2024.3.4  幸せの黄色 in ペルー その2

マチュピチュ遺跡はアップダウンあり、1日かけて歩くと1万歩超。

ナスカの地上絵へまでは、セスナでアンデス山脈を越え、砂漠を渡り、旋回飛行で主翼が指す絵を見ます(探します)。

スコール・乗り物酔いなどアクシデントも。

百聞は一見に如かず。

 

クスコは3360Mの標高で、マチュピチュも含め訪ねた村や塩田はアンデスの高山地帯にあります。

アンデス=高山病。

医学部時代に勉強した記憶が呼び起されます。

 

高山病とは、気圧が低く酸素濃度の低い高地へ行くことで、体内で使える酸素が少なくなり.頭痛・吐き気・嘔吐・ふらつきなど(酔った感じ)が起こる病気。

高度が下がるにつれて症状は改善しますが、ひどい場合は酸素吸入やダイアモックス@(炭酸脱水素酵素阻害薬)を用います。

脳の血管を広げ血流を増加、脳内の低酸素状態を改善。

3000M以上の高地では発症率は約40%。

ダイアモックス@の内服が効くと言われています。

 

ダイアモックス@は、実は眼科医にはおなじみの薬です。

眼圧がある程度以上高くなった時に眼圧を下げる内服薬としてよく処方されていました。

カリウムが不足することが多いのでカリウムを同時に出したり、全身の副作用に注意しなければいけませんでした。

しかし25年ほど前に、同じ成分の点眼薬が発売。

緑内障治療において画期的な点眼薬の登場です。

今では緑内障患者さんに、同種の内服薬を処方することはほとんどありません。

 

幸い高山病にはなりませんでしたが、クスコよりも標高の高いチンチェロ村(3750M)では空気が薄い自覚はありました。

長閑な山岳農村地帯で人々は普通に生活しています。

(医学部ではなぜアンデスの人々が高地で普通に生活できるかも勉強しました)

やや小太りの浅黒い顔、山高帽にカラフルな民族衣装。

 

アルパカやリャマの毛を糸にし、染めて織っていく伝統工芸。

赤はカイガラムシをつぶしたコチニール色素から出す貴重な色だそうで、その深紅色に魅せられてしまいました。

 

 

マラスの塩田(3200M)は、泉から湧き出る塩水が流れていき、約3000の棚田を作っています。

塩水を天日で乾燥させて塩を生成するそうです。

段々の緑の田んぼではなく、全部真っ白な塩の田んぼ。

巨大なチョコレートのかけらのようです。

塩田ごとに所有者が違い、嫁入り道具として使われるとか。

 

ペルーは美食の国とのこと。

ほとんどの食材が手に入るそうです。

中でもジャガイモはペルーが発祥とされており、何十種類も。

市場でもカラフルなジャガイモが多種売られていました。

乾燥芋(天然のフリーズドライみたいな)もあり、何十年と経たものでもお湯で戻せば食べられるそうです。

ガイドさんに、インカの目覚め(日本産ジャガイモの名)を教えたら喜んでいました。

 

そしてコカ(の葉)。

コカの葉から抽出されたコカインは麻薬(違法)だけでなく、麻酔薬として医療用に用いられています。

ペルーではコカの葉が普通に売られています。

コカ茶やコカ飴も。

コカの葉自体はコカイン濃度が低いので、依存性は抽出コカインに比べて低いそう。

現地の人たちは好んで口にします。

高揚感が出たり、疲労空腹の軽減になるそうです。

コカを含んだ食物は国外に持ち出し禁止なので、珍しさで買ったコカ飴はペルー内で消費しました。

 

ペルーの魅力はまだまだたくさん。

わずかですが、行って見て知ったからこその産物。

Gracias peru!(ペルー、ありがとう!)

 

 

3月2日(日)の中日新聞に記事が掲載されました。

 

 

 

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2025.2.18   幸せの黄色 in ペルー その 1

『面会希望の方がみえています』

『誰?』

名刺を見ると『駐名古屋ペルー総領事』

心当たりはありますが、まさか?!

