2023.1.17 リンゴのバカー!自分が馬鹿。

ある日、スマホのカメラの背面カバーが欠けているのに気付いた院長。

落とした?ぶつけた?記憶にない…

新機種に買い替えてまだ数か月。

ショック!

粗相をしたことを隠す子供のように、何故か誰(家族)にも知られてはいけない、言わないでおこうと決めました。

(何も悪いことをしていないし、自前で購入しているのに…)

カメラを囲うフレームの一部分、目立たないと言えば目立たない。

カメラのレンズ中心にはかかっていないので、カメラ機能にも支障ありません。

しばらくそのままにしておいたところ、何となく亀裂が広がっているよう。

何とか食い止めねば。

考えたのは、セロハンテープでの補強。

細めに切って、囲んで終了。

 

またしばらくすると、テープがめくれかけてきました。

またまた補強。

テープを貼っているうちに、窓ガラスのひびをテープで止めて補修している家を連想してしまいました。

 

地下鉄に乗るたびに、対面の乗客のスマホに目が行くようになったのもこの頃。

スマホ全体ではなく、背面のガラスケースにテープなどを貼っている人はいないかな?

『泣く子はいね~が?』みたいに『テープ貼ってる人はいね~が?』と、観察。

結果、皆無。

 

おしゃれして地下鉄に乗っているのに、手にしているのはテープでツギを当てたようなスマホ。

惨めな気分から解放されるには、ちゃんと修理するしかない!

 

決めると早い院長。

お店はなかなか予約が取れないので、リンゴさんに連絡。

『背面のカメラのひび割れですが、修理お願いします』

『12,900円です』

『わずかなこのひび割れがそんなに高いんですか!?保障に入っているのに!』

『保障に入っているからその価格です』

は~

新品の同機種が送られてくるので、バックアップ諸々をして、交換返却をするようにとのこと。

ゆっくりやろう…と思う間もなく、すぐ新しいスマホが到着。

配送業者が引き取りもしてくれるのですが、こちらは全く準備が出来ておらず。

 

さて、社会的立場  母(院長)>>息子

経済力 母>>息子

知識 母>>息子

図式の我が家ですが、ことスマホ関係に於いては、母<<息子。

不測の事態に対処できない可能性もあり、息子にお願いせざるを得ません。

平常、お願いする機会・回数は圧倒的に母少なし。

息子のお願いばかり聞く母です。

何か言われる覚悟で事情を話します。

 

旧スマホ(現在使用中)を触りながら

『母さん、何処が壊れてる?全然問題ないぞ』

『えっ?だって、ここのテープ貼ってあるとこ』

『これは、俺が貼ってやった保護ケースが割れているだけ。ほら(ケースをはがして)、新しいのと変わらん』

ガーン!!

『キャンセルできるか聞いてみる!』

『ダメだと思うよ、小さな店じゃないんやで』

『やってみる!』

リンゴさんへ連絡。

実は壊れてなくて、新品にもまだ何も触っていないこと等々。

自分の非を認めつつ、ひたすら下手に丁寧に品よく…(オバサン、粘ります)

 

結果…

『一度申し込んだらキャンセルは出来ません』

『12,900円で新しいスマホを手に入れたということです(交換で)』とのこと。

いらんがな!

『リンゴのバカー!自分が一番馬鹿だけど』

送り返すスマホをぶつけたい気持ちを理性が抑えた院長です。

『母さん、わからんのに行動するな。まずは聞けよ。そのうちオレオレ詐欺にひっかかるぞ~』

(今回は詐欺ではありません。院長の不注意)

息子、マウント取っているのか、優しいのか!?

立場逆転。

 

高い勉強代でした。

トホホ…

『リンゴに払うくらいなら、俺にくれた方がよかったのに』

 

 

 

 

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2022.11.29  赤ちゃんの涙

私生活では、赤ちゃんのいる日常からずいぶん遠ざかってしまった院長です。

ただし、眼科診療をしていると、赤ちゃんの患者さんも受診されます。

乳幼児・学童期になるともっと。

小児科ほどではないにしろ、子供と関わることが多い科と言えます。

 

