2017.2.21 日課の朝礼

開院して今年で20年。
以来、欠かすことなく続いているのは、毎日の朝礼と日報です。

朝9時に診療を開始できるよう、8時45分から全員が揃って始めます。

担当者の朝の挨拶『おはようございます。〇月〇日朝礼を行います』から。

接遇用語の練習は
『こんにちは』
『少々お待ちください』
『かしこまりました』
『お預かりいたします』
『大変お待たせいたしました』
『お大事になさってください』
『申し訳ございません』
本日の担当者に続いて、院長とスタッフ全員で復唱。
朝から声出しです。

その後、前日の診療、本日の検査や往診などの連絡事項が申し送りされます。

そして、担当者の『本日の一言』
これは、何を話してもいいコーナーです。
ヒヤリハットでもいいし、日常感じた(私生活も含めて)嬉しかったこと、嫌だったことなど何でもOKです。
結構順番が回ってくるので、原稿のメモを読む人や、先ほど感じたことを話すなど、個々人の特性も垣間見れて楽しいです。

最後は、『院長からの一言』
これも何でもありなので、連絡へのコメント、昨日の反省から、新聞テレビでの見聞、自分の生活での気づきなどを、述べて、一応何とか形にして(結論付けて)終わります。
毎日のことなので話の中身はそれほど大したことはないのですが、準備運動のフィニッシュのようなものです。

全員で『今日も一日よろしくお願いします』の後、各持ち場へ。

9時には、パワー全開で診療開始です。

さて、先日の朝礼での『本日の一言』
『患者さんから、「ここは、毎日朝礼をやって、申し送りをしっかりしているようだね。挨拶も朝から気持ちいいね~」と言われました』
検査室のドアは閉めて行うのですが、受付は見られるようになっているので、患者さんには対応しています。
患者さんには、待合室で、ドア越しに、挨拶の声が聞こえているのだと思います。
『患者さんも気づいてくださっているんですね』

毎日の小さな営みですが、今では一日のスタートとして欠かせない朝礼です。
出勤者全員が集まることで、今日の顔色や体調、何か(良いことも悪いことも)あったのかな?などを想うことができます。
情報の報告・連絡・相談もここで共有できます。

開業以来の、毎日の日報(各部署でスタッフが書き、院長が目を通す)と朝礼は、クリニックの伝統?になりつつあります。

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2017.2.14嬉しい反応

先週の水曜日、CBCラジオ『丹野みどりのよりどりっ』の中の『オトナのいろどりっ』のコーナーでお話をさせてもらいました。

約1週間前に依頼の電話があり、それから話す原稿を考えます。
1対1の対話だと、少々のつっかえや言い間違いも訂正できるのですが、公共の電波に乗るとなると、話すことを順序立てたり、言い回しに気をつけないといけません。

そんなことで、当院のHPにお知らせしたのは、ラジオ放送前日。
あとは、スタッフと家族、少しの知人に。

前回は『スマホ老眼』について話したのですが、今回はリスナーからのリクエストに答えるというもの。
『ド近眼なんだけれど、白内障と緑内障のことを取り上げてほしい。老眼も気になります』

丹野みどりさんが、進行役で、質問をし、答えていく形式。
さすが、ラジオのパーソナリティだけあって、声も軽やか、進行もスムーズ。
自身は、焦らないように、つっかえないように、と意識しつつも、普段患者さんに話すように。
流れとしては、老眼、白内障、緑内障の概要を話し、結論として、年に1度の眼科受診を勧めることとなりました。

アプリの『radiko』で、自分の声を聞いて若干反省する部分はあるも『良し』の範囲内。
父母や家人、知人からは概ね良好な感想にホッ。
息子たちは『いつもより声がちょっと低いかな…』『少し、早口になったところがあった』『間がもう少しあっても』などと、ちょっと辛口(もっとも息子が母親に甘口はありませんが)。