 

大晦日から新年をペルーで迎えた院長です。

新年を祝う色は黄色。

町の飾りも黄色一色。

黄色い布や風船がはためていました。

お店では、黄色の下着が積まれていました。

黄色い下着で新年を迎えると幸運が訪れるとのこと。

(巣鴨商店街の赤い下着のディスプレイに似ています)

 

マチュピチュ村での年越しは、各自黄色いものを身に着け、花火を打ち上げます。

院長も黄色い造花の首飾り(診察室にあり)をして、花火を見ていました。

24時を過ぎると、黄色い花びらのシャワーが。

花火に興じる人、ワインで乾杯する人、抱き合う人、色々でした。

 

日本の紅白・中国の赤以外に黄色一色のお祝いムードに圧倒された院長。

赤が一番好きな色ですが、次は黄色になりました。

色だけでなく、様々な体験に興奮冷めやらぬまま帰国。

溜まっていた新聞に目を通していた時のこと。

某新聞の外交便りにペルー総領事の寄稿が。

ペルーのお正月の縁起の良い黄色について書かれていました。

そうそう、これこれ。

休刊にしておかなくてよかった。

嬉しくなり、早速お手紙をしたためた院長。

 

まさか、直接来訪されるとは…

総領事さんは非常に温厚な感じの方。

ちょうど空輸(スーツケースに入れて)したインカコーラ(ペルーの黄色いコーラ)があったのでお出ししました。

通訳を通し(スペイン語なので)、手紙を読んだこと、ペルーに来てもらい感謝していることを述べられました。

旅の思い出、ペルーについて民族・生活・医療・文化など現地で知ったり感じたことを話しました。

 

また、ペルー人の日本語ガイド第一人者が書いたペルー(特にインカとアンデス)についての本を購入し、読んで学んだ感想も。

 

ペルーは日本の国土の3.4倍。

スペインの植民地を経て1821年スペインから独立。

スペイン人(白人)のような顔立ちもあれば、アンデス(先住民の血が入っている)の顔だちもあれば、日系人(アジア系)もあり、あらゆる血筋の人々の国です。

新疆ウイグルへ行った時もそうでしたが、世界には色々な人であふれており、共存していることを改めて感じます。

公用語はスペイン語ですが、アンデスのガイドさんは普段はケチュア語を話すと言っていたし、日系のガイドさんは日系1~2世とは日本語で話すそうです。

日系人は勤勉ゆえ、どの業界でも要職にあるそうです(日系のガイドさん談)。

ただし、そこまでの苦労は並大抵ではなかったとのこと。

経済の多くは観光業で支えられているためか、ガイドさんはペルーへの来国の感謝と自国の素晴らしさをアピールしていました。

 

世界遺産だけでなく、自分なりに垣間見た文化や生活はずっと記憶に残ります。

 

『またペルーに行きたいですか?』と聞かれ、

『はい、是非!』とは言ったものの

『かなり遠いので、なかなか直ぐには…』と付け加えると

『うん、うん』と頷かれました。

 

『知りたいことや行きたいところがあったら何でも質問・連絡してください』

『はい、是非!』

たくさんのペルーの観光パンフレットを持って来られました。

アマゾンも気になる…

ペルー再訪実現するか?!

 

やりたいことリストに追加です。

 

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2025.2.4 怒ってもいい!

産業医資格を継続するには、定期的に研修会を受講(勉強)しなければいけません。

何でもそうですが、資格は取るよりも取ってからが大事&大変、少なくとも現役でいるためには。

 

今回は、日本産業ストレス学会で研修を受けました。

この学会参加は初めてですが、ストレスにかかわる各種業界(医療だけでなく)から会員は構成されているそうです。

産業保健という専門分野があるほど広く深い領域。

院長はほんの少しの関わりですが、勉強できる時はせっかくなので集中!

 

今回、特に興味を持ったのは、職場におけるアンガーマネージメント

『アンガーマネジメント』とは、怒る必要のあることは上手に怒り、怒る必要のないことは怒らないようにすることだそうです。

実地研修だったので、グループ(産業医の)で起こることのデメリット・メリットを挙げてみることになりました。

私たちのグループで出たのは

デメリット:自分が体調不良になったり落ち込む。関係性が壊れる。本質が伝わらないなど。

メリット:感情の発散(負の感情をため込まない)。相手に伝わるなど。

院長もよくプシュプシュ(小さな怒り)する方なので、負の感情をためないでいるのかも?!と振り返り。

 

怒りとは、自然で必要な感情のひとつ・コミュニケーション的機能であり身を守る防衛感情なのだそう。

個人差はありますが、エネルギーやパワーになるとも。(←院長に若干当てはまっています)

 

しかし、多様化の時代。

医療者の感情労働(感情を抑える)や職場のメンタルヘルスにおいてアンガーマネジメントの必要性が叫ばれています。

 

怒りはなぜ起こるかというと、理想と現実にギャップがあるから。

私の~べき・はずと他の人の~べき・はずは違うこと。

時代や立場・場所によっても変わることを認識することが必要。

 

また自身のメンタル(苦しい・悲しい・疲れた・怖い・空腹・眠いなどなど)が不調だと、怒りは生まれやすくなります。

 