生後まもなく片眼(もしくは両眼)から、涙と目やにが出る赤ちゃんがいます。

心配になって来院されます。

涙が目(涙点)から鼻に抜ける排水管(涙道)が詰まっている病気であることがほとんどです。

先天性鼻涙管閉塞(せんてんせいびるいかんへいそく)という病気です。

新生児の6~20%に発症と言われています。

 

しかし、生後12か月までの自然治癒率は96%と報告されているので、心配しすぎる必要はありません。

基本は経過観察(放っておけばいいということではない)。

 

目やにが出る場合は、抗菌点眼薬を処方します。

粘性や膿性など目やにの性状を見て。

漫然と使用していると、抗菌点眼薬が効かない菌(耐性菌)が出る可能性があります。

これは、鼻涙管閉塞に関わらず、すべての病気で抗菌剤を使用する際、注意すべき点。

目やには湿らせたティッシュや綿でそっと拭き取りましょう。

 

涙嚢(るいのう)マッサージが有効な場合もあります。

涙嚢(目頭のやや下内側)から小鼻に向かって、指で圧をかけます。

5~10回を1日2~4セット。

この時、マッサージをする人の指は爪を切って清潔にしてから。

涙の排水菅(鼻涙管)の一番下の詰まっているところに圧が加わるように。

 

約半年ほど経過を見ても開通しないようなら、プローピング(細い針金ようなものを挿入して詰まりを取る)をします。

最近では、涙道内視鏡での治療も可能になりました。

 

先天性鼻涙管閉塞診療の最新のガイドラインのまとめです。

 

ガイドラインは変化していきます。

専門家によって、多大な論文が検証され、信頼のある(推奨する)検査・治療が決定されます。

全て出所がはっきりしているものです。

私たち眼科専門医も、その都度熟知して診療にあたりたいと思います。

 

生後間もなくは、赤ちゃんは、まだわんわん泣いても涙を流しません。

生理的な(目の表面を保護する)涙だけが分泌されています。

3~4か月で神経系が発達してくると、感情による涙も出るようになります。

生理的な涙の分泌低下、または蒸発が早くなってしまうのがドライアイです。

 

三男出産1週間目で復帰した院長。

赤ちゃんを診療するたびに、患者である赤ちゃんは泣きます。

この泣き声に授乳中の母(院長)は反応。

乳汁分泌ホルモン・オキシトシンの働きでおっぱいが。

診察室で赤ちゃんの泣き声を聞くたびに反応した院長です。

今では笑い話ですが。

 

息子たちの泣く声を聞かなくなってどのくらい?

次の世代の赤ちゃんの声を聞く日が来るのかしら?

『孫が生まれました』の報告を聞きながら思います。

 

 

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2022.11.8 毎日紅葉

朝晩めっきり冷え込み、紅葉の季節となりました。

 

院長が、10月後半から毎日楽しみにしているのが、クリニックの真向いの街路樹の色付き。

カエデだと思いますが、10月後半から少しづつ色づき始め、現在かなりの色づき加減です。

朝日に照らされて、赤色がより映えます。

この季節、毎朝、これらの街路樹の美しさから、ちょっとした心の栄養をもらっています。

日本各地、自分なりに、色々な紅葉の名所に行きました。

名所だけあって、わざわざでも出かけていく価値ありの所ばかりでしたが、それは非日常の美しさ。

こんな間近に紅葉(といってもどこにでもある街路樹)を見られる日常も幸せ~と思えるように。

足るを知る…と言っていいのか、外ばかりでなく内なる幸せにも気づけるようになったのか…

 

紅葉の赤色の正体は、アントシアニン。

秋になり気温が低下すると、クロロフィル(葉の緑の元)が分解され、アントシアニンが生成され、赤くなります。

アントシアニンは紫外線吸収効果があり、紫外線など有害な光を守るための色素です。

植物は自分で作れるけれど、ヒトは作れません。

アントシアニンはじめ抗酸化作用のある成分は、昨今、抗加齢医学で注目。

加齢性黄斑変性症や緑内障向きのサプリメントもあります(当院でも取り扱いあります)。

 

