2024.10.22 白内障、またなるの?

当院は白内障手術は実施していませんが、白内障の患者さんは多くいらっしゃいます。

白内障のほとんどは加齢によるもの。

(先天性や外傷性・アトピー性など他にも原因はありますが)

白内障は水晶体の濁り。

前から見ると黒目の部分。

横から見ると紡錘形です(院長は、小学生の頃、給食に出たローヤルゼリーを思い浮かべます)。

水晶体が加齢に伴い少しずつ濁ってきます。

 

眼鏡をかけても運転に支障がある

日常生活に支障がある

などの自覚があれば、白内障の手術を勧めます(免許基準に引っ掛かる場合は、自覚がなくても積極的に勧めます)。

 

自分では不自由を感じない。

眼科医から見ても生活に支障ないようだ。

周りがやっているから、やらないといけないのかなぁ?

などの人には、積極的に手術を勧めません。

 

白内障手術の適応時期はほとんど患者さん主体で決められます。

 

さて、時に聞かれるのが

『白内障手術しても、また(白内障に)なるの?』という質問。

 

白内障の手術では、水晶体を取り除き(吸引)、眼内レンズで置き換えます。

水晶体は、前後透明な袋状の膜で覆われていて、前面の膜だけを切り取り、袋状に残した膜に人口レンズを挿入します。

後面の膜はそのまま残します。

術後何年かして、後面の膜が濁ることがあります。

すると視力低下を起こします。

これを『後発白内障』といいます。

レーザーで濁った部分を破ることで、視力は回復します。

 

一般の白内障と後発白内障。

どちらも白内障ですが、機序が違います。

また白内障手術を受けた全員が後発白内障になるわけではありません。

70~80代では、約1割に白内障が後発白内障が起こると言われています。

 

白内障手術後よく見えていたのに視力の低下を感じたら、眼科できちんと検査を受けましょう。

後発白内障が原因であれば、レーザー治療で改善します。

 

こんな話をざ~っとすると

『ほお~そうなんかね~』(理解してもらえたでしょうか?)

『聞いてよかったわ~』

 

このように、類似した名前の病気や治療法は誤解していることが多いもの。

やはり、目の前の医師に直接聞いてみることが一番正確で責任ある回答だと思います。

 

10月10日は目の愛護デー。

子供の近視進行予防から、中高年の眼病の早期発見まで、眼科医は啓発も行っています。

院長は日本眼科学会のアイフレイルアドバイスドクターでもあり、先日ピンバッジが送られてきました。

緑内障啓発月間のグリーンリボンと同様に、しばらくブルーのアイフレイルのバッジをつけようと思います。

 

ネットでの知識。

メールやラインでのやり取り。

それもいいけど、やはり対面で情報や知識を得たい。

面倒でもコストがかかっても、学会に行く、レッスンを受ける、気になる所に足を運ぶ…

その場で『へぇ~』を感じたい昭和生まれの院長です。

患者さんが『へぇ~』を発するような診療をしたい昭和生まれの院長です

アイフレイルアドバイスドクターにご相談を!

 

 

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カテゴリー:クリニックに関すること 眼に関すること

2024.10.1 日本緑内障学会

人間、リアルでないと実感がわかないし、有難みも減ります。

どんなことも時間とお金をかけて行くからこその価値はある!

自分の年齢を考えると、実体験を増やして意識して自身に刺激を与えないと!

ということで、積極的に学会現地参加し勉強することにしている院長です。

 

今回の緑内障学会は姫路で開催。

行ったからには、前席で聴きたい講演は全て聴くがモットー。

会場の臨場感は、現場でこそ。

 

今回は、特に手術に力を入れて聴きました。

緑内障治療はまず点眼→レーザー→手術(点眼→手術のことも)です。

一生点眼治療のみで…が理想ですが、病状により異なります。

緑内障の2大手術(アプローチ)は、院長が研修医の頃に確立されました。。

緑内障治療黎明期の時代、緑内障専門の医局に在籍したことで、当時の新手術をたくさん勉強させてもらいました。

当院では手術をしませんが、患者さんを手術目的で紹介するときに、術式を思い浮かべることはします。

2大手術は、更に派生し、より簡便な手技・より侵襲の少ない手技・軽症例への手技・最重症例への手技など、どんどん新しい方法や技術が開発されています。

新しい術式により奏功した症例報告が多く発表されると、しばらくすると合併症の報告も発表されます。

どんな手術もメリットもあればデメリットもあります。

検証を繰り返して、患者さんにとって最善の術式が選ばれます。

既に2年前に解禁になった術式も、大いに議題に上がっていました。

今は、手術のビデオも見られるので、本当に勉強になりました。

 