怒ってもいい。(←ちょっと安心)

 

でも問題となる怒りもあります。

1.激高して謝罪しても許さない。

2.怒りを持ち続ける(前も~だった)。

3.頻度が高くいつも不機嫌。

4.怒りを人に(溜息・舌打ち)物に、自分(リストカット)にぶつける。

 

アンガーマネジメントの3つのコントロールとして

1.衝動のコントロール

怒りが出たときすぐ発散せず6秒待ってみる(深呼吸1回)

2.思考のコントロール

日時場所感情怒りの強さを振り返ることで、自分の怒りの傾向・パターンが見える

3.行動のコントロール

怒りを感じたときに重要・非重要/すぐ対応・放置と分けられるようにする

 

アンガーマネジメントに関する本は、以前何冊か購入して読んだことが。

息子たちに怒ってばかりの自分が嫌で読んだものの、結局母(院長)のべきと息子たちのべきは全然違うことが理解できませんでした。

社会人になった息子たちに、酒席で諭されます。

『親の言うとおりになる子供のほうが少ないんやで~』

『親と子供は違う人格なんやで~』

今ならもっと上手く子育てできるのに…

すごく焦っていたあの頃。

非常に長かった子育てを卒業した今、わかります。

 

今回も職場のスーパーはメンタル不調者なし。

スーパーもお客さんに対しての感情労働です(肉体労働もあるけれど)。

年末年始忙しかったそうですが、スキマバイトも動員して乗り切ったようです。

インドネシアの技能実習生たちは、仕事も日本語も上達し嬉しい限り。

産業医(院長)も頑張ります!

 

卵が茹るまで怒りを待てたらすごい!

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2025.1.28 台湾産、ま?!

所用で沖縄日帰り。

空港を含め沖縄滞在時間は6時間半。

それでも一応旅です。

沖縄行きはいつもかりゆしウエアで。

沖縄へのささやかなリスペクトです。

 

那覇市内はゆいレールが便利。

一番前の席は前向きで運転席のすぐ後ろ。

前方が広く見える特等席です。

一番前に座りたくて、出発を一便ずらしたことも。

今回は時間がなく残念。

座ったのは、もうすぐ就活(話の内容から)の男子学生たち。

ゲームとおしゃべりに夢中で景色は全く見ていません。

話を聞いていても(聞こえる)楽しい年頃。

(景色見ないならオバサンに代わってよ~)心の声。

 

所用を済ませて残り数時間。

行きたい所、やりたい事は欲張らず絞るのがコツ。

今回は初めての福州園。

老師(先生)おすすめの場所です。

那覇市制70周年記念と那覇市と福州市(中国福健省)の友好都市記念締結10周年記念事業の庭園です。

 

春・夏・秋冬を建築物や石像彫刻・木々で表現。

どの場所から見ても絵になります。

静寂の中、時々すれ違う人々が話してるのは中国語。

それゆえ、中国式庭園と相まって異国にいる錯覚に。

 

併設のカフェで沖縄風かき氷を。

注文にきたスタッフが日本人ではなかったので、もしかして中国人?中国語実地チャンス!と思い、国を訪ねると

『ミャンマー』

あれま、それでもしばらく日本語で話をしました。

知らない誰かと話すのも旅の楽しみ。

 

 

北海道では杉植林がないので、スギ花粉症は発症しません。

沖縄は…というと、沖縄でもスギ・ヒノキは非常に少ないので、内地(本州)のようなスギ花粉症は発症しません。

琉球松(リュウキュウマツ)が2~3月に花粉飛散しますが、抗原性が低いので、ほとんど症状発症に至りません。

この時期沖縄暮らしもいいなあ~と見果てぬ夢。

 

名古屋は既にスギ花粉がいくらか飛散し始めました。

毎年予防的に早めに点眼開始する患者さん(早期治療が最も効果的!)、ムズムズやかゆみ・違和感を感じる患者さんは、すでに来院されています。

スギ花粉症の院長も既に開始済み。

昨年夏の暑さの影響で、例年比よりかなり多めの飛散予想です。

東海地方では特に津(三重県)市と静岡市は飛散非常に多しです。

 

素晴らしい庭園を満喫して帰ります。

 

スーパーや市場が大好きな院長。

地元の人が利用するお店を覗くのは楽しみ。

沖縄産のバナナ・パパイヤ・ドラゴンフルーツなどが並んでいます。

島バナナは嬉しくて買ってしまう果物のひとつ。

初めて沖縄県産の法蓮草・セロリ・サラダ菜を見つけました。

このような野菜が沖縄で栽培されているとは…

地元では当たり前かもしれませんが、沖縄と結びつかず驚き。

地産の野菜や果物を買うのも旅の楽しみ。

 

特筆すべきはサンマの塩焼き。

台湾産と表記。

『台湾産、ま?!(吉本新喜劇の茂三じいさん)。台湾サンマ?!』

サンマが台湾で獲れるの?