街路樹をきれいだな~と眺められる余裕が出来たのも、ここ数年です。

子育てを終えて、やっとすぐ近くにあるちょっとしたスペシャルに気づくように。

街路樹の色づきは、息子の小学生時代にタイムトリップも。

三男が小学1年生の時、生活発表会の出し物は『落ち葉のプール』

『それぞれ45リットルのごみ袋に落ち葉を拾ってくること』がクラスのミッション。

街路樹の色づくのを待って、1枚1枚拾っては袋に入れ…を繰り返しました。

とても45リットルいっぱいにならないので、あちこちに遠征。

3人の子供たちが、一緒になって、1枚1枚拾いました。

『落ち葉のプール』は成功だったのか否かは記憶にありませんが…

 

さて、今年も、就学時健診が終わりました。

しっかりしている子から、母親から離れられない子まで様々。

視力検査の結果が芳しくない児童には、再検査を勧めます。

健診後、早々と再検査に来院する患者さんも多々。

緊張して学校の視力検査が上手く出来なかっただけという心配ないケースが多々。

しかし、遠視や近視その他の病気が見つかることもあるので、必ず就学時前に受診をお勧めします。

『学校で会ったよね!?覚えてる?』

『うん』の子も、首を傾げる子も。

『どこの学校へ行くんだっけ?』

『○○小学校』と答える子も『う~ん、忘れた…』の子も。

 

就学時健診は紅葉始まりの時期。

小さな可愛い新1年生を診ながら、今は成人した小さく可愛かった息子たちとの思い出がよみがえる院長です。

落ち葉を拾いながら、どんぐりの笠を小さな指にかぶせては『母さん、見て~!どんぐり帽子だよ!』

 

院長はオバサンにしては?現在と未来を向いているほうだと思います。

しかし、秋(人生もですね)だからか、郷愁に浸る束の間も。

もう小学校ではお母さんに間違えられません。→前回の記事はこちら

 

 

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2022.9.27 切れたほうが良い

スーパーや家電量販店のテーマソングは、覚えやすい歌詞とリズムで体にしみ込んでいきます。

産業医の職場であるスーパーの店内に流れる音楽も、職場に足を踏み入れる前から脳内に流れてきます。

 

今日も少し前に到着。

事務所に行く前に、『お買い得品はないかな~見つけものはないかな~』などと、お客であり、巡視もする産業医です。

 

安全衛生委員会では、床の水漏れの指摘があり、業者の手配をすることになりました。

会終了後、床を見ながら歩くと、修繕してある個所がいくつか。

就業前のお客気分の巡視では、気が付きませんでした。

まだまだ甘い…(自分)

床の水濡れでは、昨年、担当店で、お客さんが滑った事例が。

以後、台車にも、すぐ対応できるタオルを設置することになり、全店実施になったとのこと。

ヒヤリハットの事例報告とその対策がセットになり、良い効果を生み出しています。

 

 

毎月、全店の労働災害ニュースも配られます。

幸い、今月も担当する店舗では労災事故は発生せず。

全体では、今月も転倒が多くを占めています。

滑ったり、つまずいたり、踏み外したり。

 

次が切創です。

パン作業場で、安全ガードを使用せずスライサーを使用し切創。

こういう事例を聞くと、医師と言えども、ぞっ~とする院長です。

実際に、後から巡視して確認します。

こういうことね~と納得、スタッフさんに注意喚起。

 

野菜果物を切る包丁も注意です。

昨年、かぼちゃ包丁を新しくしてもらったのですが…

店長『包丁、よく切れてる?』

スタッフ『いい感じです。ときどき研いでいますし』

産業医(院長)『砥石でですか!?』

スタッフ『そんな大変なこと出来ませんよ。電動研ぎ機です』

店長『切れる包丁より、切れない包丁のほうが事故が起こり易いですからね』

スイカ、かぼちゃ、白菜での切創事故が多いようです。

 

 

先日、我が家にやってきた甥っ子。

甥『公さん、包丁見せてもらってもいいですか?』

院長『どうして?』

甥『ぼく、包丁研ぐのが趣味なんで…』

いつも使っている包丁を3本(最近買ったペティナイフとパン切包丁以外)出します。

甥『料理してます?』

院長『毎日料理してますよ!』

甥『相当切れ味が悪いですね~よくこんなんで料理してましたね~』

確かに、最後に研いだのはいつ?っていうくらい昔。

加えて、スパッと切れる包丁は怖いと思っていました。

メスは、スパッと切れないといけないし、スパッと切ることに何の躊躇もない院長ですが…(プライベートでは怖い)