放送の翌々日(翌日は休診日)、受付嬢が伝言を。
『岐阜市のU様からお電話がありました』
『え?誰?』
『水曜日の放送を聞かれた方だそうです。
「病院で緑内障と、白内障が少しあると言われたのですが、病気の説明がわかりにくくて困っていました。
その日、先生のラジオを耳にし、病気のことについて、自分の中で納得できるほど、すごく分かりすい説明でした。
嬉しくて、お電話させていただきました」とのことでした』
几帳面なY嬢は、会話をメモに取って渡してくれました。

Uさん、耳にしていただきありがとうございます。
そして、クリニックをわざわざ探して、お電話いただきありがとうございました
いただいたメッセージは、院長・スタッフにとって、嬉しいプレゼントになりました。

名医への道は遠いですが、患者さんにとって少しは明医になれますよう、まだまだ精進です。

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2017.2.7 ニセ医学

毎月、医学雑誌が何冊か届きます。
頭を使う重いものから、軽く読めるものまで。
毎回、論文を読んで、問題を解いて、解答を送る…なんてのもあります。

さて、今月目に留まったのは『ニセ医学に出合ったら』という特集。
いつもこの某雑誌はだらだらと読むことが多いのですが、今回は一気読みしました。

『ニセ医学』とは気を引くキャッチコピーでしたが、ニセ科学(疑似科学)の中でも、健康系・医療系に特化した内容でした。

いくつか一般向けにもわかりやすい箇所をあげると…

ニセ科学が世の中にあふれている。
科学は重要な人類の文化の一つであり、最も論理性や実証性を持っているのに対して、ニセ科学は、「科学っぽい装いをしている」「科学のように見える」にもかかわらず、とても科学とは呼べないものである。
通常の治療(標準治療)を否定して治る病気を悪化させるなど、取り返しのつかないことになったりする。
また、医学的根拠のない治療や商品で散財したりもする。

医薬品は、一般に基礎研究から臨床研究まで10年以上かけて、ようやく承認される。
作用機序もしっかりしている。
疾病を治癒させるのが目標。
たとえ副作用があっても、何もしないで病気を放置しておくよりまし、という実用的な観点がある。

サプリメントは健康な人が、健康を維持するために摂取する。

日常診療において、標準医療以外の医療を好む患者さんを、時に経験するが、根拠に基づかない代替医療や、週刊誌やインターネットにおける不正確な医療情報は、患者さんに被害を与えかねない。
私たち医師は、訴えを傾聴し、良質な医療を提供することが対策となる。

しかし、人の認知傾向として、「自分に都合の良い事実だけしか見ない、集めない」ので、自分に都合の悪い事実は無視したり、探す努力を怠ったりする。
また科学っぽい雰囲気にだまされやすい。

薬や食品の有効性を調べる試験では、試験管レベル、動物実験レベルの根拠性は低いが、それよりずっと低いのは体験談だ。

「ニセ医学」の汚名を晴らせるのは科学だけ。

「ニセ医学」も知ったうえで、患者さんの声に耳を傾けていきたいと思います。

類似科学とされるものの科学性評定サイト』参照してみてください。

お知らせ:2月8日CBCラジオ番組『丹野みどりのよりどりっ』の『オトナのクリニック』コーナーで院長がお話しします。
     時間は午後4時半ごろです。

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2019.1.24  運転どうする?

高齢ドライバーの事故が増えています。
中でも認知機能の衰えによる運転技術の低下が問題視されています。

改正道路交通法では、75歳以上に免許更新時の認知機能検査が義務付けられており、今年3月からは検査で認知症の疑いがあると判定されれば、医療機関を受診しないといけません。
認知症は、眼科医の専門ではありませんが、時には『認知症かも?』と思うような患者さんに遭遇します。
まだ未診断の患者さんには、専門医の受診を勧めています。

眼科医で心配するのは、視力・視野です。
運転免許可能な0.7でさえ、実際に運転するとなると、かなり怖いです。
眼鏡をかけて1.2出る視力の人が、0.7の視力の疑似体験をしてみると、その視力で運転しようという気になりません。
しかし、実際は両眼0.7に満たなくても、眼鏡を装用していない人も多く、『無いほうが運転しやすい』と言い切る強者も。
多くは、高齢の方が多く、免許更新時限りの眼鏡のようです。

