診察室の椅子   2007.11.18

一日で一番長く座っている椅子は診察室の椅子です。薄ピンクの布張り肘置き付きの椅子は、当初事務椅子と同じものを診察用にしようとしていた際に、業者から勧められたそれなりにいいもの(もちろん値段は高い!)です。しかし、けっこう立派な椅子にもかかわらず、いまひとつしっくりくる椅子ではなかったのが実情でした。とはいえ、10年の間使い続け、診察が終わるたびに椅子の後方に身体を動かしている自分におかしいのでは?と気になりだしたのはつい最近のことです。こうなると気になって仕方なくなるのが私。この椅子はリクライニングもよく、椅子の座面は深く、肘置きもしっかりしており、椅子そのものはいいのですが、私にしっくりこないのは何故??座面には両足を載せた中央はやや盛り上がったデザインですが、私には座面の3分の2あれば十分(もう一人子供が座れてしまう)です。しかも奥行きの深さも私がしっかり座ると膝関節まで座面に載ってしまうので、仕事には向かずどうしても前へ浅く腰掛けて診察をし、その結果ずり落ちそうになり、その体勢を立て直しているのでした。つまり、これは結構大柄な人で椅子に肘をかけふんぞりかえっていられる偉い人用、私には体型にも用途にも合っていなかったのです。試しに受付から持ってきた事務椅子に座ってみると座面の深さといい大きさといい私にぴったりのサイズ。椅子もコンパクトになって診察室も広くなりました。高い買い物をしたからというもったいない精神から、こんな簡単なことに気づかなかった(気づかないふりをしていたのかも)のですね。10年目にして反省。

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開業月   2007.8.1

8月は我がクリニックにとっては特別の月です。というのは開院の月だから。この時期になると開院顛末記といってもいい位いろいろあった当時のことを思い出します。今でこそそれほど珍しくありませんが、当時大学とも関連病院とも縁もゆかりもない土地での開業はめったになく、また不利(その地では無名で実績なども不明ですから)でもありました。しかも乳児、幼児を抱えてまだまだ医師としても若輩の私は、若さゆえ清水の舞台から飛び降りたのでした。まずは、1年。石の上にも3年(その間に無謀ながら三男出産)。5年目にしてまたまた無謀ながら大学院入学。そんなこんなでも、今年で10年を迎えることが出来ました。今までのカルテ分の患者さんがうちの宝です。患者さんによって現在の自分の力をつけてもらえたと思っています。毎日こつこつ漢字ドリルをやってきて、たまには書き順を間違えたりしつつも(漢字としては合っていても)、繰り返しと復習で、漢字ドリルを始めたときよりはずっとたくさんの漢字を書き順も間違えずにすらすらきれいに書けるようになった、そんな感じです。時々のごほうびは、患者さんからの’ありがとう’とか、’先生に診てもらってよかった’の言葉。うちを選んで来院された患者さんとのご縁を大切に、そしてたくさんのうれしい言葉を診療の糧に、これからも地域の眼科医として歩んで生きたいと思います。よろしくお願いします。

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鏡開き   2007.1.11

1月11日は鏡開きです。当院ではカウンターに飾ってあったお鏡餅でぜんざいを食べるのが慣例です。今年は11日が休診日だったので1日早い鏡開きです。午前診療が終わると、ぜんざいとお餅を温め箸休めの漬物を添えて、スタッフ全員でいただきました。最近のお鏡餅は中に個包装の切り餅が入っていて便利になりました。子供の頃、鏡餅はいつもひび割れて硬いものでした(真空パックなどなかったので。さらに切り餅はアオカビが生えると削って水に浸していました。最近はアオカビも見ませんね)。お餅は簡易的にレンジでチンですが、ぜんざいはずっと私の手作りです。結婚前は小豆を煮たこともなかったので、ぜんざいなんて缶詰で事足りるのでは?と思っていた私ですが、一度興味本位に作ってみると市販のものとは一味もふた味も違い、今では我が家の母(私のこと)の味として、公センセーの味として定番になっています。いつもはスピード料理がほとんどなので、小豆をことこと煮るのは毎日をばたばたしている私としては、ちょっとなごんだ時間の流れを感じる時でもあります。煮えた小豆特有の匂いがしてきた時、さらにお砂糖を入れてもう一度似た後の甘い香りは、食する前から幸せにしてくれます。もちろんお餅を入れて食べればとっても幸せです。中学生の時’あんちゃん’のニックネームもあった私、あの‘あん’は餡でもあったりして!?