先日の某学会で知り合ったA先生とも再会。

たまたま挨拶がご縁で、約3時間も話し込んでしまった2人。

一回り上のとてもバイタリティー溢れる女医さんです。

その際に、新しい視野計(アイモ)の話になりました。

既に世界標準型の視野計(ハンフリー)が2台ある当院。

導入するか迷っていたのですが、A先生の実際の使用経験(その後学会発表も)に推されて決断。

 

アイモ(imo vifa)は、両眼開放なのに片眼ずつの視野検査が出来ると言う画期的な視野計です。

通常は、検査しない眼を遮蔽します。

また、厳密な明るさの暗室で検査をしないといけません。

顎台にしっかり顎を固定させないといけません。

また、初期モデルよりかなり改善されたとはいえ時間を要します。

これらのお悩みを改善・解決したのがアイモです。

実際、患者さん(特に高齢者)には好評で『すごく楽だった』『視野検査が憂鬱でなくなった』などの評価をいただいています。

 

A先生と出会い親交を深めることになったのも学会が縁。

公私とも人生の先輩からもらうエネルギーは刺激過ぎる~

院長(私)まだまだひよっ子です。

 

姫路は穴子料理が有名だそう。

穴子料理専門店へ。

穴子の刺身・白焼き・かば焼き・だし焼き・ひつまむしなどなど穴子尽くし。

ふだんは鰻派の院長(名古屋は穴子より鰻)は、初めて穴子を堪能しました。

遠くに姫路城がライトアップされてとても幻想的。

気分良くなって、レジ横のお土産用焼き穴子も購入。

息子たちが帰省した時の肴に出そうっと。

 

ホテルに戻り、先ほどのお土産の穴子のパッケージの裏を何気なく見たら…

’穴子:ベトナム製…’

しかも、製造地は愛媛県の表示が…

『えっ!?名物の穴子って国産(兵庫産)じゃなかったの?』

一気に酔いがさめた院長。

私達は地場産を食べたのか?

レジ横のお土産、買わなければ考えることもなかった…

世界穴子産地問題?は、お土産でなく宿題です。

 

 

 

カテゴリー:クリニックに関すること 公センセの家族・恩師・友人など 眼に関すること

2024.8.6   YaYa(あの夏の日を忘れない)

『子供が生まれてから毎日大変なんです』某メーカー営業さん(男性)。

『何か月?』

『4か月です』

『そうね~…』と言ったものの、院長は次男生後4ヵ月半の時点で開業です。

 

やれるか?というよりやるしかない!の選択肢のみ。

次男だけでなく長男も2歳になる前。

以来、自身の医師として、母としてのどちらも中途半端に悩まされながらも、目の前のことだけをこつこつやってきたつもりです。

 

お陰様で8月1日に開院27周年を迎えました。

当日、レモンイエローのワンピースを着て(今なら赤を選択しますが)、二人の子供と近くの神社にお参りしたことが思い出されます。

 

終活?で当時の日記(今は付けていない)を見つけました。

当日の日記には、開院状況の他、最後に『A(長男)ちゃん、B(次男)ちゃんごめん』の文字が。

実際、開業以来、仕事がメインになり、子供の行事も診療日と重なれば行くことはありませんでした。

 

まだ医学部女子が少ない頃に医師になったからには、『だから女医は…』と言われたくない一心。

小さなプライドです。

まだ実力不十分若輩眼科医の診療を慕って下さる患者さんへの思いもありました。

三男出産前日まで通常に診療し、出産後1週間で通常診療に戻ったのもそのためです。

勤務医時代は、産休は法律で付与されていましたが、開業(自営)となると別。

気力体力で乗り越えられた心身の丈夫さに感謝です。

 

息子たちにステレオタイプの母親(院長が憧れていた)らしくしてやれなかったことは、ずっと心に引っ掛かっていました。

もう成人になった酒席で、そのことを問い申し訳なく思う心情を吐露。

しかし、息子たちは

『全然。行事には来なくても、学校健診に(学校医として)来てくれたことの方が嬉しかった』

『仕事している母親が普通だと思っていたから』

母(院長)拍子抜け。

それらの言葉に、酔いが回ったのは言うまでもありません。

 