また、視野欠損があっても、余程でない限り、免許取得は可能ですが、緑内障などで、徐々に視野が欠けてきている場合、自覚症状のないことも多くあります。
上半分の視野が欠損すれば、信号機の見落としも起こりえます(帽子を目深にかぶってみてください)。
側方の視野欠損があれば、飛び出しや駐停車両に気づくのが遅れたり、駐車の際に車体を傷つけてしまう可能性もあります。
眼科分野では、緑内障など視野狭窄を伴うドライバーに対する、『ドライビング・シュミレーター』での研究も話題になっています。

免許証があれば『運転する権利はあるが、安全に運転する義務もある』という言葉は、ずっしり響きます。

ちなみに高齢者安全運転支援研究会の『運転時認知障害早期発見チェックリスト30』(一部表現簡略化)。

1:車のキーや免許証を探し回ることがある
2:カーステレオやナビの操作が出来なくなった
3:メーターや時計の合わせ方がわからなくなった
4:機器や装置の名前を思い出せないことがある
5:道路標識の意味が思い出せないことがある
6:駐車場で停車位置がわからなくなることがある
7:よく行く場所への道順を思い出せないことがある
8:途中で行き先を忘れてしまったことがある
9:よく通る道で曲がる場所を間違えることがある
10:車で行ったのに他の交通手段で帰ったことがある
11:運転中、バックミラーをあまり見なくなった
12:アクセルとブレーキを間違えることがある
13:曲がる際にウインカーを出し忘れることがある
14:反対車線を走ってしまった(走りそうになった)
15:右折時、対向車の速度や距離の感覚がつかみにくい
16:自分が先頭を走り後ろに車列が出来ることがある
17:車間距離を一定に保つことが苦手になった
18:高速道路を利用することが怖く(苦手)になった
19:合流が怖く(苦手)になった
20:車庫入れで壁やフェンスにこすることが多くなった
21:駐車場の線に合わせ停車することが難しくなった
22:日時を間違えて目的地に行くことが多くなった
23:急発進や急ブレーキなど運転が荒くなった
24:右左折時、歩行者や自転車が現れて驚くことがある
25:ミスしたり危険な目に合うと頭の中が真っ白になる
26:好きだったドライブに行く回数が減った
27:同乗者と会話しながらの運転が難しくなった
28:車の汚れが気にならず、あまり洗車をしなくなった
29:運転自体に興味がなくなった
30:運転すると妙に疲れるようになった

5個以上当てはまると要注意!です。

一時は、マニュアルのスポーツカーにも外車にも乗っていたのに…
ぶんぶんドライブに出かけていたのに…
最近はめっきり…26.29該当の院長です。

足腰を鍛え少々の距離は徒歩・自転車で。
公共機関の利用に慣れておくことも、豊かな老後に備えてです。

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2017.1.17 不思議な一円玉

今年もぜんざいの出来は上々。
午前診療が終わったら、スタッフと鏡開き…の朝。

『先生、お金が落ちているんですけど…』
『え~!どこに~?』
『駐車場です。それも大量に!』
『どこ、どこ?』
そそくさと、スタッフに付いていった先は、駐車場の側溝。
『見てください』
金網のフタの上から見ると、大量の一円玉。
『お賽銭みたいだね~でも、こんな所にご利益ないよね~』
側溝は、その部分だけフタがかぶせてあり、その両側はオープンです。
そして、その部分には一円も落ちていないので、側溝が賽銭箱のようにも見えます。
『どうしましょうか』
『拾うっていっても、大量だもんね』
『何百円かはありますよ』
『こういう時は、やっぱり警察だよね』
『電話します』
緑警察署員登場。
第1発見者のスタッフは、現場?で事情聴取を受けることになったそう。
診療終了後、
『どうなった?』
『警察の人が、拾って持っていきました。おそらく、この時期、賽銭泥棒だろう、ということでした』

賽銭泥棒?
賽銭泥棒が、わざわざ一円玉だけより分けて、側溝に捨てた?
そんな面倒なことをする?
証拠隠滅なら裏の川の方が確実では?
一円玉だって結構な額のようだったし。
『一円玉を笑う者は一円玉に泣く』て言うくらいだから、ばちが当たりそう。

一円玉貯金をしていた子が転んで側溝に落としたっていうのは?
それで、金網のフタ以外のお金は拾った?
それなら、フタの下に手を入れれば取れたはず。
アスファルトにも一円も落ちていなかったし。
瓶なら、ガラス片もありそうだけど、ビニール袋だったら?