 

リュックから砥石を出して、ベランダで水を流しながら作業すること数十分。

甥『研ぎ終わりました!』

院長『ありがとう!』

甥『切れ味、全然違うと思いますよ』

トマトをスライスしたらスパッ!キャベツの千切り、サクサク。

料理の腕が上がったようです。

包丁の切れ味って大きい。

店長の『切れる包丁より、切れない包丁のほうが事故が起こり易いですからね』が響きます。

甥のTくん、ありがとうね~

 

 

今月は台風シーズン。

台風接近時に売れるもの・売れないもの、台風通過後に売れるもの・売れないものリストについて、資料を元に店長から説明。

売れるものは、発注量・陳列方法に注意。

売れない物はロス注意。

物品リストだけでなく、その理由も書いてあるので、勉強になります。

お刺身、台風接近時に食べたいと思わないよね~

墓花は、台風接近時に墓参りに行かないもんね~などなど。

 

 

今回も、仕事ですが、新しく珍しい(院長にとって)ことをget。

スーパーの音楽は、職場を出てもしばらく続きます。

駅までの帰り道は♪♪♪。

行きも帰りも♪♪♪。

恐るべし、スーパーのテーマソング。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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2022.8.30 きれいな目

8月の終わりは、長男の誕生日。

成人しても、バースデーケーキを用意してしまう親バカのバカ母(院長)。

どの息子も、もう自分の誕生日にそれほど特別な思いはないのですが、誕生日当日朝にケーキが登場します。

バカ母に付き合っている感がしないでもないけれど、まんざらでもない?

『○○(息子)ちゃん、お誕生日おめでとう!』のプレート。

『何歳までやるの?』(未定)

『ろうそくは、いらんやろ』(せっかくもらったのに)

ろうそくの火を一息で消すのを楽しみにしていた小さな息子たちは何処に…

ケーキ選びも楽しいし、自己満足(のみ?)かもしれませんが、もう少し続けます。

 

 

子どもの誕生日と言うのは、出産の日。

そのエピソードは、子供ごとに母親は覚えていると思います。

長男の予定日が1週間後に迫った日。

知り合いの知り合い(面識なし)の先生が、急な代診を探しているとの連絡。

産休生活もすることもなく、予定日まで1週間あるし…と引き受けました。

岐阜から名古屋まで、駅の階段を上がり降りし、電車に乗り…

久しぶりの仕事に充実した翌朝、破水が。

その晩生まれた長男は、9月生まれの予定が8月に。

小さな息子を抱きかかえて、退院日に病院の玄関に立つと、もう秋の風。

世界も変わって見えました。

1週間前の暑い朝は一人だったのに。

ここから院長、試練が始まります。

 

さて、妊娠中、よく食べたのがあわび(貝)です。

目のきれいな子が生まれる…という言い伝えがあるらしく、この際(普段は、なかなか食べられない)だからと、アワビのお刺身、お寿司、カレーなどなど、あちこちで食べました。

この言い伝えに、根拠は不明ですが、胎児に良いと言われることは信じる(信じてしまう)のが、妊婦。

 

きれいな目って何?

まだ眼科学も発展していない昔、見た目(外見)に異常がなければ、病気はないと一安心した名残ではないでしょうか?

 

赤ちゃんの白眼は透き通るようなグレーかかった白です。

これは、白眼(強膜)が薄いからです。

角膜の下に見えるはっきりした虹彩の色(茶目)。

乳児は黒目(瞳孔)が成人より大きく澄んでいます。

瞳孔の黒・虹彩・白目のコントラストがはっきりしています。

だから、きれいで、つぶらで、可愛く見えます。

実際には、外見的にきれいな目だからと言って、眼科学的に問題がないわけではありません。

外見的には問題がなくても、小さな眼球のどこか、もしくは脳など他の部位に問題があっても、視力はうまく発達しません。

眼科学が発達し、赤ちゃんの眼の病気の治療も大きく進歩しています。

 

時に、『目が黄色い』とか『汚い気がする』と、心配されて来院される中高年の患者さん。

紫外線や加齢に伴い、強膜や結膜(強膜のうえにある透明な膜)が厚くなり黄色身を帯びてくるためですので、病気ではありません(もちろん診察したうえで)。

見た目は問題あり?(本人)でも、機能的に問題ない場合もあります。

 

 

顔の中でも、目は一番先に視線が向くパーツです。

見た目は大事ですが、それが全てではありません。

お化粧やカラーコンタクトレンズ(カラコン)で盛ったら、俗にいうきれいな目に見えます。

でも、やはり、内からくる目力・底力の方がパワーがある!

