2013.5.1スタッフ勉強記

30年前の眼科の教科書には、確実な治療方法がないと記されていた病気も研究のもと、様々な治療法が行われるようになってきました。

先日、参加した勉強会は<網膜色素変性症のキューバにおける治療>ということで、キューバの網膜色素変性症国際センター所長のラサロ医師の講演会でした。微小手術(脂肪組織の移植)、オゾン療法、電気刺激療法、サプリメント。この4つの組み合わせで、症状はコントロール出来るという報告でした。残念ながら日本ではまだ行われていませんが、近い将来(医学的には治験や認可など長い道のりかもしれませんが)国内でもポピュラーな治療法になっていくことを願わずにはいられません。人工網膜やiPS細胞による網膜再生など、少しずつですが確実に研究から臨床へと、明るい兆しがみえてきました。

医療では日々進歩、明るい話題満載ですが・・・問題山積み、先の見えない長いトンネルから出られない状態の我が家。G.W真っ最中。新緑の眩しい、花々の美しい季節。日常を離れひとり優雅にひとり旅を夢見つつ、早朝からの弁当作り、洗濯、清掃、いつもと変わらぬ?いつも以上に小言と愚痴の増えそうな予感。明るい未来の兆しが いつかきっと私にも訪れると信じて・・・

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2013.4.23     看板お色直し

先日駐車場とクリニックの看板を張り替えました。やはり何年も風雨に当たっていると、くすみや色落ちが目立ってきました。といっても、院長だけが気になっていただけのようで、看板屋さんにお色直しをしてもらい鮮やかな看板になったことに気づいたのは、スタッフでもごくわずか。たぶん患者さんは?これって、自分の肌や身体と同じ感覚?自分では、気になるあのこと、あの部分も、人にとってはあまり関係ない?でも、やはり自分なりに塗り替えたことに満足しています。クリニックも、自分も、それなりに出来る範囲で身綺麗でいようと思います。

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2013.04.20  スタッフもまだまだ学ぶ

先週に引き続き、今週もスタッフがお届けします。先日ロービジョンの勉強会に参加しました。新しい知識が増えるけれど知らないこと、分からないことも増えていきます。(なかなか覚えられないのは単なる歳のせいですが・・・)特殊眼鏡で見えにくい状態を体験。普段、何気なくみている広告も書かれている文字が分からずただの色画用紙にしかみえなかったり、肝心な価格が読めなかったり。こんな時どうしたらいいか。文字の大きさ、色、濃さ、背景の色、これらを変えていくだけで改善されることもあります。字が小さくて見にくければ、拡大コピーをする、食事の配膳が分かりにくければ、茶碗や皿の色を見やすい明るい原色に変えるなど、ほんの小さな工夫で見やすくなったり、使いやすくなったりすることがあります。拡大鏡や遮光レンズ、便利グッズも当院に用意してあります。私が出来る事はささやかなことだけれど、正しい知識のもとに助言や情報の提供ができるように、日々勉強。

クリニックの心地よさとともに、ほんの少し今より快適な視生活を患者さまに提供できますように。

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2013.4.9  涙袋メイク

突然ですが、今回は当クリニックスタッフがお届けします。

先日、友人と女子会をしていた時のこと。「最近テレビ見ていて気づいたんだけど、芸能人って涙袋がある人多いんだよ!」それを聞いてテレビを見ていると、確かにタレントさんや女優さんの中に涙袋がある人もたくさんいました。

そもそも、涙袋というのは下まぶたに沿った膨らみのことで、別名を涙堂(るいどう)というそうです。ホルモンが詰まってできていることからホルモンタンクと呼ばれることもあるのだとか。

中には「目が大きく見える」とか「色気がある」と憧れる女性もいるそうで、最近では「涙袋メイク」なるものも若い女の子の間で流行っているそうです。デカ目メイクの王道「つけまつげ」にはあまり抵抗を感じなかった私も、さすがにビックリでした。

女性にとって、「大きな目」はとても魅力的です。しかし、目のキワというデリケートな部分に、アイシャドウなどを引いて涙袋があるかのように見せるというこのメイク、ひとつ間違えば目に傷をつけてしまうことにもなりかねないなぁ、と眼科スタッフとしては少し不安に感じました。