事件?発生時刻は、スタッフ・患者さんのいない夜間帯と思われるね。

いったい誰がどういう意図で???
小豆で糖分を補給しても、素人の推理には限界が。

心当たりの方は、緑警察署に保管されているはずです、問い合わせを。

誰か推理して~

カテゴリー:クリニックに関すること

2016.12.27 忘年会

先日、ささやかながら当院の忘年会を行いました。
クリスマス週にも関わらず?全員参加となり、嬉しい限り。

今年は、名古屋城を窓越しに見ながらのお食事。
まずは乾杯。
食事会の後はジムという、意外とストイックな院長ですが、スパークリングワイン1杯くらいはOKでしょう。
いつもながらワイワイと。

忘れないように『今年を振り返って』
それぞれの回想を順番に。

さらに今年は、新しくお題を振って一人ひとり答えてもらう試みもしてみました。
『私のいち押しの食べ物・飲み物』
『私のお勧めのスポット』
一人が話すと、院長およびスタッフが更に尋ねたり、突っ込んだり。
お題を振ることで、全員が話の輪に加わることが出来ました。
意外な回答に『え~』『試してみよ』などなど。

スタッフが頑張ってくれて、はせ川こうクリニックも一年また無事に終えることが出来そうです。
『ここで英気を養ってね~』
『来年もよろしくね~』
今年もみんなに感謝・感謝の一年でした。

一年を振り返ると、あんな症例こんな症例、患者さんの顔がたくさん浮かびます。
今年も多くの患者さんと、出会い、診療し、学ぶことも数多くありました。
大きな成長期(研修医~中堅医までくらいの時期)は過ぎましたが、少しでも医師として成長したい!と思うオバサン院長です。

カテゴリー:クリニックに関すること 公センセの想い

2016.12.6 子供の目やに

風邪の季節ですね。
院長は小さな風邪をもらっては、大きな風邪にならない免疫力をつけています。

さて、当院では小さな子供さんが多いのですが、主に『目やに』で来院です。
いくら女性医師と言えども、白衣を見るなり、多くは『ぎゃ~』『え~ん』と泣き出すのですが、診察は怠りなく。
目やにと一口に言っても、粘り具合、色、出方、白目だけなのか、茶目にも影響がないか、などを顕微鏡で見ていきます。
そして、時には、目やにの培養もします。

子供の場合、検出されるのは、多くは『インフルエンザ菌(ウイルスではない)』か『肺炎球菌』です。
どちらもその名の通り、風邪の原因となる菌です。
目がウルウルしていたり、鼻水が出ていたりと、風邪を引いていることが多いです。
『インフルエンザ菌』や『肺炎球菌』性の結膜炎は、就学前の子供の罹患が多いのですが、一緒に住んでいると、子供から感染することもあります。
いずれにしろ適切な抗生物質の目薬で、速やかに治ります。

しかし、他医から、『治らない』と言って来院される患者さんもいます。
話を聞くと『目薬、点せてない。点させてくれない』
それでは、治りません。
子供に点すのは大変です。
子供に協力を求めても、期待に応えてくれません。
でも、治療のためには点さないと。
よく聞くと、『点し方がわからない』
そんな時には、強引さはありますが、確実に点せるよう、図をお渡ししています。
寝ているときに点すのも手です。
黒目に入れようとせず、下瞼を引っ張って、赤目(結膜)に点眼するとうまくいきます。
小児の点眼は、院長がすることが多いのですが、その素早さに『早っ』と思われるお母さんも。