視力障害の患者さんを長年診て思います。

見た目より本質!

それでも、カラコンはしないまでも、アイメイクはマストのオバサン(院長)です。

 

 

 

 

 

 

 

 

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2022.8.2   おかげさまで25週年

開業初日の朝は今も記憶に新しい院長です。

8月1日まぶしい快晴の朝。

おかげさまで、25周年を迎えることが出来ました。

あの日以来ずっと地域の開業医として走り続けています。

 

異郷地で、小さな子供たちを抱えながら仕事を続けるのに、開業を選択しました。

開業の翌年に三男を出産。

自営業(開業医)は、産休・育休は保証されておらず、出産日と産後7日休んだ後復帰しました。

地域の開業医としての勝手な自負と責任感、若さゆえの体力が可能にしました(いつ寝ていたのか?)。

保育園の預かり18時に診療終了時間を設定したものの、お迎えはいつも遅刻。

我が家の子供たちはいつもお残り組でした。

 

眼科専門医の資格は取得したにもかかわらず、開業してみると、知識や経験の足らなさを自覚しました。

育児も中途半端で、女医がフルに働くことはなんて難しいんだろう!と嘆いたものです。

 

眼科医としての充実か、母親として育児の充実か?

優先したのは、医師としてのキャリア形成でした(もちろん悩みました)。

 

長男が小学校入学を機会に、自身も大学院入学。

しばらく遠ざかっていた大学病院の緑内障外来や研究。

開業医+育児家事に加え更に厳しい状況になりました。

子供たちがプールで泳いでいるのを見ながらのママ友の雑談から離れて、必死に論文を読んでいました(絶対的に時間が足りないので)。

台所にはパソコンを置き、4時起床が日課となりました。

子どもたちは、平日母とは遊べなくなりました。

 

あの時、今でなくても…と言う声もありました(家人ではない)。

もっと子供が大きくなってから…とか。

でも、あの時しかなかったし、あの時だからこそ出来たのだと思います。

医学博士は、最後のご褒美であって、その過程こそが大きな自信となっています。

 

緑内障の失明症例などを経験していくうちに、視覚障害者補装具適合医師の研修を受け、ロービジョンにも関心を持つようになりました。

パラスポーツを知って、まずは健常者のスポーツ医学を学ぼうと、日本医師会認定健康スポーツ医を取得。

ロービジョンとスポーツ医の次は身体障害者スポーツ医も取得しました。

患者さんの就労環境や健康管理の話から、産業医も取得しました。

また、高齢の患者さんも多いため、名古屋市もの忘れ相談医としてもの忘れ検診を実施しています。

開業以来拝命している学校医も、自身の資格や経験を活かして活動出来ていると思っています。

 

思い立った時はチャンス!

一歩踏み出すことで、その時はたくさん苦労もしょい込むことになりました。

でも、もっと先の未来(現在)に立てば、全てがつながっていると感じます。

眼科医が根幹を占めている院長ですが、色々関心のあることに枝葉を伸ばしたことで、幹も太くなってきたと思います。

 

当院は、オーナーシェフ1人でやっている小さなレストランだと思っています。

シェフの味と人柄を求めてお客様が来てくださるのが、生きがいです。

シェフは、お客様ひとりひとりが大好きです。

同じ気持ちを持ったスタッフも頑張ってくれます。

お客様の期待に応えるべく、気持ちよい空間(屋内外とも)つくりと、味の仕込みを続けています。

『来てよかった~また来るわ~』と言ってもらえる一皿をお出ししたいです。

 

知識も経験も年月を経て蓄えられます。

量ることは出来ませんが、院長の眼科医人生の中で、当院の患者様からの得た経験は大きなウエイトを占めています。

経験を診療で還元できるよう、これからも日々研鑽を積んでまいります。

地域のかかりつけ医として、今後ともよろしくお願いいたします。

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2022.7.26 ミレニアム

取引先の担当者が、同行者を連れてきました。

年に1~2回、どのメーカーでもあることです。

新人か上司か。

今回Aメーカーの担当Bさん(20代女性)に同行してきたのは、すらりと背の高い男性。

マスク越しなので、上司?新人?どっち?