春が訪れ出会いも多い季節。第一印象も大事ですが、目ヂカラの追求はほどほどに。

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2013.3.27 ちょっと仙台まで

東北大学でロービジョン(目の不自由な方のための)外来を見学、担当医からお話を聞く機会があり仙台へ。「今の状態から少しでも見えるようにする(病状に特化したメガネを処方したり、残っている視野を使って見る訓練)こと。そして今後の病気の進展を予測し将来を見据えたアドバイスをすること。眼科医だからこそ出来ることです。」仙台には「NPOアイサポート仙台」という目の不自由な方とその家族を支援する団体がありそちらも見学してきました。このNPOはもともとは仙台市が視覚障害者のための支援に取り組み、その結果派生した団体なので、行政(福祉)・眼科医療・教育などの連携がとても密接です。名古屋市にはまだそのシステムが確立されていないので、いつかは眼科医として達成したい目標です。

高校以来続く文通相手にも再会。震災前に購入した自宅マンションを訪問。「マンションも大揺れ。新幹線の線路が曲がっていてねー。はるか向こうの茶色の更地は津波が来たところ」などと説明を受けると、まったく平時の仙台に見えましたが、体験者にとっては激動の2年だったのだと実感。震災後すぐに飛んでいけなかったので、元気な姿を確認し感激も一塩でした。帰りの空港では、最終登乗ギリギリでアナウンスされるという始末。小さな飛行機だったので飛行機待機場までダッシュ。日頃のランニングが役に立ち定刻通り出発となりました。最初から最後まで駆け足の「ちょっと仙台」でした。

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2013.3.19 目を取り出して…

連日「本日の花粉予報」は「非常に多い」。患者さんも「かゆい」「ショボショボする」「目をグリグリしてしまう」(挙句、ひどく充血したり腫れたり)など。院長も「そうそう、わかるわかる」と共感しながら診察。アレルギーの点眼にも、作用の仕方、強弱、さし心地など色々あるので、患者さんの状態や性格(これもポイント)を診ながら処方しています。それでも改善がない場合は、ステロイド点眼を処方することも。正しく使用すればよく効きますが、眼圧が上がったりする副作用もあるので、眼科医の管理下限定で使用の目薬です。そして用法を守りましょう。飲み薬を効かないからといって何回も飲まないのと同様に。「目を取り出して洗いたい」ほどの訴えに花粉症発症以前の院長は?でしたが、花粉症患者でもある現在は、その気持ちわかります。目は取り出して洗えませんが、人工涙液を1.2滴入れ目の中の花粉や汚れを流すのは一案です。水道水は涙の大切な成分まで流してしまうので、緊急時(目に何か入った時など)以外の洗眼はお勧めできません。

さて、「目を取り出す」正確には「眼球摘出」ですが、検眼希望の方が亡くなられた時、ご遺体から眼を取り出すのは、当時眼科研修医の仕事でした。夜中、たった一人で山深い町村へ出向き、迅速に大切な眼球をご遺体からいただき、クーラーボックスを抱え帰路に。その後角膜移植が行われ、誰かにその光は受け継がれるのでした。

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2013.3.5     バリアフリー絵本

3月4日付の某新聞に「点字つき絵本」の紹介がありました。点字だけでなく、絵の部分にも凹凸があるそうです。「さわやかめいろ」「ノンタン じどうしゃぶっぶー」「こぐまちゃんとどうぶつえん」(懐かしい!)が今年2月に刊行されました。健常者は視覚から大部分を経験し、記憶します。最初から見た事がないものをどうやって記憶するのかは、とても難しいことだと思います。生まれつき全盲の青年のテープ起こし作業を見せてもらった時のこと。あまりにも音声パソコンでの変換が早くて驚きました。例えば、「はせがわ」→「長谷川」と変換するとき、「長い谷の川」と音で確認して変換終了。しかしこちらの羨望の眼差しが見えるかのように、「僕は、谷も川も見たことがないし、ましてや漢字を見たことがなかったので、ここまで出来るようになるには大変でした」と。視覚以外の感覚とそこから得た記憶をフル稼働しての結果です。健常者の目隠し体験は、既に見えていたものを記憶していての手探りにすぎません。見えない子も見える子も、子供も大人も共有していけるバリアフリー絵本。触覚で絵本を楽しんではいかがでしょう。

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2013.2.5       母娘4代

「赤ちゃん診てもらえますか?」と問い合わせがあります。目であれば、0歳から何歳まででも診察いたします。先日、生後数ヶ月の赤ちゃんが来院。中学生の時からの患者さんであるYちゃんは、もうママに。Yちゃんのお母さんTさんも患者さん、初診時は40代。「月日が経つのは早いですね」と感慨もひとしお。そして、お母さんのお母さん、Yちゃんのおばあちゃんも患者さんです。お母さんとおばあちゃんは、姓が違い、また別々に来院されていたので、母娘とは数年間気が付きませんでしたが、ある時の診察室での話から、T家の家系がすっと繋がりました。母娘4代の診察の機会を得たことは、まだ中堅の部類に入る開業医にとってはとても嬉しいことです。AさんとBさんは親子で、BさんとDさんは兄弟姉妹で、AさんとEさんはご夫婦で、AさんとFさんは知り合いで…などなど、院長の頭のカルテには、患者さんたちの家系図や繋がり、エピソードが沢山です。