社会人になった息子たちと、世の中や仕事などの話題でお酒が飲めるのは有り難いことです(必ず飲み過ぎます)。

 

あの夏の日を忘れることは出来ません。

子どもたちの誕生日の次に、大切な日です。

初心を忘れずに。

まだまだ攻め(前進)て行くつもりです。

直近では、新しい視野計を導入することにしました。

両眼開放下で、実は片眼ずつ検査が出来ると言う画期的な視野計です。

 

8月1日はスタッフでお祝いの会を催しました。

ホテルの個室で非日常を味わって、モチベーションアップに繋がりますように。

オンオフは大切。

みんな、それぞれのプライべートもお悩みも…ここだけの話。

それがこうクリニックの流儀、準家族のようなひと昔前の繋がりです。

スタッフからは、素敵な似顔絵をもらいました。

『かなりきれいに描いてあるね~』息子評。

 

息子たち全員が社会人になり、母親業も卒業となりました。

今までだって好きなことをやってきた方ですが、時間だけはどうにもならず断念することも。

そういうわけで、今年はお盆休みをいつもより長~くすることにしました。

子供の出産のときにも休まなかったのに、今更?

自問自答して悩むことしばし。

『よくがんばりました』

『その時頑張った貯金と思って、お休みいいんじゃない?』

息子たちだけでなく、スタッフからの、患者さんからの言葉でもあります。

みんなに支えられています。

感謝。

 

今後ともよろしくお願いいたします。

カテゴリー:クリニックに関すること 公センセの家族・恩師・友人など 公センセの想い

2024.4.9   目を見て頭が分かる?

患者Aさんが夕方来院。

めまいのお話から始まりました。

めまいから眼科?

よくよく聞くと、数か月前からめまいがあり耳鼻科に受診。

めまいのお薬をもらっているとのこと。

めまいは相変わらずだけれど、本日PC使用中一瞬見えなくなった。

これは眼科も関係しているかも?と受診。

よくよく話を聞き、まとめると…

耳鼻科受診の前に頭痛が発症。

内科受診。

鎮痛剤を処方してもらい、少し良くなったり、再発したり。

そのうち、めまいや吐き気も起こるようになり耳鼻科に。

お薬を処方してもらい、少し良くなったり再発したり…

様子を見ていたところ、本日目の症状が出現。

 

視力は両眼ともよく出ています。

眼圧も異常なし。

診察に入ります。

瞳孔異常や眼球運動異常はありません。

顕微鏡検査をします。

眼球の前方は全然問題ありません。

眼球の奥を見ます。

『あれ!?』(ここで診断はほぼ確定です)

 

視野検査と眼底写真撮影をします。

 

診断は

『うっ血乳頭(にゅうとう)』です。

脳から眼球に入る視神経の一番太いところ(乳頭)に、頭蓋内圧(脳の圧)がかかって、浮腫(腫れ)を起こしている状態です。

視神経は通常境界がはっきりしていて、ややオレンジ色をしています。

緑内障などで視神経が悪くなると、色も黄色~白っぽくなります。

逆に、うっ血乳頭の場合は、境界がなく赤っぽくなります。

 

うっ血乳頭の症状は、頭痛・吐き気・めまい・一過性の視力低下など。

脳圧が上がることで、症状を起こします。

 

検査結果が揃ったところで、Aさんに説明します。

原因は脳にあること。

脳の圧が高くなっている原因としては、脳腫瘍が最も多く、ほかに脳出血や水頭症が考えられること。

だから、脳外科に紹介状を書くので今すぐ行ってください。

 

夕方でしたが、緊急で脳外科受診をしてもらいました。

 

翌日返信が来ました。

悪性脳腫瘍を疑い、手術前提で緊急入院となったとのこと。

 

やはり…

たぶん…とは思っていたものの…

Aさん頑張って!

あとは脳外科の先生にお任せするしかありません!