『今日は新人同行で~す』

『Bさんも成長したわね~』

『公センセイ、驚きますよ!さあ、自己紹介して』

『Cと申します。2000年生まれの新入社員です。よろしくお願いします』

2000年生まれ!が、もう社会人だなんて!

うちの息子たちより後から生まれた人たちが、もう社会人なんて!

院長の思いを見透かしたかのように『ミレニアム生まれなんて、驚きですよね~』とBさん。

『びっくりしたわ~ミレニアム生まれが社会人なんて、時が経つのも早いわね~』と、オバサンらしい相槌。

 

2000年と言うと…

その前年から、新しいミレニアムに沸いていました。

 

せっかくの記念だからと、1999/2000/2001の絵皿をシリーズで手に入れたのも今は昔。

結局、騒々しい小さな息子たちのいる家では割れる恐れありと、食器棚にしまったまま現在に至ります。

もう、食事用の皿として使ったほうがよさそうです。

 

最近では見ることのない2000円札が発行されたのもこの年。

沖縄サミットを記念して、表には首里城の守礼門が。

数年後、首里城を見たくて降りた那覇空港には『2000円札を使いましょう!』のポスターが何枚も貼ってあったことを思い出します。

手元に2000円札を得ると真っ先に使うお札でした(間違えやすいので)。

もう発行してない現在に至っては、懐かしさも。

 

社会的現象としてのY2K問題は忘れられません。

日付の年部分を2桁の数字で管理しているシステムにおいて、コンピューターの誤解釈・誤作動が起これば、重要なシステムが停止する恐れがあるという問題です。

2000年という年代にコンピューターが対応できるか、各メディアがこぞって話題にしていました。

当院も、当時、電子カルテではないにしろ、コンピューターは導入されており、ドキドキしながら2000年1月1日を迎えたものです。

Y2K問題に備えて、年末年始の外出も控えていました。

結局、何も起こらないまま(少なくとも自身の周辺は)今に至るのですが、そのY2K問題も知らない世代がもう社会人とは…

 

Bさんがいつも以上のプレゼンをしてくれます。

さすが、先輩!

新人の前で気合が入っているようです。

前任者のDさんもずっと新人の時から4年担当してくれましたが、その成長ぶりは目を見張るほど。

新天地への赴任は、院長お墨付きで送り出したものです。

 

若い人の成長は、見ていて楽しいし、嬉しい。

もちろん彼彼女らが真摯に仕事に取り組んでいるからです。

だからオバサン(院長)も老婆心ながらアドバイスをします。

 

ミレニアムから22年。

BさんもCくんもDくんもうちの息子たちも子供から成人に心身ともに著しく成長。

オバサン(院長)とクリニックは、どれだけ成長したのかな~?

開業して2年ちょっとのミレニアムの年。

”まだ未来が霧の中~(ユーミンの歌詞)”でした。

ミレニアム青年を機に、振り返る良い機会に。

 

2000年の始まり、何をしていましたか?

 

 

 

 

 

 

 

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2022.7.12  桃のスープ

桃が店頭に並ぶようになりました。

桃はそのまま食べるのがとても美味しいのですが、院長の好きな一品に『桃のスープ』があります。

 

30年ほど前に家人が連れて行ってくれたレストラン。

そこで初めて桃のスープなるものを食べました。

桃は生に限る!もしくは桃の缶詰しか知らない地方(岐阜)出身者にとっては驚きの味!うっとりするような味でした。

 

以来、桃の出回る季節には必ず足が向きます。

 

『桃のスープ出てますか?』の確認をして、今年も出かけました。

『お待ちかねの桃のスープです』とサーブ。

この季節のお楽しみを口にすると、幸福度アップの院長です。

今年も、この味に出会えて満足。

しかも、この何年かは、家人は自分のスープを院長にくれるつもりで桃のスープを注文してくれます。

本人曰く、『それほど桃のスープに固執していないから、そんなに好きならもう一皿どうぞ』

長いお付き合いの賜物?です。

相手が好きなものは、譲るとか少し多めに分けるとか…

息子たちは、母(院長)に対しては、配慮するより配慮してもらう方。

将来のパートナーとは、譲り合いしないとね~

と言うわけで、二皿も楽しみ、大満足。

 