サンマ=北海道や三陸沖のイメージ、サンマ=台湾とは結びつかずまたまた驚きです。

沖縄と台湾の距離・親交を実感。

 

野菜や果物・魚をその日のうちに空輸(院長とともに)

なんて贅沢な法蓮草やサンマ達。

 

法蓮草もセロリも普通の味でした(何を期待した?)。

サンマは、普段食べている北海道や東北のものに比べると、スリムで脂がない感じ。

こういう経験もお楽しみ。

 

花粉症でクリニックも忙しくなります。

元気に仕事をするためにも、束の間の非日常は大切な時間です。

 

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2025.1.21  インフルエンザで目やに?!

巷ではインフルエンザが流行っています。

インフルエンザ罹患中の眼科受診はありませんが、全ての人にマスクの着用はお願いしています。

 

一年中通して子供の目やには多いですが、特に寒い時期に一番多くなります。

まず、状況を保護者からヒアリング。

そこから速やかに診察。

目やにの色・粘り具合・出方や白目や黒目への影響など。

時には、目やにの培養も。

長年眼科医をしていると、小さな子供さんに対する対応も迅速になっていることを実感します。

子供に対応するコツ・診察のコツ。

もう今は慈母の気持ちです。

 

子供の結膜炎の場合、検出される多くは『インフルエンザ菌』か『肺炎球菌』です。

どちらも風邪の原因菌です。

『インフルエンザ菌が出ました』と説明すると

『え~!インフルエンザに罹っていたんですか?!』とびっくりされる方が多々。

『いわゆるインフルエンザとは違いますよ。あっちはウイルス。今回は細菌です』

 

細菌は単細胞の生物で細胞分裂により増殖(自分で増殖可能)。

ウイルスは生物の細胞に感染して増殖。

細菌は顕微鏡で確認可能。

ウイルスは小さい(細菌の約1/1000から1/100)

 

インフルエンザウイルスによる風邪とインフルエンザ細菌による風邪は全く別物です。

 

子供の結膜炎の患者さんは、目がウルウルしていたり、鼻水が出ていたりと、風邪を引いていることが多いです(高熱はない)。

『インフルエンザ菌』や『肺炎球菌』による結膜炎は、就学前から小学生の子供に多く、また何回も繰り返します(よく風邪をひくから)。

小さな子供と同居家族の場合は、子供からの感染か、同じ細菌性結膜炎になることもあります。

いずれにしろ、適切な(強くなくてよい)抗生物質の点眼で速やかに治ります。

もちろん眼科医に完治を確認してもらってフィニッシュです。

 

ただし、きちんと点眼をすることが大前提。

小さな子供は、なかなか協力をしてくれませんが、それでも回数を守ってさすことが大事(処方指示を守るは治療の大原則)。

最近は、院長の提案『目薬さしましょう』とか『ものもらい切開しましょう』『〇〇なので眼鏡作りましょう』に、お母さんが子供に承諾を問う光景が見受けられます。

『目薬さす?』『切る?』『眼鏡作る?』

子供は大体『いやだ』(当たり前)

ここは、保護者が決定して欲しいところです(子供の人格を尊重かもしれませんが、この場合は違う…)

 

もの思うこと多いこの頃です。

 

さて今年もあれこれ計画。

どれも自己満足の範囲での自己決定。

 

先日所用がありJR利用。

ホームに着いたのは13時近く。

ちょっとお腹が空いたし寒いし…自販機で何か飲み物…

視界に入った立ち食いソバの看板。

そう、『やりたいことリスト』の片隅にあった駅の立食い蕎麦屋。

いつでも行けそうで現在まで実行に至らず。

なぜなら、電車に乗る時点で空腹の時がないから。

若い頃と違って、別腹とか、無理に食べようということをしなくなりました(不可)。

美味しく食べたいので、お腹の空き具合は重要。

お腹減り具合においてベスト!

今こそ!いざ、立ち食いソバ!