 

眼球は脳から繋がっているにも関わらず、普段は命に関係ない目の病気がほとんどです。

見える・見えないは眼科医にとっても患者さんにとっても大きなことです。

しかし、それ以上に生きる・死ぬは、医師・患者さんともに大きなことです。

眼科医だから目しか見ない(通常は目だけで完結しますが)のではなく、眼科以外の勉強が今も役に立つときがあります。

科によっては古い知識しかありませんが、機会を見つけて上書き保存です。

うっ血乳頭から脳腫瘍がわかったAさんの例も、開業してからは初です。

滅多にない病気も、自分の引き出しに知識や記憶があってこそ患者さんに還元できます。

 

開業して、脳外科につなげた患者さんは、『脳動脈瘤』『脳梗塞』そして今回の『脳腫瘍』

いずれも、脳の病気と思わずに眼科受診され、診察検査結果から脳外科に紹介、緊急入院となった例。

眼科医も命を救うことがあるのです。

 

 

数か月後、ひょっこりAさん来院。

『帽子被ったままですみません』と前置き。

結果はやはり悪性だったとのこと。

取り切れるだけの腫瘍切除をし、放射線・化学治療をし、入院生活は数か月に及んだとのこと。

 

『ありがとうございます。助かって良かったです』

 

『頑張られましたね』

 

こうして色々な症例を経験し、患者さんから勉強させてもらっている院長です。

まだまだ精進中。

目の神様も背中を押してくださいます。

 

こちらもご覧ください。

2018.1.23 右目が見えない

 

 

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2024.3.5  ライトアップ in グリーン運動

今週から白衣の襟元にピンバッジをつけています。

緑内障啓発活動の一環です。

緑内障を表すグリーンリボンに’傾斜乳頭’と’リムの菲薄化’をイメージしたデザイン。

英語でglaucoma(緑内障)と記されています。

緑内障専門医から見たら『いいね!』のバッジです。

 

今年は3/10~3/16が緑内障週間です。

世界緑内障週間は2008年から世界一斉に行われている緑内障啓発のための国際的イベントです。

毎年3月上旬の1週間を世界緑内障週間(World Glaucoma Week)と定め、種々の啓発活動を行っています。

日本では日本緑内障学会と緑内障フレンドネットワーク(患者団体)が組織に加わっています。

日本でも啓発活動(健康講座や講演会)が行われてきましたが、限られた対象者に対する活動になりがちなため、2015年からグリーンライトアップが実施されました。

緑内障に関心がない一般の人たちへの啓発効果もあり、以後毎年実施されています。

 

緑内障なので漢字の通り「グリーン」のライトアップ。

想像しやすい色だと思います。

『ライトアップ in グリーン運動』は、2015年~2017年は全国の公共機関を中心にライトアップ。

その後2018年より医療機関でのライトアップを実施し、当院も当時より参加しています。

 

なぜそんなに緑内障啓発運動をするのか?

緑内障は我が国における中途失明原因の第一位だからです。

緑内障と診断されると、患者さんによっては『失明』と言う言葉もよぎります。

しかし、早期発見早期治療をすれば、失明はもちろん高度な視覚障害も免れることは可能です。

 

ただし、初期の緑内障は自覚症状に乏しいため、自分で気づくことはほとんどありません。

当院でも、コンタクトレンズ処方や結膜炎・白内障など全く別の訴え・症状で来院された患者さんから緑内障を見つけることが度々あります。

他のことがきっかけであれ、緑内障が見つかったことは(不幸中の)幸いとお話ししています。

未発見のまま進行している・進行していくことが多い病気だからです。

緑内障は、一生付き合う病気です。

 

院長の眼科医人生(30年以上)において、緑内障の診断技術・機器・治療法は著しく進歩しています。

しかし未だ緑内障についてすべては解明されていません。

少しでも進歩について行けるよう院長も精進していくつもりです。

緑内障と一生付き合う患者さんと一生お付き合い(診療)するつもりで。

 

『また来てくださいね』『また今度お待ちしています』を繰り返し、いつしか患者さんとは10年20年のお付き合い。

 

当院の花壇でもこじんまりですが、緑内障週間中ライトアップします。

グリーンに感化されて、緑内障検診を受けてみようと思う人が増えると幸いです。

 

こちらもご覧ください。

2021.3.2 グリーンにライトアップ

2022.3.8 世界緑内障週間2022

 

 

カテゴリー:クリニックに関すること 眼に関すること

2024.2.20 ヒヤリハット知ってる?

昨年、お礼の品に釣られて遠く離れた町にふるさと納税をした院長。

息子たちが帰省するから、量あったほうがいいよね~と思い、牛肉のお得感に惹かれて決済。

 

冷凍便で届きます。

開けてみるとパックの牛肉切り落としが3個。

確かに量はあります。

あれ?