桃のスープで検索すれば、色々なレシピが出てきますが、自分では作る気にはなりません。

院長にとって、桃のスープは、そのレストランでしか食べられない特別なスープです。

こういう特別感が、日々の生活の活力になっているのかもしれません。

 

さて、新型コロナの流行が始まり、外出もままならない頃。

一人でこのレストランに出かけました。

サイクリング気分で、感染予防?のため自転車で。

カジュアルだけどレストランにはOKくらいの格好で。

閉塞感の毎日の中、あの日の桃のスープも美味しかったです。

その帰り。

信号のない、三叉路。

左折しようと停車の車に対して、左方向から自転車の院長。

右方向を確認して、左方向(院長方向)も見ているよね~と思いながら進行。

すると、車が左折しようと直進し、自転車の前輪と衝突。

相手のスピードも遅く、院長の踏ん張りも効いて、転倒はしませんでしたが、前輪のゆがみ。

幸い、自身の身体は大したことがなく、自転車の前輪のみ交換で済みました。

下肢の踏ん張りは筋トレの賜物?

踏ん張れなかったら転倒して大変なことになっていたかも。

桃のスープとリンクする痛い思い出です。

 

恐らく、視力・視野は問題ない運転者だったと思いたいですが、何回も曲がる方向の両方向を確認する重要性を改めて認識。

院長も日々診療で、視野欠損の患者さんの運転・生活指導(助言)をしています。

片眼が見えない場合、その目の外側はよほど首を大きく回すなどしないと、見落としにつながります。

上方が見えない場合は、信号機や標識を見落とすことがあり、注意です。

下方が見えない場合は、足元やカーナビ操作に注意です。

両眼の視野が周囲から狭まって、狭い中心しか見えない場合は、その周辺の変化がわからないので注意です。

周囲は見えるけれど、見たい中心が見えない病気もあります。

意外に、自覚せず、運転しておられます。

自分の特性(視力・視野)を知っていたほうが、より安全・安心に運転できます。

 

そして、事故防止には、運転者も、自転車・歩行者もそれぞれが注意を払うことが大事です(自戒を込めて)。

 

 

 

 

 

 

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2022.7.5 プラン75

『来週、免許返納するの』

『え~!?』

『後期高齢者(75歳)になったら、返納するって決めてたから。ちょうど、誕生日が来るから』

ある日の医師会の会合にて、A先生(女性)。

もうそんな年齢とは思えないほどのお元気さです。

『仕事はどうされるのですか?』

『車はやめても、仕事は続けるわよ』

あっぱれ!

隣で『僕は、前期高齢者(65歳)になりました』とB先生(男性)。

『A先生、すごいですね~。僕は後期高齢者になったら引退しようかな~』

B先生は多趣味。

毎日、趣味だけで予定が埋まりそうです。

『やっぱり、仕事が好きなのよ。患者さんと向き合って仕事することが。ストレスの元凶でもあるけどね』

敬老パスの使用頻度、高齢者受給者証の制度、自身の健康など…内容は多岐にわたり、テーブル最年少とはいえ、しっかりオバサンの院長はふむふむと(老後の)参考になることばかり。

 

先日、今話題の映画『プラン75(倍賞千恵子主演)』を見てきたばかりの院長。

そのことを話すと、みなさん『どうだった?見たいと思っている』との声声。

 

『プラン75』は、75歳(以上)になったら、生死を選択できるという国の政策。

まだ人生を送りたいという人には無理強いはされませんが、先の人生プランを描けなくなった時の選択肢として用意されています。

プラン75を選択すると、現金10万円をすぐ支給され、好きなように使うことが出来、死ぬ前日まで相談員が毎日電話でサポートしてくれます。

死ぬ前にある程度安らかな(あきらめの?)境地を作り死にいざなう。

もちろん心変わりも可能です。

この政策のお陰で、国も高齢者を支える若者負担も減る画期的な策とのこと(映画では…)。

このシチュエーションの中で、ホテルの清掃員を解雇された一人暮らしの主人公がどうなっていくか…

院長は一人で鑑賞したのですが、劇場はほぼ60代、70代の観客で埋まっていました。

 

老後なんて遠い未来だと思っていた頃。

開業当時、かなり年配の現役の女性医師と話す機会があり、年齢を聞いたところ、当時の院長の倍以上!