迷わず店内に。

券売機でお勧めのきしめんを。

狭い厨房でおばさん(70代?)2人が手際よく連携プレー。

冷凍きしめんを茹で、つゆに入れ、エビ天・揚げ半分・鰹節とネギで完成。

熱々のきしめんが体に沁み入ります。

立食いゆえの束の間の幸せ・初体験。

 

今年も楽しいこと見つけられそうです。

 

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2025.1.14  象が落ちても…

個人宅に往診に行くと、年季の入ったガラス戸にたくさんの土産物・置物が飾ってあるのを見ます。

子どもの頃、友人宅や親戚宅でよく見た昭和の風景。

余程気に入ったお土産や飾り物以外は買わなくなった昨今。

 

ですが、一人旅復活してから自分用に小さな置物をいくつか買うように。

旅した体験と記憶が一番のお土産なのですが、目に見えるものとして小さなお土産も欲しくなるもの。

お土産を見てその時の旅を思い出す。

回想は幸せな時間。

 

とはいえ、やはり置物に統一感はなく…

置き場を探していたら…ありました。

院長電子カルテの横のモニターの回転台。

 

置いたもの。

網走刑務所のアポポ(服役者が作成)。

野沢の鳩ぐるま(籐で編んだ地元婦人作)。

宇和島闘牛の木の置物(闘牛は一見の価値あり)。

備前焼の亀(の箸置き)。

つるつるした石(息子が旅先で拾ってきた)。

4792と彫ってある小さな与那国馬(地元の陶工房)。

ちょんと腰かけている鳩サブレ人形(本店限定)。

バンダナを巻いているオバケのQ 太郎人形(3本の毛が今2本に)。

そして、カンボジアで買った象(これのみ大きい)。

 

診療の度に目に入るので院長の癒しになっていました。

モニターで説明した後、患者さんに尋ねられることも。

 

ある時ちょっとしたいたずら心で、象をPCの上面に手をかけているように置いてみました。

意外にもキュート。

ただ置いておくよりもいいね~とスタッフと話していました。

 

ある日の診療終了後、スタッフが『すみません~、先生、大変なことが!』

何々?

聞くと、PC周りを掃除しようとしたら象が落下、牙が取れてしまったとのこと。

見ると確かに象の牙が折れています。

そして牙の折れた所を見ると…何と空洞!

やはり…

 

カンボジアの市場で見つけた木彫り(と思っていた)の象。

一目見て欲しい!と思ったけれど、その時は現金しか持っていませんでした。

しかも持ち金は残りわずか。

何度か手に取り戻しを繰り返し、やはり象は高いなあと思っていると…

日本語で『お姉さんだから安くしておくよ、○○ドルにするよ』

う~ん、手持ちが…

『もう少し安くできる、それとてもいい物』

手持ちのお金を見せて断ろうとすると…

『わかった、○○ドルでいい。すごく安くなった』

『買います!』

Good Job!

模造紙に包まれた像を持ってホテルに向かって歩いている(約1.5キロ)と、トゥクトゥク(2輪タクシー)が近づいてきて乗らないかと誘います。

1乗車2ドルとのこと。

1ドルしかないことを伝えて断り歩き出します。

すると、1ドルでいいから乗っていけとのこと。

50%ディスカウントしてくれホテルまで付けてくれました。

 

帰国後、象を家族に見せると『木製じゃないよ。プラスチック製を買わされたんだよ』

そんなこと思っても見なかったけれど、お風呂に入れると沈んでいきました…

でもまだ木製を信じたい院長。

牙が折れたことで、いわく付きの象はやはりプラスチック製だったと判明!

やはり…

 

真偽がはっきりしてすっきり。

お値打ちに買ったと思ったのに、市場のオバサンのほうが上手。

トゥクトゥクのドライバーは、じっと待っていて0より1ドルにまけても乗車してもらった方が売り上げにつながると賢明な選択。

みんな生きるために頭を使っている…

カンボジアの市場と象とツクツクのエピソードは一番のお土産。

偶然ですが、象が落ちて良かったのかも。

 

代わりに、一位一刀彫の巳・宇和島の牛鬼が加わりました。

新年から賑やかなデスク周りです。

こちらもご覧ください。

2023.8.22 何しにカンボジア? その1

2023.8.29 何しにカンボジア? その2

2023.9.5 何しにカンボジア? その3

カテゴリー:クリニックに関すること 公センセの日常の出来事

2024.12.24  仕事は楽しい?!

今年もあとわずかになりました。

先日吉本新喜劇を生で見て、今年の笑い納めをした院長です。

 

院内の忘年会では、しゃべり納め?!

いつもスタッフのおしゃれを楽しみにしている院長です。

よそ行きの服にお化粧。

みんな素敵!