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よいお年をお迎え下さい   2006.12.28

毎年12月に入ると1,2ヶ月に一回受診される常連の患者さんには今年一年のその方の病状のまとめをお話し、最後にはお互いに’よいお年をお迎えくださいね’の挨拶になります。毎月受診でも12月は今年最後の月ということで、病状のみならず患者さんの一年を振り返って話が弾むことも多々あります。うれしかったニュースもあれば悲しかったニュースもあります。眼科でもご高齢の患者さんの中には亡くなられた方もあります。当院は新年には猫柳を飾っていました。暮れになると毎年いつもにこやかなお顔のTさんが、曲がった腰で持ってきてくださったのです。開院依頼のお付き合いでした。思いもよらず心臓疾患で亡くなられたそうです。来年猫柳はありませんが私たちにとってTさんとの大切な思い出です。
今年もたくさんの人(患者様)との出会いがありました。診療を通して学ぶこともたくさんありました。みなさま良いお年をお迎えください。来年も、微力ですが地域の眼科医としてお手伝いできるよう精進していきます。

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鮟鱇とあんこう   2006.12.8

鍋が美味しい季節です。冬の鍋の中でも”南のふぐに北の鮟鱇’といわれるほど美味しいのが鮟鱇です。グロテスクで地味な深海魚でありながらほとんど捨てるところのない身は鮟鱇の七つ道具と言われ、鍋に味と深みを持たせます。食べてみなければわからない魅力があるのです。
さて当院のロゴマークをご存知でしょうか。くじら(と思った人は多いはず)ではなく、ちょうちんあんこうです。(小学生だった当時私が書いたものなので多めにみてください)。
私のニックネームは鮟鱇ならぬ’あんこう’でした(今なら’はせこう’といった感じで単純な由来)。もちろん’こうちゃん’と呼ばれもしましたが、医師になってからも医局内では’あんこう先生’で通ってきました。それ故、鮟鱇には愛着があり、他院のロゴマークは業者デザインのものが多い中、当院のロゴマークは自作の’あんこう’にしたのです。30年近くフリーハンドで書いているのでお手のものです。小さい頃は保守的な名前が多かった中、「公(こう)」という名前はかなり個性的でしかも男性的(今でも男性院長だと思って来院される患者さんもあるし、結構男性向きと思われる勧誘が来たりもします)であったので、同級生の女の子らしい名前がうらやましかったものです。しかし、一度覚えられれば忘れにくいという利点もあり、今は「公」という名前が大好きです。姓が変わっても’あんこう’のニックネームにも愛着があるものです。
大人になって鮟鱇鍋を食し、外見とは裏腹で美味なるものと知りました。鮟鱇恐るべし。冬になると、鮟鱇ならぬ’あんこう恐るべし’と、鮟鱇とあんこうの魅力を夫と息子たちに再認識させるべく鮟鱇鍋が食卓に上ります。