自分の人生の倍以上の人が、まだ現役で仕事をされている事実に驚きでした。

今や、親子ほどの年齢差の若い医師が誕生。

彼らから見れば、私たちの年代の医師は、遠い存在のオジサンオバサン医師。

きっと医師人生30年と聞いてもピンとこないと思います。

しかし、医師会や学会で院長より更に年長の諸先輩の話を聞くと、老後は近づいているけれど、それなりに明るそうです。

オバサン院長ですが、久しぶりに『若いわね~』の言葉を浴びた一夜でした。

 

『過去に戻れたら○○歳と言う人がいるけれど、私は、今が一番いいと思ってるの』

A先生の力強い言葉。

院長も、まだまだ若輩者ですが、オバサンの今が一番ベスト(更新中)と思っています。

 

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2022.6.28 納得いかない

学校検診の受診のお勧め用紙持参の患者さんの中には、毎年、眼科的にはどこも悪くないのに視力が出ない『心因性視力障害』があります。

何かしらのストレスで視力が出にくい状態になっています。

ストレス(家庭・学校・友人・習い事関係が多いように思います)の心当たりがあれば、軽減。

眼鏡をかけたい眼鏡願望の場合もあります。

患者さん(子供)へ寄り添い、

保護者からのヒアリング。

必ず視力が出てくるので焦らないことをお話しして、今まで以上に愛情を注いで関わってほしい旨を伝えます。

結構時間のかかることですが、励まし、経過を見ていくことで結論が出てきます。

ただし、1年近く変化がない場合は、心の専門科へ紹介することもあります。

 

先日はWEBで『心療眼科研究会』に参加しました。

この研究会に参加しようとしたきっかけは、既述の『心因性視力障害』です。

20年以上前のある学会での『心因性視力障害』の発表が非常に印象強く残りました。

心療眼科研究会は、今年で第15回ですが、以後テーマは変わりつつも、眼と心(精神)がテーマです。

 

さて、今回のキーワードは『白内障術後不適応』

白内障手術は、今や、スタンダードな安全な手術として確立しつつあります。

もちろん、患者さん個々にリスクファクターの有無・程度は違いますが、眼科医が一番先に習得する内眼手術です。

ですが、客観的には成功した手術(どの医師が見ても)なのに、予想外の見えずらさ・違和感・疼痛・羞明を長期に訴え、心身の不調に悩まされる患者さんがいることが分かってきました。

全白内障手術の数%ほどだそうですが。

実際には起こっていないことが原因と考えたり…

(眼内レンズが傾いているのでは?)

(眼内レンズの度が合っていないのでは?)

(手術中に痛みを感じたせいでは?)などなど疑惑と不安の嵐です。

 

手術後の過剰な期待(軽度白内障や軽度視力障害で施行)や、患者さんの認知のゆがみなどが可能性としては上げられますが、スパッとこれが原因でこの治療で…と単純には行かないようです。

このような患者さんは『心体症状症』という病名で、精神科的な治療も必要になる場合もあります。

しかし、その前に、眼科医は、患者さんに寄り添い、納得いくようにするようなアプローチに努める必要はあります。

 

他院で、白内障に限らず、手術後、色々と訴えの多い(自分で納得かない)患者さんは来院されます。

手術の出来(問題なし)と、患者さんの自覚は違うことも多々あることを実感します。

客観と主観の一致なら、とてもハッピーなのですが、現実は難しいです。

 

今回の特別講演は何と大学の同級生Kさん。

10年以上前に上京したのは知っていましたが、こんな所で遭遇するとは!

研究会の案内の演者を見て、Kさんだと確信。

卒業以来のズームでの再会(向こうからは見えてないけれど)。

KさんはT大病院で精神科医として活躍中。

ちょっとだけ年を取ったけれど(お互いさま)、変わらないわ~

 

偶然の繋がりに感謝し、同級生の活躍を誇りに思い、久々に便りを出した院長です。

 

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