箱の内側に茶色の物体。

えっ!?何?

何十年前なら『キャー!!』と叫び声をあげていた院長。

ですが、もう肝も据わっているお年頃。

何?と、凝視すると…蜘蛛が平たく凍っていました。

体長1.1mm。

普段見るのはもっと小さい蜘蛛なので、初見です。

とりあえず状況証拠の写真を。

 

翌日、写真を添付してメールを送りました。

同様の一件が起こらないように、原因と今後の対策を明記して知らせてほしい旨。

最後に、該当自治体の発展を期待する言葉を添えて。

 

同日、業者から電話がかかってきました。

『すみませんでした。返品と返金とどちらがご希望ですか?』

『…どちらも結構です。今回は、ふるさと納税なので返礼品をもらわないといけない義理もないですし(と言いつつ、当初返礼品目当てだったのですが)。

ただし、自治体のメールにも書いたように、原因と今後の対応をしっかりして報告してください。食品衛生上、良くないと思いますよ』

 

しばらくして、再び業者から電話。

『肉の注文(梱包?)が来る前に、暇なときに箱を組み立てているので、その部屋に蜘蛛が入ったのかもしれません』

『開けっ放しなんですか?』

『はい…』

『虫や蜘蛛が直接肉のパックに入らなくても、段ボールに入ったら大変なことなんですよ』

『はい…』

『今後どうすることになりましたか?』

『ん…窓を閉めることと、あまりたくさん箱を組み立てておかないようにします』

相手は声からして20代の女性。

顔が見えないからこそ、電話は尚更誠実さを伝えないといけないのに、上からの指示で電話した…と言う印象。

報告書が欲しい…と言いたかったけれど、その気も失せた院長でした。

今回の梱包内の異物混入は、この業者の誰まで(上司)が知って対応しているのか…

ヒヤリハットって言葉、知ってる?

再発防止のために連絡したのに残念な対応でした。

業者のためと思って連絡したことは、自己満足だったのかも。

 

当院でも大事に至らなくてもヒヤリハットは起こります。

患者さんに指摘されて気づくこともあります(順番など)。

当事者スタッフは院長含め全員に報告。

それから対処法も考え共有します。

院長は『患者様対応係長』として、対応・謝罪もします。

 

医療安全委員会の外部・内部の講習会にも、院長スタッフとも参加しています。

 

ふるさと納税は、自治体に寄付し役立ててもらうのが本来の趣旨。

そのまま全部自治体に寄付するつもりで、返礼も返金もいらないと言ったけれど…

今回寄付したお金が全て自治体に納付されるわけではなく、業者のお礼提供品には支払われるでしょう。

寄付金の一部がお礼の品に使われて、地場産業が潤う。

良いことのように思われますが、今回の一件(ちょっと残念な結果)を思うと複雑な気持ちの院長。

また応援したくなるようにするのも地場産業では?

ピンチはチャンス!なのに。

 

 

 

 

 

 

カテゴリー:クリニックに関すること 公センセの日常の出来事

2023.12.19 ガラスの靴

スタッフとアフタヌーンティを楽しんできました。

12月に入りホテルはクリスマスムード全開。

 

ロビー待ち合わせで院長約10分前に到着。

既に全員集合。

その心意気、普段の仕事と同様です。

 

席に案内されます。

女性に人気のお店と言うだけあって、ほぼ女性グループ。

既にあちこちで華が咲いています。

 

最初のドリンクを。

メニューを見ると、有名なM社の紅茶を始めコーヒーや烏龍茶もあります。

お代わり自由(飲み放題)です。

『迷っちゃうね~』

院長は温かい紅茶を注文。

みんな興奮しているせいか?『暑いから…』と、一杯目はアイスティーやアイスコーヒー。

あれ?

何はともあれ、グラスとカップで『お疲れ様!』と乾杯。

M社の紅茶はフレーバーに特徴があり、選んだ紅茶をポットから注ぐと、チョコレートとスパイスの香りが。

『良い香りですね~』

『嗅いでみて~』と回覧。

 

三段のケーキスタンドが登場。

『クリスマスシーズンを楽しむプリンセスをイメージしたスイーツです』とのこと。

『わ~!』『可愛い~』の歓声。

『アフタヌーンティーと言ったらこれよね~』

 