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映画を観ました   2006.11.23

最近旬の映画(ドラえもんは除く)から遠ざかっていた私ですが、新聞の予告を見てどうしても行きたいと思ったのが「めぐみ 引き裂かれた家族の30年」です。公開初日は土曜日だったので診療後早速映画館へ。反抗期真っ盛りの長男が映画館の併設のスポーツショップに寄りたいからと付いて来ました。北朝鮮に拉致された横田めぐみさんとその家族の今日までの軌跡です。今までいかに自分たちが拉致問題に無知であったか衝撃を受けました。肉親を失うことは最大のストレスのはずなのに、それにも負けずめぐみさんを思う御両親のひたむきな愛情による信念と行動には涙が溢れて止まりませんでした。日本人の問題をアメリカ人によって制作されたことは意外でしたが、それほど強く世界に衝撃をもたらしたということでしょう。一人でも多くの人に見てもらいたいと思いました。隣席の長男もポップコーンに手をつけることなく、泣きじゃくっていました。感極まって、無言で映画館を後にした私たちでした。帰りの車の中で長男がぽつり、’親が子供を思う気持ちってすごいんだね’。反抗期で手を焼いている長男ですが、その存在だけで十分幸せなのだとしみじみ感じました。

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臨床眼科学会   2006.10.11       

毎年、秋は学会のシーズンです。特に眼科の中では最大級の臨床眼科学会が開催されます。最新の研究発表からインストラクションコースまで内容は盛りだくさんあるので、その中から関心の強いものを選択して聴講することになります。昨年は札幌だったので遠方過ぎ開業医としては断念。今年は京都だったので幸いでした。朝早く出れば日帰りだって充分。連日は難しいのですが、最新の知識と多くの眼科医を目の当たりにして、早速明日からの日常診療への意欲も高まりました。勤務医の頃は学会と観光はセットになっていましたが(学会の本意を間違えていたのは若かりし私だけかも?)開業医になっての学会は集中して知識を得る貴重な機会であるということを遅まきながら実感。時間の余裕が少ないため観光とは縁遠いこの頃です。

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スタッフの制服が変わりました      2005.9.3

開業以来、スタッフはピンクのワンピースにしていましたが、小さい患者さんが多いので動きが大きいこと、しかも3歳の男の子にスカートめくりをされてしまった現場を目撃し(当事者のKさんは’やだー、看護婦さん恥ずかしいわー’と返してくれました)、パンツスーツを取り入れることにしました。ストレートやブーツカットなどのデザインは個々の好みです。さらにきびきびした対応をしますのでご期待を。

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白衣のこだわりとデザイン       2005.8.1

仕事上白衣はつきものです。勤務医のときは病院からの支給のものを何も考えず着ていたので、開業時もそれらと同類のもの(一番安いもの)を注文していました。が、ある時、’もう少しいいのにしてもいいのでは?’との声に勧められたのは某大学病院の女医さんたちが着ているシリーズ。値段はいつもの3倍!(といっても普通も洋服よりは安い)に迷いつつ、毎日仕事に使うのだからと納得させ注文。着てみると、・・・あー、なんという着心地の良さ、シルエットの美しさ、生地の良さ。以後私のお気に入りはYHの白衣です。
ただし、欠点があります。これは白衣全般に言えることですが、おそらく、デザイナーは、実際に来ていないので、実用性にかけるところがあることです。一番は胸ポケットで、ここに、ペンや人によっては手帳を入れるのですが、かがむと飛び出すこと多し。ペン入れにもかかわらず底は浅めです。したがって、不用意にかがんでしまうと、中身が出てしまうのです。研修医の頃など、虎の巻から予約の手帳までなんでもパンパンに入っていた(ポケットがやたら膨らんでいるは研修医です)ので、トイレでは飛び出さないように一苦労でした。(今は机の上は私のものだけなのでいろいろ持ち歩く必要なし。)誰か、実用性を兼ねたおしゃれな白衣をデザインしてくれないかしら?

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うれしかった患者さんの来院     2005.5.27

スギ花粉症の時期になると隣の市から来院されていたYさん。開院以来の決まった時期の患者さんです。バイクがお好きで、1週間連続装用のCLの相談も受けたことがあります。今年はスギ花粉が少なかったのですが、また、お久しぶりと来てくださいました。それから花粉症も終わった3ヵ月後、’来月から、北海道へ行くんです。今日は最後に診てもらおうと思って。’Yさんとの思い出に話が咲きました。ありがとう、Yさん。私の方こそうれしかったです。医者冥利に尽きます。どうぞ新天地でがんばってください。私もこの思いを大切に診療に励みます。

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