を使って生活、舞台へも立たれています。

 

視力障害の原因は『先天性緑内障』とのこと。

高い眼圧によって眼球が拡大し、流涙や羞明、眼瞼けいれん、角膜(黒目)の濁り、牛眼(黒目が大きくなる)などの症状が現れます。

手術が第1選択です。

適切な治療をしても、視力障害を伴うことが多く、生涯にわたって検査・治療が必要です。

 

患者さんはほとんど赤ちゃんなので、検査・手術は、催眠剤や全身麻酔下で行います。

第1子を産んで、大学病院復帰したときには、そういう小さな患者さんに我が子を重ねて、胸が痛みました。

 

さて、グランプリの漫談動画を見ると…

例えば、冷たいコーヒーが欲しかったのに、自販機で押して出てきたのは、熱いおしるこだった!

この暑いのに~。

でも、意外といけた。

 

駅の階段の数まで教えてくれた親切なおばちゃんが、言われた段数上がったところで『間違えた。あと5段あったわ』

(視覚障碍者の)自分にとって、その誤差は大きいけれど、おばちゃんは『サプライズや』

 

などなど、自分の視覚障害体験を基にした自虐ネタがほとんどです。

 

笑いに引き込まれつつ、眼科医としては『そうよね~』と共感と学びでした。

一般のお客さんからしたら、笑いつつも『(障害を)笑っていいの?』という思いがよぎったり、視覚障害の現実を『そうなんだ』と認識したり、と少々複雑かもしれません。

 

しかし、漫談は間違いなく面白い!

濱田さんが、笑いのバリアフリーを実現してくれることを期待しています。

 

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2018.3.6 子供の近視

小児眼科学会が名古屋で開催されました。

向上心旺盛な当院の視能訓練士は、2日間にわたり、熱心に聴講してくれました。

 

この学会は、子供の目の病気に特化した内容で講演されます。

専門施設で行われている特殊・高度な医療から、開業医レベルの身近なことまで多岐に渡ります。

 

今回の教育講演のひとつ、『学童の近視をどうするか』

近視が進行すると、黄斑変性や緑内障などの病気を発症するリスクが高まります。

それらのリスクを下げるためには、学童期に、出来るだけ近視進行を抑制することが重要です。

 

屋外活動の増加は、近視抑制効果があることが分かりました。

1日1時間屋外で過ごすと、対象の13%に近視進行抑制効果がありました。

また、近視発症時期を遅らせるのに有効とも言われています。

院長が子供の頃は、毎日外で遊んでいましたから、現在、強度近視ではありますが、そのおかげでいくらかは軽減されているのかもしれません。

(近視は、遺伝が大きく関与します)

 

他に、累進多焦点コンタクトレンズ(コンタクトレンズに段階的に度が色々入っている)や、オルソケラトロジー(ハードコンタクトレンズを着けたまま寝て、日中の近視度を緩和する)も、近視抑制効果は報告されていますが、日本ではまだ近視抑制法として認可はされていません。

さらに、薄い濃度の調節麻痺点眼薬も有効という報告があり、治験中だそうです。

 

よく、保護者の方が、『私も近視だけど、こんなに早くメガネかけなかった』と我が子と比べられます。

屋外活動の減少、屋内遊びの多様性の増加(TVゲーム、スマホ、タブレットなど)が、近視化を早めているには違いないようです。

 

『スマホ内斜視』という言葉も出ました。

1日4時間以上4か月以上スマホを使用すると、内斜視(目が内側に向く)になりやすくなるそうです。

特に目とスマホの距離が20センチ以下では、大きく負荷がかかるので要注意です。

『スマホ育児』がなかった院長の子育ての時代は、まだ良かったのかもしれません。

 

『子供の近視』は、小さい子を持つ親なら関心が高いことと思います。

ネット情報に惑わされず、目の前の主治医にご相談ください。

 

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