フィンガーサイズのパンやキッシュ。

ピスタチオのケーキやパフェ風のムースやゼリーなどなど。

ケーキにはガラスの靴を模したホワイトチョコレートの靴。

ムースの上にはティアラが。

一口食べるたびに、感嘆・感想が口々に出るのは女子会ならでは。

 

次々に銘銘気になるお茶を注文します。

またまた香りのご紹介で盛り上がり…

ガールズトークは尽きません。

 

『楽しく仕事させてもらっています』

スタッフの言葉は、院長にとって最高のクリスマスプレゼント。

院長の目指す方向に付いて来てくれるスタッフたちに感謝です。

 

お皿にガラスの靴を一つ残した院長。

飾っておきたいくらい可愛くて精巧です。

『食べないんですか?』

『ううん、大好きなものは最後にしようと思って…』と答えたものの、脳内にはJR東海のCMシーンが。

東京発最終の新幹線に乗った遠距離恋愛の恋人を見送る彼女。

ユーミンの『シンデレラ~♪♪…ガラスの靴、片方、誰が持っているの~♪』

ロマンティックな恋愛に憧れていた当時の自分(大学生)を思い出しました。

恋愛ソングやドラマに夢中になり、幸せにしてくれる王子様の出現を信じていた頃(恥ずかしい)。

 

あれから何十年を経て『ガラスの靴はおとぎ話。自分を幸せにしてくれる(幸せにする)のは、まず自分』と悟った自分は、もうプリンセスよりクイーンの心持ち。

甘いガラスの靴を口に放り込みました。

あの頃と違った目でガラスの靴を見れそうです(現在、CM使用のガラスの靴はリニア・鉄道館に展示)。

 

プリンセスのアフタヌーンティ。

ひと時でもスタッフが幸せ(ハッピー)な時間を過ごしてくれて院長としては何より。

お代わり自由は、全員ひとり4銘柄制覇。

飲もうと思えば飲めます…が、お腹のチャプチャプ感もすごいことに(交代で離席)。

 

さて、今回出てきた一人用のティーポット。

卵型のスタイリッシュな日本製です。

ホテルやお店で使用した備品が気になると購入する院長。

手に入れ、家でも使うことで思い出になっています。

早速ティーポットも探して購入。

今回のアフタヌーンティを思い出しながら紅茶を飲もうと思います。

日常の小さな幸せです。

 

次回の公センセの部屋は1月9日です。

今年も一年ありがとうございました。

 

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ヌン活でWell Being

 

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2023.10.24 見える!

秋の学校視力検査、就学時健診が始まりました。

学校での視力検査は、ABCDと4段階で判定しています。

A 1.0以上

B 1.0指標が見えない

C 0.7指標が見えない

D 0.3指標が見えない

眼科での視力検査のような詳細な値は示されません。

 

それでも、学校生活を送る上での目安になります。

A 教室の一番後ろからでも、黒板の字がよく見えている。

B 後ろの方でも黒板の字はほとんど読めるが、近視の始まりの可能性が高い。

C 後ろの方では、黒板の字が見づらく、近視になっていたり他の病気があるかも。

D 前の方でも黒板の字ははっきり見えていない可能性があるので、眼科で診察対処を。

 

就学時健診時は、初めての場所(小学校)のせいか、泣いたり緊張している新一年生も見受けられます。

院長は必ず就学時健診の際に、目の病気の有無と視力検査の結果を伝えます。

B以下があった場合、程度に応じて、もう一度(速やかに~就学までに)視力検査を受けるよう勧めます。

 

結果を聞いて、子供に『○○ちゃん、目悪かったの!?』と聞くお母さん。

子供からしたら『知らんがな~』

小さな子供に視力低下の自覚はありません。

『たまたま緊張していただけです』

『視力検査が理解できてないんだと思います』と、受診する必要はないと言い張るお母さん。

悪い結果は信じたくないけれど、再度眼科で検査して問題なければよいし、何か見つかれば就学に備えて対処することが出来ます。

 

学校からの受診のお勧め用紙を持参される患者さんたち。

Dでも『見えている』『困っていません』と言う人もあります。

見えるは、その人の感じ方もあるので、はっきり見えてなくても『見える』と言うのは事実です。

ただし、学校生活に支障ないように必要な(はっきり見える)視力が必要とされています。

免許を取るにも、自分の『見えている』では通らないのと同様に。

 

視力検査で受診された時、子どもは、ピント合わせの力が強いため、通常の屈折検査では正しい状態(近視?遠視?乱視?また程度)が分かりません。

そのため検査用点眼薬で毛様体筋の緊張を取り、正確な屈折程度を確かめます。

 