さて、息子たちの学校、交友関係もしっかり把握できそうなものですが、なかなかそうはいきません。それぞれの組も担任も友人もうろ覚えのため、しばしば混同。患者さんに対するより、わが子への関心が低いのか…母親としてはいい加減ですね。

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2013.1.15       良くても変わらなくても

当院では、ほとんどの患者さんに次回の受診日をお伝えしています。その期間は1日から1年先まで。慢性の病気や経過観察のみで良い場合は、間隔が長くなります。結膜炎、ものもらいを始め、細菌、ウイルスなどの感染によるものや、怪我、炎症が強い急性の病気は、「次回○曜日、○日、○週間後」がお約束。この○は院長の知識と経験によるもので、次回、眼科医として症状の経過を確認したいタイミングです。ですので、感覚が短ければ、変化も大きい(良くなることも、もしかしたら悪化することも)病気と判断した時です。その際「(自覚が)良くなっても、変わらなくても。ましてや悪くなった時は必ず来院してくださいね」と念押し。病気というのは、自覚症状が良くなれば軽快方向に向かっている場合がほとんどですが、完治したか否かは自覚だけでは確かではありません。また、自分では変化がないと思う場合でも、医師が見れば良くなっている場合も多くありますし、点眼方法に問題があることも。必ず来院してもらいたいのは悪化の場合です。医師は患者さんが治るよう全力を尽くしますが、予期せぬ展開に経過を検証し、試行錯誤し次の展開を考えるのは、患者さんから学ぶ大変貴重な機会です。

「お顔を見せていただきたいので、また○日にお待ちしてまーす。」「治療終了です。」の次は、「また、何かあれば来院してくださいね」。ハッピーエンドをより多く目指して日々精進中です。

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2012.12.19     キャッシュレス、キーレス

先週末は、最後の日本医師会認定「健康スポーツ医」取得のための講習会(於東京)。健康スポーツ医は、健康な一般の人から、病気を持っている人(患者)に対して、運動の可否を判定し運動処方(運動の種類、強度、時間など)ができます。昨年からランニングを始めた院長は、当初数十冊の一般向けランニング教本の類を読み、走り出し、怪我と回復の繰り返し。それでもあきらめず、やっと知識と実技が結びついてきた頃です。この年齢になると、痛い目に遭うのが見え見えなので、たとえ趣味でも、新しく始めることは知識なし体当たり戦ではできません。きちんと、スポーツ医学を学ぼうと受講したのですが、講師はオリンピックに帯同した医師を始め、スポーツ医学界の専門家が勢揃い。医学的に系統建てて総論各論を勉強することができました。「スポーツ」とは、心身の健全な発達、健康・体力保持増進の身体活動と知れば、うんと敷居も低くなるというものです。眼科医として運動指導をする機会はありませんが、聞かれれば少しばかりアドバイスはできそうです。また、校医として眼科医以外の保健指導(生徒の運動、体力、栄養など)もできそうです。眼科医としては視覚障がいスポーツにも関われたら。などなど、意外と活動は広がりそうです。視覚障害者用補装具適合判定医、健康スポーツ医と、今年は、日常診療を更に充実できる知識をつけた年でした。来年はみなさんに還元できるように。

さて、東京行きが多かった今年。院長はついにSuica(JR東日本のICカード)を導入。JRのみならず、地下鉄でもOKなので、切符を購入するのにまごまごする(東京は複雑)「おのぼり」院長には楽チン。また、買い物もSuicaをタッチするだけ。嬉しくてついつい色々な物を買ってしまいました。しかしながら、コインロッカーまでSuica対応とは。個々のロッカーにコイン投入口も鍵もなく戸惑った挙句、精算箇所に60秒以内にSuicaをかざさなかったので預りは無効になり、再度入れ直すことに。院長よりもはるかに「おのぼりさん」と思えるおじさんが、やり方を教えてくれました。やれやれ。現金よりも(東京では)格好よさそうと、Suicaで精算し続けた院長。最後は、残高が商品代より少なく冷や汗をかくハメにも。来年3月には各JRのICカードの相互利用が可能になりますが、少なくとも院長はICカードに対する身の程を知らねばいけません。

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