院長も気合を入れてこの日のために服を新調。

『先生、パーティー用ですか?』

『ううん、これ(忘年会)用。ここでお披露目したら普通に着ます』

懐石料理を囲んで話の輪が咲きます。

 

仕事のこと、家庭のこと、日常のことなどなど

オバサン(院長筆頭)の強みは、話が途切れないこと。

 

仕事の話題で。

夫から『(パートだから?)楽しく働いていていいね~』って言われるんです、の声。

正社員の立場からは、理不尽なことに耐えて仕事をしなければいけない時も多々。

休みたいと思っても休めないことも多々。

それは夫でなくても、クリニックの院長として働いてきた経営者であり労働者の立場(一応妻でもあり母でもあり)からすると理解できます。

パートさんが、子供の行事でお休みしたいと言われると、かつて(子育て中の院長)は羨ましく思ったこともありました。

 

しかし当院のような小さなクリニックだと、パートさんといえども各々得意なことで重要な仕事を担ってくれており、大事な戦力になっています。

そして楽しく働けてるって最高じゃん!

楽しく働けているのは、その人の特性に合っているということ。

楽しく働いているって羨ましがられるくらい、生き生きしていること。

院長感謝。

自信持って~!

 

かくいう院長も、仕事をしていて落ち込むことも悩むことも多々ありますが、続けてこられたのは、仕事が好き!ということ。

眼科専門医・医学博士・開業医・学校医・産業医・健康スポーツ医・障害者スポーツ医、どれも必要で好きな仕事です。

 

67職種調査(朝日新聞)によると、正社員のうち、労働時間が一番長いのは約53時間の自動車運転従事者(トラックなど)で女性の割合は2.8%。

次に多い医師は約50時間で女性の割合は24.9%とのこと。

 

『つらい。大変。嫌だ』

これに勝る『好き』

瞬間的に49:51になることもフルタイムの医師生活の中ではありましたが、経験を積み、家族も変化する中、『好き!』を続けて良かったと思います。

患者さんにはいつも『先生、元気だね~』と言われます。

元気な姿でいること、元気に声をかけることも院長には医師としての必須条件だと思っています。

何かしらの病気があって患者さんは来院されるので、気分だけでも明るくスタートしたいと思っています(もちろん腕は大事)。

 

忘年会の話題に戻って…

常に音楽や音が欲しいか否かでまたまたおしゃべり。

院長は日常的にイヤホンはしないし、見ないテレビはつけません。

その代わり周りの声・会話をよく拾います。

 

先日、知人とすし屋のカウンター。

一席離れて、出張のビジネスマンが大将と温泉談義。

『このあたりに、すぐ行って帰ってこられる温泉って…』

『下呂・奥飛騨…』

違う違う…もっと近場が…

知人と話をしながらも、耳がダンボ。

教えてあげたい…

とうとう『あの~横からですみません…蟹江温泉があります!日本名泉100選の源泉かけ流しですよ』

『あ~蟹江温泉。確かに』と大将。

電車ですぐの旨を伝えると『帰る前に行ってみます』

 

ほんの小さなどうでもいいことでも、大きく盛り上がるのが女性ならでは。

スタッフたちに感謝です。

 

院長は自分用にクリスマスカードを何枚か買います。

メリークリスマス!

 

次回は1月14日です。

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2024.12.17    今度は日本按摩

中国の按摩(マッサージとは厳密には違う)を施術してもらって以来、色々なマッサージが気になるように。

 

今までそれほど用もなかったのに、違いを感じたくてまずは手近なリラクゼーションに。

眼科医は常に細隙灯顕微鏡を使って診察をするので、前かがみになりがちです。

加えて電子カルテの入力をするので、首肩には負担が。

そのために首肩の筋トレをしている院長です。

無資格者(リラクゼーション店は資格不要)でも、マッサージしてもらえば気持ちよくなります。

リフレッシュにはいいかも。

ちなみに医師免許があれば、針灸按摩の施術は可能です。

 

 

次に、中医学の先生(前回の新彊で)に施術してもらった経験をもう一度…と、中国的な施術をしているところを探しました。

按摩推拿は、圧迫・さする・押す・つまむの意味だそう。

施術者は日本人。

本場中国に行ったことはなく、中国人から伝授された日本人からの伝授(孫弟子?)とのこと。

本場施術者の体験(私)を聞きたいようでした。

気持ちよくなりましたが、中国の先生の施術とは全然違う。

まあ、これも一つの体験。

 

街にはマッサージ店が溢れかえっていますが、按摩(鍼・灸も)の看板はめっきり見なくなりました。

あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師は、専門の養成施設や学校で学び、国家試験に合格して資格を取得します。

江戸時代以降、視覚障害者(盲人)の職業として定着していましたが、現在では晴眼者(目の見える人)の方が多くなっています。

昔は『あんまさん』と呼ばれていたような…

 