点眼薬で近視に出れば、間違いなく近視で、回復は見込めません。

 

当院でも行っているオルソケラトロジーは、初めて近視と診断された時にスタートするのが好機です。

もちろん近視と既に診断された方にも適応です。

コンタクトレンズを付けて就寝、起床したら外す。

昼間は裸眼(1.0~1.2)で生活できます。

特に水泳や接触スポーツ・バレエなどの習い事にも安心です。

 

当院のオルソケラトロジーの患者さんたちも、良好な視力で学校生活を楽しんでいます。

もちろん定期検査をしっかりし、院長が責任を持ってフォローしています。

 

親(大抵母親)が、コンタクトの管理をすることになります。

母と子のスキンシップが朝晩出来る(せざるを得ない)ので、母子のスキンシップは遥か昔になってしまった(息子たちは成人)院長としては羨ましい限り。

朝起きてコンタクトレンズを外したら、子供が『見える!』って言ったんです。

お母さんからの嬉しい報告。

 

次男はアトピーがひどく、一時期、毎晩処方された軟膏を指に塗って、布で巻き、その上にネットをかぶせていました。

『最後に帽子(ネットをそう呼んでいた)被せようね、帽子並んだね(5本指)~良くなるといいね~』で終了。

面倒な時もあった指の治療も今となっては懐かしい思い出です。

 

オルソケラトロジーも、きっと母子(主に母)の良い思い出になるはずです。

 

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カテゴリー:クリニックに関すること 公センセの家族・恩師・友人など 眼に関すること

2023.9.26 ビフォーアフター

今年の夏はとても暑かったので、長期休みや休日も花壇の水やりに気を遣いました。

早朝と夕方と。

花壇はお花屋さんが四季折々に入れ替えてくれるお花が主流です。

加えて、長男出生時に役場でもらった誕生記念樹のもみの木。

香りのよい金木犀などの木々もあります。

当初30センチもなかった小さな苗木は、息子よりもずっと素直にすくすく育って、今では人の背丈をずっと追い越しています。

 

早朝は誰にも会わないだろうと、すっぴんで適当な格好で水やりをしていると…

意外にもウオーキング中の多くの患者さんに話しかけられました。

『誰かと思ったら…先生』

挨拶をし会話をするものの、じっと見ないで~(と、うつむき気味の院長)。

 

水やりをしながら、クリニック周りも見ていきます。

ハイビスカスの花が咲いた、散った。

ゴミが落ちている、拾おう。などなど。

 

そして、ふとやり過ごしていた看板のくすみが急に気になりました。

西側(docomo側)は西陽によって変色も。

看板は、クリニック開設以来一度新しくしたのですが、もう15年以上となり、経年劣化も甚だしいことを改めて痛感。

 

気になると何でも動かないと気が済まない院長。

早速看板屋さんと打ち合わせ。

 

院内も壁紙や椅子・ロールスクリーンなど随時改修しているのですが、イメージを変えずに同系色でまとめるので、意外と患者さんは気づいていません。

 

『現行の原色の看板からイメージを変えてみましょう』

と提案されたデザインは、院長の思いもしっかり入っています。

 

院長は眼科専門医(この道一筋)なので、目に関することは何でも診ます。

地域のかかりつけ医のスタンスですので、『こんな些細なこと、いいの?』と思っても気軽に受診してください。

地元4校を各15年以上学校医も拝命していますので、親子2代に渡り学校保健活動でも担当していることも。

小さなお子さんにとっては、女性医師であることは強みかもしれません(怖いお母さんだけど、怖い先生ではない。つもり)。

お子さんの成長は著しく、何年かぶりの来院の姿に目を見張り、近況を聞くのも楽しみです。

大学院では緑内障を専攻したので、緑内障患者さんとのお付き合いは途切れることなく長く長く。

 

誰でも、いつでも、何かあったら来院してくださいね!という眼科です。

 

出来上がった看板は、手前味噌ですがとても良い出来!

工事終了後、出来上がった看板を確認すると…

まさにビフォーアフター!