多くは軽い結膜炎ですが、稀に重症な結膜炎もあります。
たかが『目やに』と放っておかず、眼科受診をし、最短で治しましょう。

あの時、目やにで来た赤ちゃんが、もうすぐ社会人。
目薬の点し方もうまくなるもんです。

カテゴリー:クリニックに関すること 眼に関すること

2016.11.29 11月の終わりには

11月末は三男の誕生日。
どの母親でもそうなんだと思いますが、生まれた日、その前後のことは非常に強い記憶として定着しています。
前日何をしたとか、当日何を食べたとか…

三男妊娠出産については、当院の歴史(というほど大層ではないのですが)に関係しているので、よりインパクトが強いのです。

開院して間もない2年目、つわりをスタッフにさえ悟られないように、気を付けたこと。
もしや休診に?という不安を持たれないよう、妊娠していることを患者さんや周囲に悟られないよう、太りすぎず、妊婦の恰好をせず…としたこと。
安定期に入り、スタッフに妊娠を告げ、平常通り出産まで、診療を行う旨を伝えたこと。
臨月に入り、白衣の上から気づく患者さん(たいてい年配の女性)に、出産したらすぐ戻って診療再開しますよ、と伝えたこと。

お腹の子供には、どうか予定日に生まれるように声掛け。
そして予定日の2日前、朝食用に魚を焼いていたら陣痛が。
荷物をまとめて産婦人科へ。
幸い早い時間だったので家族全員集合。
陣痛が強まり、分娩室に入って10分で出産。
『猿が滑り台から逆さまに滑ってきたみたいだったね~』とびっくりした長男。

さて、出産後、浮かんだことは『今日は急きょ、休診にするしかない』
スタッフに連絡。
予定日より1週間の予定で依頼していた代診の先生には、少しずらしてもらうよう再依頼。
その手続きが済むと、一気に一人の時間(授乳はありますが)。
夜は病室でレセプトのチェック。
駆け抜けた一日。

クリニックのことが気が気でなく、3日で退院。
1週間後から通常復帰。

夜中の3~4時間ごとの授乳をした後、診療。
診療の合間にも、授乳タイム。
赤ちゃんの患者さんの泣き声にも反応して、おっぱいが出る始末。
乳汁分泌を促すオキシトシン(最近は幸せホルモンとも言われています)分泌全開!
幸い産後の肥立ちもよく、無事に診療継続。

誕生日のケーキにろうそくを灯す度、息子の成長に感謝、あの時の自分を自分で労う院長です。
もっとも今では、ろうそくは自己満足ですが。

若かった~
しかし、2度目はない(出来ない)と確信。

仮に今同じ状況だったら…
とても体がついていきません…
産休、育休の捻出考えます。
って、考えること自体、無謀です。

カテゴリー:クリニックに関すること 公センセの家族・恩師・友人など 公センセの想い

2016.11.15 二人で1個

『今年はどこへ行きたいですか?気になる所ありますか?』
恒例の誕生日ドライブのお誘い。
『う~ん、国産のシードル(りんごの発泡酒)が、信州で買えるらしいんだけど…』(と、さりげなくリクエスト)
数日後…
『長野に行きます。温泉タオルを忘れずに。厚着してくださいね』

片道2時間余。中央道を進んで飯田の次が松川町。
道中、スタッフお手製のミルクティーやお茶の温かいサービスに、癒されます。
女子ならではの気配り。

昼食の前に、まずは温泉。
外気の寒さと、露天風呂の熱さがいいバランス。
水風呂を除き、8種類の湯に順番に浸かれば、話をしながらだと、あっという間に1時間。
またもや、湯あたり寸前。

体が温まった後は、お楽しみのワイナリー。
林檎ジュースやワインの飲み比べ。
『飲んでくださいよ~帰りは私が運転しますから』
一口に林檎といえども、単一種で飲み比べると、味の違いは歴然です。
『BBQ用に1本買っていきましょう』と、シードルお買い上げ。