今回、視覚障害者であるあん摩マッサージ師に施術を受けました。

通された部屋には入っていくと、小柄な女性Aさんが『こんにちは~』

仕事柄、目には注意が行く院長。

両眼とも義眼です。

つまり盲目。

親し気な声でベッドに横たわるように言われます。

 

最初は、黙って施術をしてもらっていたのですが

『足、硬いですね~』と言われ

『たぶん筋トレしているので…』

『そうなんですか~私もね~運動しなきゃいけないんですけどね~』それを機に話が弾みました。

首もしっかり揉んでもらいます。

院長は普通のオバサン患者。

そのうち『失礼ですが、目は病気か何か…?』

『赤ちゃんの頃に、目に癌が出来たんですよ。取らないと脳に行って死んじゃうからって、両眼取ったんです』

『そうでしたか…』

オバサン患者の脳内、一気に眼科医にスイッチオン。

網膜芽細胞腫だったんだ!

 

網膜芽細胞腫は、眼球内に発生する悪性腫瘍です。

乳幼児に発症します。

腫瘍が大きくなり、瞳孔が白く見えようになることが特徴です。

また、低視力や斜視で発見されることもあります。

放っておくと生命に関わるので、昔は眼球摘出が唯一の治療法でした。

現在では、大きさによっては化学療法などで温存も可能に。

また両眼の場合は遺伝性である可能性もわかってきました。

院長も大学病院時代、該当する患者さんを受け持った経験があります。

今でも時々思い出す患者さんです。

 

生来の視覚障害者だけでなく、中途失明者にとっても資格取得は生活の上で重要です。

昔より視覚障害があっても職業の選択は広がっていますが、ある意味狭まってもいます。

按摩(初体験)で身体は気持ちよくなりながらも、頭は冴えてしまった院長でした。

 

 

こちらもご覧ください

2017.4.11 日本眼科学会in2017

 

 

 

 

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2024.12.9   異国の按摩

中国語中年(院長)勉強中。

テキストに、足ツボマッサージ(足底按摩)店のシーンが出てきました。

足を頼んで、その後肩も頼むシーン。

今なら中国語で何とか言えるのですが…

 

初中国語圏・台湾で体験したのは、お馴染み足ツボマッサージ(足底按摩)。

お湯に足をつけて温め、ひざから下をマッサージ。

観光客相手で日本語もほぼOK。

観光体験としては十分楽しめました。

 

今年の夏の中国研修旅行。

休暇に入りぐっと疲れが出て初日から調子が良くなかった院長。

敦煌のガイドさんにホテルのマッサージを頼みます。

本場中国だし、この規模のホテルなら当然あるよね?!と思い、たどたどしい中国語でトライ。

ガイドさんは日本語で、ホテルはマッサージを斡旋していないから、個人的に探して派遣すると約束。

その晩10時、ドアをノックする音。

女性と聞いていたので、バスローブ姿で『こんにちは、私は中国語を習い始めたばかりなので、うまく話せません』(中国語)と挨拶。

OK,OKみたいな感じなので安心したものの、まずベッドの端に足先が向くように仰向けに。

足マッサージの始まりでした。

今までにない快感!

これが本当の足ツボマッサージ?

丁寧過ぎて足だけで1時間終わってしまうのかと心配になりましたが、うとうとしていると今度はベッドの上のほうへ行くように言葉と身振りで。

院長、ほぼ身振りで理解。

極楽~と思いながらうとうと。

今度は、頭をベッドの端に。

『マオチン、マオチン』と連発。

『〇チン?何?』埒が明かずにいたところ、洗面所へ走って行って持ってきたのはタオル。

『マオチン・毛巾・タオル』やっと繋がった院長でした。

最期は頭のマッサージで締め。

翌日の体調回復にはびっくりするほど。

謝謝。

 

これに気をよくして、最終日ウルムチでもウイグル族のガイドさんにマッサージの手配を頼みます。

『〇〇病院の東洋医学の医生・イーシャン(=医師)が来ます』

中国では、西洋医学(日本で言う医師)だけでなく中国漢方医学(中医学)もあり、漢方や針灸マッサージなどの方法で患者を治すとは聞いていたけれど…

中医師が直々とは!

しかも男性とのこと。

中国語の先生(女性)に、夜どんな格好で出迎え?たらいいのか相談。

相手は仕事(医師)ですが、ホテルの一室。

1対1。

バスローブじゃまずいでしょう?!