ピンクを主体に優しいイメージの中にもアピールはしっかり。

立看板の当院マスコットキャラクター?の『あんこうちゃん』の提灯部分は結構苦労したとのこと。

LEDになり明るくなりました。

 

駐車場の白線も塗りなおしをしました。

 

経年劣化は仕方がない…ですが、古くても手入れが行き届いている建物やモノは、美しいし気持ちが良いです。

当院も経年劣化は否めないものの、患者さんに気持ちよく来院していただくために、メンテナンスはしっかりしていこうと思っています。

何年・何十年ぶりに来院される患者さんに『センセイは全然変わらないね~』と言われることもありますが、自身の経年劣化(自覚もちろんあり)も日々のメンテナンスで最小限に食い止めるよう努力をしています。

古いけれど、古いだけに見えない(歴史の重み)。

年だけど、年に見えない(人生の重み)。

オバサンだけどオバサンじゃない!(院長スローガン)

 

看板を新しくしたので、新規開業の気持ちで頑張ります。

   

 

カテゴリー:クリニックに関すること

2023.8.1    おかげさまで26周年

今年は、ツバメの巣が2回もカラスの攻撃に遭い、卵や孵ったばかりの雛も餌食にされてしまいました。

壊れかけの空になった巣の周りを、2羽のツバメが飛び回るのを見るのがやるせない院長でした。

もう今年は来ないかも…とあきらめていた頃、ツバメの雌雄が巣を修復して卵を産みました。

今度こそは…と、毎朝晩、巣を見上げ、落下物(糞・虫それ以外)を確認する日々。

ようやく、小さな雛が5羽顔を出すように。

よしよし…と思ったのも束の間、修復した巣は手狭だったせいか、一羽落下していました。

まだ産毛が生えそろっておらず、息も絶え絶え。

可哀そうですが、見届けるしかありませんでした。

 

その3日後。

またもや、雛が1羽落下。

3日前の雛よりは、産毛はあるものの、羽も短くも揃い始めています。

当然飛べません。

何とかせねば。

 

息子に連絡。

ふだん母のお願いにはほぼ耳を貸しませんが、今回は迅速対応。

ツバメの生態・人の手での育て方などを調べ、ミルワームを買ってきました。

小さな鉢にティッシュを敷き、ピンセットでミルワームを1匹づつ。

お腹がすくときは、大きな口をパクパク開けて吞み込みます。

お腹一杯になると餌に見向きもしません。

これを30分ごと。

息子は2日間どこに行くにも連れて行き世話をしました。

『赤ちゃんの世話って大変やな~Pちゃん(雛の名前)可愛いから出来るけど』

ちょっと~

そっくりそのまま、子育て中、母(院長)があなた(息子)に向けてた言葉ですよ!

ツバメの子育てより大変だったんだから!!!(親ツバメエサ探し・運びも大変だけど)

2日後、巣に戻して無事に生育。

兄弟ツバメの中では一番小さいせいか、最後まで巣に。

兄弟に数日遅れて、やっと初立ち。

『飛んだよ~』

孫(いないけれど)を見守る祖母と父親みたいな、母と息子のしばし穏やかな時間を雛が提供してくれました。

 

ところで、先日某メーカーの担当者が代わりました。

担当のTさんは、以前にも当院担当。

懐かしさで話が弾みます。

『あの頃は、息子さんたちを保育園にお迎えに行ったこともありましたね~』

開院当初は、子供がまだまだ小さくて、保育園のお世話になっていました。

診療状況で、どうしてもお迎えに間に合わない時には、面会に来ているメーカーさんたちにも助けてもらいました(良き時代でした)。

Tさんにもお世話になっていたのね~改めて感謝です。

一人で何もできない雛のような息子たちは、お陰様で、今度は親ツバメになれるほど成長しました。

 

お陰様で、当院も26周年を迎えました。

患者さんとの出会い、そこから得た眼科学の知識と経験の引き出しはかなり多くなっていると思います。

①医師が診療し指針を示す(事実に基づき診断・治療方針を決める・経験値も有用)

②患者さんが治療方針を遵守する(点眼回数・期間を守るなど)

恐らく①②が守られていれば、病気は快復または小康状態を保てます。

上手く結果が出なければ①に戻ります。

20年以上定期的に通院されている緑内障の患者さんの多くは、進行が抑えられています。

 

何年かぶりに来院される患者さんには『思い出して来院してくれてありがとう』

定期的に来院される患者さんには『いつも頼ってくれてありがとう』

『こんにちは!○○さん』から始まり『お大事になさってください』の〆の後の、声に出さない言葉です。

 

今後ともよろしくお願いいたします。

 

 

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