さて、待ちに待った『BBQ&りんご狩り』へ。
林檎畑の真ん中にテーブル。
ここで、ウエルカムドリンクのシードルまたは林檎ジュースで乾杯!
一人当たり250グラムの『りんごで育った黒豚』と、大盛り野菜!そして焼きそば。
『野菜が高いのに、すごい量ですね』と主婦感覚。
北風にさらされ、服を着こんで、ジュウジュウ焼けた肉と野菜をほおばり…
『秋冬のBBQもなかなかいいですね』
あっという間に、先ほどのキンキンに冷えたシードルも空に。
『どんどん食べようね~』
『残さず食べましょう~』
『結構な量ですね~』
と、完食。

『では、りんご狩りをしますか』
『苦しい~』
『お腹パンパンです』
ここまで来て、りんごを食わずして…
『お尻が赤いりんごが甘いって』
ほろ酔い加減で、りんごの品定めをします。
穫れたて食べ放題を満喫!のはずが、みんな、一人りんご半個でギブアップ。
あとは、お持ち帰りになりました。

素敵な誕生日プレゼントをありがとう!
スタッフに感謝です。

お知らせ
11月16日(水)CBCラジオ「丹野みどりのよりどりっ」夕方16時~18時
「オトナのいろどり~オトナのクリニック」に出演いたします。
また、無料アプリ「radiko」で1週間再生するそうです。

カテゴリー:クリニックに関すること 公センセの日常の出来事

2016.10.18 苦手な音はいろいろあるけれど…

苦手な音はいろいろありますが、そのひとつが
『ウィーン、ウィーン、キーン、チャキーン』の音。

人が通る時には、一旦中止されますが、通り過ぎるとすぐさま再開。
サングラスをして走っているときはまだしも、眼鏡をはめていない時には目をつむりたくなります。

夏の間に、伸び放題に生えた草を刈る、草刈りの音。
時折、コンクリートに当たる金属音。

苦手になった音。

研修医の頃、担当になった紹介患者さん。
細隙灯顕微鏡で観察すると、水晶体にきれいな金属片が刺さっており、水晶体は濁ってきています。
『外傷性(けが由来の)白内障』
すぐ手術の準備となり、40代後半のOさんは、水晶体を取り除き人工レンズ挿入術が施行されました。

担当医(一番下の)としては、患者さんに状況を詳しく聞きます。
『草刈り機で作業中、痛っ!て感じたけど、そのまま作業を続けたんだわ。
でも、念のため、眼科に行ったら、すぐ大学病院に行くように言われてびっくり』
回転している刃先が、コンクリートや石に接触したはずみで欠け、その破片がすごいスピードで目に飛入したと思われます。
角膜(目の表面)だと、もう少し、ゴロゴロの自覚症状が強いのでしょうが、かえってスピードはあったために、自覚症状に乏しかったのでしょう。

一方、角膜の鉄片は、サンダーなど研磨作業中に入りやすいです。
仕事柄、男性が多いのですが、こちらも意外に、入ってすぐ来院される患者さんは少ないように思います。
そのため、鉄片の周囲が錆びていることもよくあります。
水晶体に入ると、外来では手術はできませんが、角膜の場合は外来で手術します。
特別な針やドリルで、鉄片および錆びを取り除きます。
いかにきれいに取り除くか、取り除かないといけないかを研修医の時に学びます。
角膜異物の患者さんは、保護メガネをしていなかった場合が多く、はめていたら防げたのに~と、毎回思いながら除去しています。

『目に針を入れる』と聞くと、怖そうですが、角膜は薄いようで厚みはあり、顕微鏡下では、鉄片の入っている層まで針を進めます。
今でこそ、治療上、角膜に針を刺すことは何でもない私です。
しかし、子供の頃読んだ、谷崎潤一郎の『春琴抄』で佐助が目を突いて失明する場面が強烈すぎて、目自体が怖かったのは事実。
それなのに眼科医を選んでしまいました。

『保護眼鏡かけとらんかったのが悪いけど、草刈り機、もう使うのやめるわ~』
と言って、0さん無事退院。

続けて入院したS君も同様の怪我。
Oさん、S君と貴重な症例で、勉強させていただいた研修医。

学んだことは、病気だけでなく…
『草刈り機は恐い』ということ。

草刈り機の音を聞くだけで、Oさん・S君の目をいまだに思い出します。

そして…苦手な音からは、逃げるが勝ち。

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