かといって、がちがちの服でマッサージされても…

結局、持参のパジャマを着て待つことに。

中国語の挨拶も粗相がないように…と無茶苦茶緊張。

ピンポーン。

相手は日本語で挨拶。

敦煌ブームで日本人観光客が増えた20年以上前に覚えたとのこと。

日本語多め中国語少しの会話。

まずは、椅子に座るよう指示。

首の後ろから頭頂に向かって強く指でなぞられます。

今までない体験。

『今夜よく眠れます』

ベッドでマッサージしながら、中医学について話してくれました。

西洋医学の各科から紹介されて治療すること。

按摩推拿という言葉があり、街中での施術は按摩で、病院は推拿といい中医師が担当するようです。

『〇番の骨棘ちょっと悪いね』

自覚はないので加齢のようです。

そのほか『日本の魚は食べても安全か(原発以来)?』など日本事情も興味があるようで…

強めでやや痛いくらいでしたが、そのあと背面の体温上昇を実感。

足の揉み方も激しかったのですが、その後すっと楽になりました。

さすが医生!謝謝。

 

中国語話せたらもっと気持ちよかったなぁ…

異国の按摩、again!

 

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2024.12.3  人もワイン?!

11月第3木曜日はボジョレーヌーボー。

ボジョレーの新酒ワインの解禁日です。

 

20年以上前の大学院生の頃。

JRから金華山の岐阜城が見えると間もなく岐阜駅。

岐阜城は、懐かしさ(故郷)とともにエールをくれるシンボルでもあり。

木曜日は、大学病院の緑内障外来を担当し研究もして、ふらふらになりながら一目散に家に向かいました。

幼い子供たちは頑張って起きて待っています。

翌日は自院の診療です。

 

現在よりもずっとバタバタの毎日でしたが、それでも、大学院を経て医学博士を取得したときは感無量。

実際には、博士号取得後の恩恵よりも、博士号を取る過程で勉強・研究したことが大きな収穫となりました。

 

大学病院の緑内障外来は、進行した緑内障患者さんや、手術前後の患者さんなどでいっぱい。

クリニックでは経験しないような症例も多く経験。

これも眼科医として知識と経験の財産となっています。

そして、途切れることなく新しい知識を得ることもスムーズになっています。

 

 

最近、重症化する緑内障のタイプがわかってきました。

進行が速い患者さんとは…

1,高眼圧

開放隅角緑内障では、眼圧が1mmHg下降するごとに、進行リスクが10%減少。

正常眼圧緑内障では眼圧を30%下降により約8割が進行抑制された。

2.落屑(らくせつ)症候群

落屑とは、加齢により瞳孔周囲に付くふけのようなものです。

落屑緑内障は平均的には正常眼圧緑内障より進行が10倍速い。

3.睡眠時無呼吸症候群

眼圧が低くても進行しやすい(肥満・加齢・男性は発症要因となる)。

 

 

QOLが低下する患者さんとは…

1.中心視野障害がある

日本人に多い正常眼圧緑内障は中心視野障害を生じる頻度が高い。

強度近視の正常眼圧緑内障は早期から中心視野障害が生じやすい。

 

まだ20年前にはわかっていなかった知見です。

多くの症例・論文の積み重ねで新しいことが分かってきます。

 

さて、当時は今よりもボジョレーヌーボーの売り出しが盛んでした。

11月の第3木曜日の大学院の帰りには、必ずお勧めのワインを買って帰りました。

新酒だけあって、渋みもなくフレッシュ感があり、普段飲まない院長でも飲みやすかったです。

 

いつの間にか普段飲むようになった院長。

そしてボジョレーヌーボーも買わなくなりました。

好みは重くて渋みのある辛口赤ワイン。

ちなみに赤ワインは緑内障発症率を下げる傾向ありと言われています。

今日の一日に『お疲れ様!』

 

最近読んだ終活をテーマにした小説。

75歳の主人公が、高校1年生の時の憧れの女子に、終活と称し再会の機会を図ります。

再会した彼女は、初々しく清楚な女子高生はどこへやら、苦労の人生を経て同居の嫁の悪口を話しまくる婆になっていた、という始末。

親しい知人にその落胆を話します。

しかし落ち着いた先は…

『昔は、えぐみも渋みもなくて複雑さもないライトボディのワイン。

今のほうがずっと面白い。

意地も悪いし策士だけど、それが人間の複雑さになっていた。

まさにフルボディ』

 

なるほど。

楽しいことも悲しいことも、嬉しいこともつらいことも、たくさんの経験をすることによって、自分というワインが熟成されるのだと思えばこの先も乗り越えられそう。

目指せ、最高のフルボディ!です。

澱(おり)も溜まるくらいに!

 

 

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